第5話 古代エジプトのファッションから現代へと受け継がれる黄金の精神
ゼロから始めるとらい物語とは、ファッションに興味がないアニヲタのトライがひょんなことからアパレル業界に転職して、ファッションオタクになるまでの物語です。
前回「ファッションの歴史を学び始める」という事で服の始まりを調べてみました。
第5話のテーマは「古代エジプトのファッションから受け継がれる黄金の精神」です。
エジプトのファッションらしさの秘密とは何か?
エジプトと言われるとジョジョの奇妙な冒険第3部 スターダストクルセイダーズを思い浮かべます。ジョジョの魅力と言えば、作中に描かれる世界観に没入出来る事です。
エジプト出身のモハメド・アヴドゥルからはエジプトらしさを感じます。ところでエジプトらしさとは何か?
謎を解くためには、古代エジプトの人達がどんなファッションで生活をしているのかに答えが見えてきました。
エジプトは地理的な問題から、リネン製の生地を着ています。これはリネンは繊維が硬く、体に密着しない涼しい生地だからです。シンプルな服のデザインになり、上流階級の人達は装飾品を身につけています。
また肌の露出が多いことと、服装のデザインがシンプルなため、特に上流階級の服装では様々なアクセサリーが喜ばれました。宗教上の風習と暑さをさけるためのかつらは独特で、ほかに頭飾り、衿飾り、イヤリング、ペンダント、ブレスレット、指輪など、すぐれた工芸品が金細工を中心に発達しました。その結果、シンプルな服装を土台にして、一種独特なエジプト・スタイルが形成されたのです。
ファッションの歴史 History of Fashion
著者 千村典生 出版 平凡社
エジプトらしさの答えそれは、、、装飾品によるものでした!
第三部の表紙の中で空条承太郎に装飾品が散りばめられているのも胸熱です!(ファッションの視点から作品を見ても更に奥深く見えてきます。)
伝説の王妃から、歌姫マドンナまで影響している?
ネフェルティティ王妃は、紀元前14世紀のエジプト新王国第18王朝の支配者でアクエテンの妻であり、政治力と素晴らしい美貌で後世にまで影響を及ぼしていました。そしてその美貌は後世のファッションまで影響を受けています。
この赤い砂岩の彫刻は紀元前14世紀のもので、ネフェルティティをかたどったものだと考えられている。細かく襞をとったリネンがバストの下の一点でギャザーをつくり、片方の肩だけを覆っている。これがこの時代のスタイルであるが、ここでは豊穣の象徴である官能的なヒップをもつ肉体を強調している。
世界服飾大図鑑[コンパクト版]
河出書房新書 DK社[編] 深井晃子[日本語版監修]
デッサンしてみた彫刻です。(今後デッサンシリーズの画力はあげて行くので、お楽しみに!)
この彫刻やネフェルティティの胸像を見て、多くのデザイナーにインスピレーションを与えていきます。
3500年以上の時を経ても、ネフェルティティをはじめとするエジプトのすべてが、今日のデザイナーにインスピレーションを与え続けている。青い冠をかぶった独創的な胸象は1912年に発掘され、ベルリンで公開されたとき、この際立って印象的な彫刻はたちまち人々を魅了した。〜中略〜1920年代にはミイラ風のラップドレスまで出現した。このアイデアは2000年代の肌に密着したバンテージ・ドレスとなり、フラッパー(1920年代の奔放な女性)達は黒髪、赤い口紅、濃いアイラインを好んだが、これもまたエジプト熱の表れであった。ネフェルティティの有名な胸像が、彼女たちを刺激したと考えてもいいかもしれない。
世界服飾大図鑑[コンパクト版]
河出書房新書 DK社[編] 深井晃子[日本語版監修]
古代エジプトのファッションからラップドレス→バンテージドレスへとそして、マドンナへと繋がっていきます。
映画『イン・ベッド・ウィズ・マドンナ』(91)のプレミアのため、カンヌ国際映画祭へ舞い降りた歌姫。ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)を身に纏い、スターらしく登場した。下着姿にシーツを巻いただけのような、セクシーな装いに会場は騒然。
ポップスの女王、マドンナのファッションよ永遠に!
BY VOGUE JAPAN 2018年4月26日
マドンナのデッサン(本物の画像は上のURLから見れます↑)
エジプトのファッション編はいかがだったでしょうか?
ジョジョと同じくファッションは時代を超えても受け継がれていく「黄金の精神」がある事を学べました。
次回のゼロから始めるとらい物語もお楽しみに!
これであたなもファッションオタク!ファッション豆知識編
リネンって麻じゃないの?品質表示に書いてあるよ!と思った方に朗報です。
リネン・・・亜麻(あま)/リネンは茎や幹からとる「靭皮(じんぴ)繊維」です。正確には、麻には2種類の意味があります。1つ目は植物の「麻」をさすもの。2つ目は、植物繊維の総称を「麻」とさすもの。ここでは後者にあたります。日本の家庭用品質表示方で「麻」と表示できるのはリネンとラミーだけです。それ以外は「指定外繊維」として(ジュート)などと表示されます。
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