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ゲームと思えばへっちゃらでしょって話

単なるRPGの世界のお話。主人公はあなた自身。
所謂『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』のようなゲームと違う点といえば、セーブポイントからやり直すことができない点。でもたったそれだけ。

つまり、今あなたの目の前にいる人も、住んでる地域も、太陽や地球の存在も、ただあなたのためだけに創造されたものである。

例えば、毎朝同じ時間に原稿を呼んでるニュースキャスターは、あなたが寝ていようと起きてようと、あなたのために休まず働いている。
電車の中で2席も占領しているおじさんは、数分後に会社の喫煙所で話す他愛もない会話のネタになればと、そういう不可視の意図を基に演じてくれているのかもしれない。
ChatGPTなんていういうAIは、例えあなたが完璧に使いこなせ無くとも、この世界により緻密さを表現するために生まれたものであろう。

この世界では“神様”と呼ばれているこのゲームの制作者は、ただあなたに楽しんで欲しくて、こんな世界を用意してくれたとのことだ。

楽しんで欲しくてと一概に言ったが、それはもちろん簡単という意味ではない。
ゲームに試練はつきもの。

攻略本なんてものがあるわけではないのだから、いつ試練が訪れるかなんてものは誰にもわからない。あなたが選んだ決断次第で、時期も難易度も全てが変わる。

病に罹ってしまい大事なデートが台無しになったり、はたまた仕事のメリハリがなくただつまらない時期が続くだなんてことはざらにある。ある意味これは中ボスイベントなのかなとも思えるし、乗り切ればHP回復イベントが近々待ってるのかもしれないとも言える。ゲームとはそういうものだ。

あなたを失意の底に陥れるような大ボスイベントの後には胸熱展開は付き物だ。まだ苦しめるの?とか思って不貞腐れるのはきっともったいない。
ただあなた一人を苦しめるためだけにこんな緻密で美しい世界を制作するであろうか。根拠はないが、そうは思えない。思ったとしても制作者に文句なんて言いようが無いのだから、これに関してはそう思うしかない。腹を括って信じるという姿勢は、いつか攻略本の1ページを飾るかもしれない。

“神様の悪戯”
結局このゲームは、この言葉に全てが詰まっている。そう考えれば、ふと起きる奇跡や運命はただただ仕組まれているものなんだろう。

ちょっといじめ過ぎたから友達にばったり会わせてやろうとか、偶然寄ったコンビニの会計が1000円ぴったしにしてやろうとか、
ただ上からちょっかい出しているのかと思えばなんて可愛いイベントをくれたのだろうと、制作者に愛情が湧いてくるのではないだろうか。所詮、そんなものだ。

あなただけに制作されたこの美しいゲームは、いつクリアなのか、クリアだと思えるのかは、あなたにしかわからない。
おそらく、クリアだと思って進んでいたとしても、辿り着いた頃にはクリアだとは思えない、なんてことは既に経験済みであろう。

しかしそれが醍醐味だ。
ゲームクリアが目的ではなく、訳もわからずとりあえず前に進んでみることが楽しい、そう思えたら十分ではないか。苦しいことが待っていてもそれは奇跡への伏線なのだろうから、腐ることなくプレイしてみたら良い。

今日も制作者のクオリティを信じて、単なる主人公をプレイしようか。

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