サクラ咲く
合格発表6時間前僕は焦って、家を出た。
日本国憲法を暗唱しながら、自転車を漕ぐ。
いつもの道で、図書館まで行く。
できるだけ早く着いたが、
もう長蛇の列ができてた。
僕はその最後尾に並んだ。
9:00に開館した。
自習席に荷物を置いて、
他の大学の過去問を解く。
ここで、落ちていたら明日試験。
結局、僕はどこの予備校にも行かなかった。いや、行けなかったって言うのが、正しい。親を説得することが出来なかった。けれども、毎日やるべきことはやってたし、時々バイトにも行っていた。
バイトの先輩にも、姉にも、
祖母にも合格の可能性を否定されたから、
僕は見返したくて、勉強をした。
僕が僕の限界を超えようとしてる時、
嫌っていた、母親が応援してくれた。
僕は、嬉しかった。
去年の受験は英、国、世の3科目だった。
だから今年は世、政経の2科目にした。
どちらも得意科目で、なのかつ傾斜採点される、
中期日程に出願した。
あと2時間で、合格発表。
過去問をひたすら解く。
解いては、採点を繰り返した。
あと1分で、合格発表。
僕はスマホを片手に、
御手洗に駆け込んた。
14:00になって、
ブラウザを開く。
ただそんなひとつのことで、手が震える。
受験生専用サイトに行く。
深呼吸をして、受験番号を打ってから、
僕は目を瞑った。
まだ半信半疑だったから。
恐る恐る、目を開けると、
「合格」と大きく書いてあった。
僕はほっと肩をなでおろした。
頑張ってよかった、初めてそう思えた。
合格発表から数日が経過した。
今の僕には、受験勉強で
日々焦っていた僕はいない。
こういう時に、羽を伸ばしてちゃいけない。
なんのために大学に行くのか、
そういうことを考えて、これからも頑張りたい。
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