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マチネに制作その3

感想と創作
まず、実際に読んでいて感じたのは、現代に生きる人々の疲労感と感覚としてのリアリティの希薄さを感じました。

それは、僕が最近感じていた違和感とリンクしてもいました。

SNSや動画サイトの発達で、今までは経験でしか得られなかった知識が瞬時に見られるこのご時世。理解したと錯覚させられる事によって、二の足を踏み中々、行動に移れない人々。そして、何かしないと取り残されるのでわ?と自暴自棄になっている様に僕には見えて、なんとも滑稽でいて哀れにも思えます。なんと言うか、その全てが「手のひらサイズ」に集約させられ、感動や驚き、人が本来持ち合わせている感情が、コンビニ感覚で手に入ったと思い込めるようで、ひっそりと恐怖を覚えたりもするのです。だからこそ、洋子の様に生で感じた物にこそ、本物の価値がある様に思えてならない。

恐らく、蒔野や洋子は、自身の活動の中で、本来の人の感情に触れたいのかなと、だからこそ惹かれあっているんだろうと感じました。

制作にあたって、そんな現代の息苦しさの中で、感覚が麻痺し流されてしまっている人々や、または社会を皮肉っていきたいと考えています。

こちらは現在、開催中の個展で展示している新作「絶賛自分受付中」です。
これは、情報過多により、間違った可能性の解釈によって、手段と目的の逆転がおこり、結果的にやりたかった事が分からなくさせている最近の自分探しな風潮に馬鹿なのか?とちょっと吐きかけたくなった作品です。

また、こちらは組織や社会で生きてく中で、確かにある自分の本音、それを隠す皮を、社会人をテーマに制作した「本音とは程遠い」

はたまた、いつも見えている物も角度を変えれば違う価値観があるをテーマに制作している、小さいおっさんシリーズもあります。

#マチネの終わりに

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