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ピンポン感想だとか

アクマはスマイルの1000倍、努力したのにスマイルに負けた。「アクマには才能がないから」とスマイルは言った。勝った人間が負けた人間に言う言葉じゃない。アクマは暴力事件を起こし、卓球部を退部、高校を停学処分になった。軍艦みたいな髪形になったアクマは、インターハイ予選でまた現れ、恋人と一緒に元同志たちのプレイを見に来る。

アクマは卓球を辞めた。でもアクマは、お前には才能があるんだからやめるな、本気でやれよ、とペコに言うのだ。アクマは卓球を諦めた。家庭を持った。プロの卓球選手にはなれなかったみたいだ。スマイルもプロにはなれなかった。教員になるらしい、教育実習を受けるらしい。
教員は大変だけど、子供は嫌いだって言ってたのに、不思議な話だ。

ドラゴンはプロでやってるらしい。ドラゴンは自分のことを好きだった女性の気持ちに気付かなかったし、最後まで気づいていなかったような感じで、相手の元女優の子は、イギリスで活躍しているようである。自分の気持ちに全く応えてくれない人に、見切りをつけたようだ。バレンタインデーチョコにグーパンを入れて。惜しいことをしたな、ドラゴン。でも、ドラゴンは自分を追い込むこと、自分の世界に弱い部分を作らないことが必要だったと思う。だから、恋人という大切な存在が自分のストイックな世界に入り込むことは考えられなかった。それを少しでも考えたなら、自分の積み上げたものすら壊れてしまい、自分自身を見失ってしまうのではないか。優先順位、と言ってしまうとそれまでだけど、悲しい話でもない。それぞれ、自分の人生を生きている感じがある。ドラゴンは少し後悔しているような感じもあるけど。

 スマイルの才能を前に敗れていった選手たちの一人、ボブマーリーみたいな髪形の男は卓球を辞め、海の家で働く。が、それも辞めて山に行く。それも辞めて世界放浪の旅をする。帰国してインターハイ予選の決勝を見に来る。決勝は、自分を卓球から諦めさせた才能、スマイルとその友人ペコの試合だった。試合を見たボブマーリーは涙を流した。「ごめんよ」と。卓球をもう二度と離したりはしない、と。俺は卓球が好きだったんだな、とボブマーリーは呟いた。彼は遠回りしてようやく、気づいた。卓球の才能はなかったかもしれないが、卓球がボブマーリーにとって中心に据わるものだったのだと。

 卓球がいろんな人間の人生を照射する、というシーンを見ると、すげえアニメだと思う。実写版は窪塚洋介がペコをやっているらしい。いつか、見れるといい。

ピンポンは自分にとって、また何回か見たいアニメとなった。

ピンチの時は3回唱えろ。ヒーロー見参、ヒーロー見参、ヒーロー見参。

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