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「切り絵で世界旅」フエの伝統音楽(フエ/ベトナム)宮廷料理を食べながら伝統音楽

 フエは17世紀末から東南アジア貿易の中心で、1945年まで続いたベトナム最後の王朝グエン朝の古都である。
 ベトナム戦争で破壊され、荒廃したグエン朝王宮やカイディン帝廟などを見学した日の夕食は、市内のレストランでフエ名物の宮廷料理だった。宮廷料理というほど豪華な感じはしないが、出された料理のすべてが美味しい。

楽器の紹介。左からダングエット、ダンチャイン(16弦琴)、拍子木+ボーカル、ダンバウ


 ちなみに食事は、宮廷音楽ニャーニャックの演奏を聴きながらという贅沢なものだった。優雅な曲調が心地よい。
 このニャーニャックは、15世紀に中国の明から伝わった音楽を基礎として発達し、主にフエの宮廷で演奏されてきたが、グエン朝が滅亡したことで奏者が離散し、この後のベトナム戦争による破壊により、一時「忘れ去られた音楽」と呼ばれて消滅の危機に瀕していた。ところが日本の大学教授をはじめとした人々の尽力で復活したそうだ。こんなところで日本人の活躍があったとは嬉しい限りである。


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