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11.1995年 第31回東京モーターショーでのサプライズ

私は担当時代 1993年、1995年、1997年 宣伝課長で2007年 宣伝担当部長で2009年 マーケ部長で2011年 2013年 広報部長で2015年、2017年、2019年 残念ながら2021年は無かったのですが、通算10回東京モーターショーを現場で経験しました。

最初の項からお話ししてる通り93、95年当時のSUBARUは認知も人気も低いブランドから少しづつレガシィのお蔭で認知も人気も出始めました。93年は2代目レガシィの登場もあり少し盛り上がりましたが、まだまだブランド力では他社に大きく差を開けられていたのが実情です。

SUBARUは伝統的に東京モーターショーに賭ける思いが強い。それはなぜか? 答は「同じ土俵で戦えるから」

モーターショーはその販売規模などによりブースの面積こそ変わりますが、4マス媒体のように大きな会社がたくさん面積を買って宣伝をするとか、たくさんの販売店を抱えて商売をするとか。とは違い全社一律で同じ建物のなかで同じ期間ガチンコで勝負します。(戦うわけではないのですが)

普段は大メーカーの陰に隠れてしまう弱小SUBARUが存在感を示す絶好の機会なのです(と思っていただけかもしれませんがw)とにかく伝統的にモーターショーに賭ける思いが強いのです。

しかし、記憶では93年くらいの調査では来場者の60%くらいがスバルブースをスルーしてしまう。つまり立ち寄らずに帰ってしまうのが実情でした。6割の方がモーターショーに来たのにスバルブースを観ずに帰ってしまう。結構悲しい結果でした。

いろいろ考えました。

人は「動くもの」「光るもの」「音」に反応する。街を歩いていて気づきました。当時のモーターショーも各々それはありました。ターンテーブルが回る。スポットライトがあたる。加えて当時は歌を歌ったりするパフォーマンスもありました。なんかSHOWみたいな。

でも、ここまでやったのは初めてだったと思います。自工会の広報部長(トヨタOB)からも「岡ちゃん派手にやったなー」と言われたことを覚えています。

それまでSUBARUはダサい→カッコいいと思っていただくことを頑張っていたのですが、昨今話している95年くらいからの「桂田戦略」
https://note.com/toppicks/n/n0a9c1c16a0f8
を実現するというか可視化するのが目的でした。もちろん電通チームも総力を結集し「未だかつてない」こと=サプライズを目指した結果です。

この貴重な動画は熊さんの作品です。よく残ってたな。長いですが5分くらいからが盛り上がりです。7分くらいからまさか!?な展開になりますw

最初ステージにはなにもないのです!そこにナレーター(これはミスアルシオーネの入江)が舞台下からあがってくるのです。そして9分間動画を見てもわかる通り途中で退席する人がほとんどいません。次から次へと展開するので退席できないのですw

お陰様で当時は動画サイトとかなかったのですが、噂が噂を呼びたくさんの方にご来場いただき、スバルブースをスルーする人はほとんどいなかった。と言われるまで集客できました。来て9分間見ていただける幸せ、それ以上にActive Driving ,Active Safetyの思想を少なからず感じ取っていただけたことが最大の収穫です。

サプライズとエンパシー これが長いマーケ生活で唯一無二の答なんですが、この「サプライズ」インパクトとかアテンションとかいろいろ言い方はありますが「驚き」がないと人は見てくれません。ただしただの「脅しではなく、その後のエンパシーにつながるものでなくてはいけません。

え!なに!? で興味を持っていただいたチャンスを機に「説明」する
なんとなく、なるほど、たしかに。。と自分ゴトになっていただく。
そのうえで自分ゴトのベネフィットを説明し共感(エンパシー)いただく。




文字にすると簡単なのですが、買い物する時のながれってだいたいそんな感じかと思います。サプライズは「驚き」でなくとも「なにこれ!いいじゃん」でもいいのです。一方せっかくのサプライズだけで終わってしまうことがよくあります。それをいかにエンパシーにつなげるか。そこが大事です。

逆に「エンパシーください」といくら言っても、聞いてくれてないと意味ないです。聞いてくれても「自分ゴト」になってないと意味ないです。です。

古いマーケの教科書にAIDMAとかありますが、意外に基本は変わらないのかもしれません。



このすごーく後に「ぶつからないクルマ?」というCMを作りましたが、それはその真骨頂になりました。

ちなみに通路を最大限活用したモータースポーツコーナーもフロント角地に陣取り隣のブースまで観客が並びよく怒られましたが、これも伝統的に続いていますw

ちなみに2013年は2011年の反省で「誰からも見える、子供からも見える展示」が基本コンセプトだったのですが以下に反省文ですw

2013モーターショーの反省

<忘れないうちに>前回の反省のビッグサイトが混みすぎてクルマが見えない。ことに対して今回は130cm視点でクルマが見えるために クルマを上げる。上から見る。でだいぶ対処できたと思いますが、やはり混みすぎ。そこを踏まえて。

1.小間割り自体の問題:国産・輸入車・部品・・いろいろな会社が出展されてますが、出展者の思惑で小間割りされているとすると再度「お客様の視点」であるべき配置を考えるべき。西問題も含め。

2.山口京一さんも提唱されてましたが「こどもの日」があるといいかも。今回キッズゾーンとか作りましたが130㎝の子供にはあの混雑は厳しい。小学校の社会科見学の日を設ける。

3.車椅子の方の日がありましたが、有名無実でした。規定で子供とか車椅子の方の動線を確保すべき。各社メインステージの10%をとか。。

4.混みすぎる原因は「逃げ場」がないこと。ブース以外に逃げ場がない。

・北側の駐車スペースを幕張の頃のように「屋台村」にしてお客様が休める、食べれるゾーンを。

・「お台場」まで行く元気がないので「国際展示場」近辺でもっとイベントを。

・とにかく近隣に「逃げ場」を作って1日たっぷり楽しめるコンテンツを考えるべき。

5.「夜」 国際ショーとして海外からもたくさんの方々が来る「受け皿」がない。「社交場」としてのインフラを。


日本のモーターショーを楽しくするためのご意見 ぜひよろしくお願いします。

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