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「切り絵で世界旅」ロイヤル·セランゴール·ピューター工場(クアラルンプール/マレーシア)ギネス認定の巨大ビアジョッキがお出迎え


高さ2mの巨大なビアジョッキが玄関で迎えてくれる

 私はビールが好きだ。それもかなりのビール好きだ。そんなビール愛飲家にとってロイヤル·セランゴール·ピューター工場は嬉しい場所である。ピューターとは錫と合金を融合させたもので、この工場は世界一のピューター生産量を誇っている。玄関脇には高さ2mの巨大なビアジョッキが見学者を迎えてくれる。何でもギネス認定世界一の大きさらしい。隣に立って記念写真を撮った。 

 工場内では製造工程を見学できる他、自ら製造体験もできる。さらにピューターに入ったジュースを飲ませてくれる。よく冷えていて、うまい。ピューターは保冷性に優れ、クリーミーな泡と細かい水滴でいっぱいになる。これでビールを飲めば、さぞや‥。結果、嬉々としてジョッキを購入したことは言うまでもない。

 ところでマレーシアは錫の産地として有名で、イギリス統治下の19世紀に錫鉱山の開発のために中国系労働者を導入し始めた。さらに19世紀末から20世紀にかけて世界中でゴムの需要が高まると、マレーシアのゴム産業が活況を呈し、労働力不足を補うためにイギリス植民地政府が動員したのがインド人であった。今日のマレーシアが多民族他宗教国家になった背景には、こうした歴史がある。

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