見出し画像

「切り絵で世界旅」先住民族のダンス(コタ・キナバル/マレーシア)鍛えられた肉体と精悍な面構え

 コタ・キナバルが属するサバ州の歴史や文化を学べるサバ州立博物館を訪れた。高床式の伝統家屋の展示はじめ、人類が初めてボルネオ島に住み始めた考古学時代からイギリス植民地時代、日本統治時代、独立後に至るまでの歴史が紹介されていた。その他にもサバ州に30以上も存在する先住民族の伝統楽器や民族衣装、ボルネオ島に住む動植物、交通や貿易に関する資料などが展示されていた。

 その夜、ホテルの広い中庭に面した吹き抜けのテラスのバーで熱帯夜にふさわしいフローズンダイキリを頼んだ。氷の冷さとダイキリの爽やかな甘みが心地よい。


 やがて庭ではアトラクションが始まり、先住民族のダンスが繰り広げられた。ダンサーの肉体は鍛えられ、表情は精悍だ。先住民族の中にはかつて首狩り族もいたそうだ。そういえば中国系のガイド氏が、先住民族に対して、「彼らは、猿でも食う野蛮な連中なんですよ」と軽蔑的に話をしていたことを思い出した。「おい、おい。四つ足の動物なら何でも食べるのは、中国人ではないかね」と呟いたものだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?