目線
「ちょっといいですか。
これ、私殺されますか。」
かの邪知暴虐な王は云った。
「気分による」
バカだ、私は。なんであの人を信じてしまったんだろう。
三日後に彼が返って来なければ、私は死ぬことになる。
彼のために、死ぬのだ。
そう言えば、彼の妹の結婚式を挙げに行くと言っていたことを思い出した。
結婚か。いいな~結婚。
いやいや、できないでしょ。
アナタもう少しで死ぬんですよ。
と、護衛に言われた。
まあ、そうですよね。
それは、私も十分すぎるほど分かっている。
そんなことわかりきっているんですよ。
それでもしてみたいじゃないですか。
でも死ぬんですもんね。私。はぁ、どうしましょう。
ホントに帰ってくるのか心配です。
彼の前では、あんなことを言った手前そう思っていないようにしていたけれど、今彼に殴られて、彼を殴ってようやく目が覚めたような気になった。
ってか、下穿いてないじゃん。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?