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「切り絵で世界旅」テオティワカン遺跡(メキシコシティ/メキシコ)神官が増えすぎて滅んだ(?)古代遺跡に登る

 メキシコ旅行のハイライトの一つがテオティワカン遺跡だった。エジプトのピラミッドは転落事故防止のために登れなくなったが、ここは階段で頂上まで登ることができる。文字を持たず、太陽神を拝み、生贄を捧げた古代文明。ワクワクさせるには十分だ。
 メキシコシティーの北約 50kmにあるテオティワカン遺跡は、紀元前後から8世紀頃まで栄えたとされるが、この都市を築いた民族は不明だ。南北に延びる死者の大通りを中心に、太陽のピラミッド、ケツァルコアトルの神殿、月のピラミッドなどの遺跡が彫刻や壁画とともに残っている。

太陽のピラミッド。248の階段を登って頂上へ


 「やっときたか」の思いを胸に、ここで最大、世界で3番目の大きさを誇る太陽のピラミッドに登る。高さ65m、底辺の長さ225m、傾斜角45度。下から見上げてもかなりの急勾配だ。足腰に自信がなくて登るのを諦めた人もいる。248段ををゆっくりと登り、頂上から遺跡全体を見渡す。次に月のピラミッドにも上がり、そこから太陽のピラミッドを眺めてみる。実に気分がいい。
 最盛期の人口は10万人とも20万人ともいわれ、当時の東ローマ帝国の都コンスタンティノープルにも匹敵する規模を誇っていたが、8世紀中頃に突然滅亡した。その原因は北方民族襲来説、火山噴火説など諸説あるが、30年のキャリアを持つ現地の女性ガイドKさんによると、「神官が増えすぎた」からだという。なんとなく納得してしまう。
 <旅行日/2019.09.07>

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