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何もしていない人なんて居ない

僕は激怒した。


邪智暴虐な王様を演じている親は、
僕を「何もしていない人」だとして、ご飯を与えなかった。

「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」のなんて
女王のように言ってのけるけれども、実際のところ、
ここにパンもなければ、ケーキもない。

たとえあったとしても、僕はもらえない。
そういう人たち。

あの山賊たちは、僕から尊大な自尊心と、
臆病な羞恥心だけを持ち去っていった。

彼ら彼女らからすれば、
過去の僕は何もしていない人だったのかもしれないが、
僕は声を大にしてそれを否定したい。

僕は、何もしていなかった訳ではない。
ただひたすらに、見えそうで見えないというよりは、
見たくない敵と或いは僕と戦っていた。

僕がスーパーサイヤ人だったために、
一般人には僕が、何をしているのかわからず、
音だけが聞こえていたのかもしれない。

頑張っていないように見えていたのかもしれない。
サボっていると勘違いされたかもしれない。

「いや、違うんだ。

僕は、戦ってたんだ。
それを、あまり人に言えなくて、
どうしたらいいのかわからなくて、
胸がゴミで埋め尽くされるくらい、いや、
ゴミで溢れかえる位溜めちゃっていたんだ。

でも、ゴミを捨てようとすると途端に体が重く感じて、
いつになく、気分は落ち込んできて、どうしようもなかったんです。
何もしてなかったんじゃないの、ちゃんと戦ってたのよ。」
と、過去の僕がそう言ってる。

だから、何もしてない人なんていないのかもしれない。


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