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私が共同親権に反対する理由

実名アカウントだし会社の代表だし、書くべきかすごくすごく悩んだのですが、やっぱり元当事者としてとにかく声を上げることが大事だと思ったので書きます。(もしかしたら諸事情で消すかもしれません)

テーマはタイトルの通りです。まず、大前提として元夫を攻撃するつもりは毛頭ありません。今回の目的は、少しでも声を上げることで法案の見直しになること、そして離婚したことがない人も考えるきっかけにしてもらうことです。

元夫との2回にわたる調停を経験

長女は元夫との子で、非常に聡明で純粋でやさしく、ユーモアもあり、本当に我ながら素晴らしい娘にすくすくと育っています。きっと大きな目や頭の良さは、元夫の遺伝子のおかげだと思うので、その点で感謝すらしています。

離婚当時は恨みや憎しみでいっぱいでしたが、今は現夫である素敵なパートナー、そしてパートナーとの子に恵まれ、とても幸せに暮らしています。そのため、元夫も幸せに生きていればいいなと思うくらい、フラットな感情です。

私は元夫と2回の調停を経験しました。1度目の調停は、離婚調停です。娘が1歳6か月の時に離婚することが決まりましたが、協議でまとまらず、結局1年半におよぶ離婚調停を経て、ようやく離婚できました。お金がなかったので弁護士はつけられず、申し立てから調停まですべて自力でどうにかしました。

2回目の調停は、養育費減額調停と面会交流調停です。詳細は書きませんが、状況が変わったので前回取り決めた内容を変更してほしいという内容の調停でした。このタイミングでちょうど私も再婚することになったので、ちょうどいいと思ったのですが‥。

話し合いができないから離婚した

調停となるのは、「協議」といって夫婦間での話し合いの場が持たれてから、「話し合いの決着がつかないから法の場で第三者を交えて話し合いましょう」と調停に持ち込まれるのが一般的です(法律専門家じゃないので違ったらすみません)。1回目はたしかに協議を挟んだものの、2回目は協議すらありませんでした。いきなり家に裁判所から通知が届き、電話がかかってきたのです。

思えば、私が未熟だったのももちろんありますが、私たち元夫婦は話し合いが全くできず、すぐに喧嘩になっていました。お互い相手へ思うところはあるかと思いますが、今の夫と暮らしてみて改めて「話し合いができない夫婦関係は異常だし、共同での育児はおろか、結婚生活の継続は難しい」とつくづく思います。

前回の調停では1人で対応した分、メンタルも身体もズタボロになり、仕事どころではない状態になってしまったので、2回目の調停は弁護士に依頼することにしました。最初は「私も再婚したから養育費はなしで良いし、すぐに終わるかな」と思っていたのですが、どっこい、1年かかりました。そして弁護士に頼みましたが、メンタルのきつさはあまり変わりませんでした。(法的解釈面での助言はすごく助かりました)

やはり、話し合いにならないのです。

1番揉めたのは、面会交流の条件です。というか養育費は0円で即合意になったのでそれ以外ありませんでした。カナダに行くには、彼の合意がいるため、結局向こうの条件をすべて呑む形になりました。その合意を得るために1年調停で時間がかかり、カナダに渡航するのが遅くなりました。

法律で守られるのは加害者の方ではないか?

調停で学んだことは、「法律で面会交流が制御されるのは、かなり危険性が高い場合のみである」ということです。例えば、それこそ証拠として残るほどのDV(しかも病院での診断書などの証拠がないとNG)や、薬物中毒者など普通に警察に捕まるレベルのヤバい人じゃない限り、面会交流を勧められます。調停員は、抱えている案件をできるだけ早く終わらせる必要があるので、話ができそうな相手の説得を図るのです。

私たちは調停員もドン引くレベルの高葛藤認定(この言葉も調停で知りました。第三者から見ても仲が悪くて、面会交流をするには第三者機関を入れた方が良いレベルの状態を指します)をされていたのですが、第三者機関を入れて面会交流するにも様々なハードルがあり、「明らかにこのまま2人で調整(=話し合いによる合意)ができない」と調停員が認めるほどでも、裁判所が面会交流をNGとするほどの理由は認められず、結果的に面会交流を拒否することはできませんでした。例えばモラハラのように第三者から見えにくい場合、受け手が診断書が出るレベルに病まない限り、面会交流を勧められるのが実情です。毎回面会交流当日はトイレで吐いていましたし、元夫に会いに行く道中は手足の震えが止まりませんでした。そのくらいメンタルに来るのです。

「今、この状態を見てくださいよ。調停で第三者がいてもこんな状態なのに、調停を無理やり終わらせて、あなた達はもう関係なくなりますが、どうやって話し合えって言うんですか!」

「ようやく離婚できてキャリアも立て直して、ようやく再婚して幸せになれると思ったのに、まだ元夫に縛られないといけないんですか!」と、調停の個室で大泣きしながら調停員に訴えたのを覚えています。

結局、法律で守られるのは加害者なのではないか。そう強く感じました。なぜなら、DVで命からがら逃げた人は、みんながみんな裁判所が認める証拠を持ち合わせていないでしょう。そして第三者には見えにくいモラハラで離婚する夫婦も増えていますが、モラハラも裁判所が認める証拠を提出するのは難しいです。それに、親権を持つ側が面会交流を拒み続けたら罰金を科せられるのに、取り決めの面会交流をすっぽかした側には何も罰則がないのも非常に理不尽だと感じます。

相手への攻撃が原動力になってはいないか?

SNSで似たような離婚調停中もしくは離婚経験者のアカウントを眺めていると、元配偶者に対してすごく高圧的かつ攻撃的な内容を投稿している方を見かけます。

私が共同親権に反対している理由の1つは、「子どもを想っての行動」ではなく、「元パートナーへの最大限のダメージ」が原動力になっている可能性がある点です。子どもを本当に想っての行動ではなく、できる限り元配偶者を離婚後も自分の支配下におきたい、言う通りに動かしたい、できるだけ精神的なダメージを与えたいといった感情から行動しているパターンを多く見るのです。実際、あれだけ長い1年という時間をかけて取り決めた面会交流でしたが、1度も実施されることはありませんでした。一度、誰からかは分かりませんが、私を誹謗中傷する差出人不明の原稿用紙3枚分の長い長い手紙が自宅に届いただけでした。

子どもは非常に敏感です。私が離婚調停中で賢明に涙を見せないようにしていても、娘は何かを感じ取り、3歳なのに私を慰めてくれました。
共同親権が始まったら、さまざまな意思決定を元配偶者に確認して合意を得なければならなくなります。
私はもう再婚して親権も移しているため該当しませんが、再婚せずに1人で頑張り続けている方は、またあの支配下に置かれなくてはいけないのかときっと絶望していることでしょう。
ほとんどの時間を一緒に生活している親が、ビクビク怯えて、絶望して、悲しみながら生活するようになることの、どこが子の福祉を優先なのでしょうか?

法律で一括りにするにはあまりにも危険すぎる

世の中の離婚理由は、本当にさまざまです。シングルマザーになったことをきっかけに、SNSを中心にたくさんのシングルのお友達ができました。そして私生活でも「実は私もシングルで‥」とこっそり教えてくれた方もいます。離婚理由を聞けば、金銭面のトラブルや異性関係など、本当に色々です。

そして、離婚後の関係性も全く異なります
ある方は、「養育費をもらっていないけど、子どもの誕生日は欠かさずプレゼントを贈ってくれるし、子どももパパが好きだから不定期で会わせてる」と言っていました。
ある方は、「養育費ももらっていないし、連絡も全くない。どこで何しているかわからない」と言っていました。
ある方は、「養育費は払ってるけど、離婚してから1度も会ってない」と言っていました。

離婚の理由も離婚後の関係性も千差万別なので、やはり法律の力で一括りにしてしまうのはあまりにも危険すぎると思うのです。今の政権は特殊な思想を掲げる宗教やその他団体から、「理想とする国家像」に影響を受けすぎていると思います。
彼らが自分たちの家庭においてのみ、”それ”を追求しようとするのは勝手ですが、どうかそれを国民に押し付けないで欲しい。ただでさえ、離婚して大変な思いをした方々を、何も知らない・何もしてくれない第三者が生活を踏みにじらないで欲しい。そう切に願うのです。乱文失礼しました。

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