読書感想2023#3 「世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方」
感想
読みながらフラストレーションを感じる本でした。なぜなら本の序盤で誰でも必ずやりたいことを仕事にできると期待をさせながら後半、具体的な方法でやりたいこと探しにトライするものの答えは見つからず、内容もあまり感心できなかったというか、血となり肉となるような中身ではなかったなというのが正直な感想です。とにかく著者の「自分にとって最高の"自己理解"は世界中の誰にとっても最高なはずだ!だから広めたいんだー!」というような強い熱量だけは伝わる本でした。
それから否定ついでにもう1個。文中、重要な箇所が青でハイライトされているのですが、これがすごく読みづらかった。なぜあの色をチョイスしたのだろうか。
ネガティブな感想を最初に書いてしまいましたが、とても勉強になった部分もありました。大きくは2点あります。
「やりたいこと」は最初は仮説である。
「やりたいこと」は将来のためではなく、今を夢中で生きるために見つけるもの。
冒頭に書きました通り、私はこの本を最初に手に取った時は「やりたいこと」がやっとこの本で見つかるかもしれない!と大きな期待を持っていました。そして読み進めながら本を読み終わる頃にはそれが必ず実現されているのだろうと確信しました。しかしながら読み終わっても、「やりたいこと」は見つけることができませんでした。
結局また見つけられなかったか、と残念な気持ちで少しの間本棚に眠らせていたのですが、もう1度読んでみようという気になりマーカー片手にまた読むことにしました。すると結構冒頭にこんな言葉が書いてありました。
実際のところ、「やりたいこと」を見つけても最初は「ふ〜ん、面白いかも」という興味レベルであることがほとんどです。
あれ、そうか、「やりたいこと」って運命的な感覚や確証が得られるものではないんだった、と。この文章は読んでいたはずなのに、最初読んでいた時は「やりたいことを見つけるぞ!」という気持ちが空回りしてちゃんと中身をしがんでいなかったのかもしれません。
「やりたいこと」はこの世に必ずあって、それを見つけようとするのが誤りで、「やりたいこと」は自分で工夫して作っていくもの。
この本を読めば著者が私だけの「やりたいこと」を提示してくれる、そんな風に考えていたのかもしれません。そうではなく、「やりたいこと」とは自分で仮説を立て、軌道修正しながら作っていくものなんだと理解できました。
著者のいう自己理解メソッドは極めてシンプルな数式です。
「好きなこと」×「得意なこと」=「やりたいこと」
そしていくつか出た「やりたいこと」の中から人に感謝してもらえそうなものを選ぶ。それが仕事になるということだそうです。
非常に分かりやすかったのですが、私にとっては「好きなこと」も「得意なこと」が考えても分からない。巻末にこれらのヒントになる質問集を用意してくれているのですが、大体の答えが「うーん。そんな経験ないな。。」という答えばかり。これがフラストレーションを感じてしまった一番の理由です。
例えば質問の一つに「尊敬する人や友人、キャラクターは誰ですか?」というものがありました。著者は自分の好きなキャラクターと好きな理由を熱く述べているのですが、私は尊敬する人などいないのです。(あ、でも鴨長明となかやまきんに君と四角大輔さんは憧れの人だ。)尊敬する人は誰にでもいる訳ではないのでは?と思うのですが、著者は誰にでも解があるはずだと信じて質問を用意している印象を受けました。なので私みたいな冷めたタイプの人間にとっては読み進めていくごとにどんどん乖離していくというか、置いてかれていくというか、いるんだよな、こういう熱いタイプのやつ、と読み進めるごとに冷めていってしまいました。笑
とはいえ、私も「やりたいこと」なんとかして見つけたい!著者からヒントはたくさん頂いたので頑張って数式を解いてみたいと思います。(仮説でいいんだもんね。)
「好きなこと」
美容
動物
料理
農業
植物
トレーニング
自然環境
「得意なこと」
記憶力が良い
デザインセンスがある
一人で黙々と作業できる
新しいことを学ぶことが苦ではない
ストイックに物事に打ち込める
常に冷静に物事を判断できる
人の話を聞くのが得意
議論で中立的な立場を取れる
これらを足し算していきます。
美容を記憶する(なんだそりゃ)
動物について新しいことを学ぶ(研究者、、?)
農業を黙々とやる(あ、これは足し算になった)
ストイックにトレーニングする(ボディビルダーとか、、?)
自然環境について冷静な判断を下す(・・・何それ?)
・・・・・・・。
いや、全然足し算できない!し、答えも意味が分からない!!
というか「得意なこと」が浅すぎるのだろう。私に「得意なこと」なんてなかったのだ。今までの人生でも成功体験なんてなかったし。
この本はある程度能力が高い人が読むと参考になるが、私のような人間にはあまり有効ではなかったかもしれません。
またいつか読む気になる日が来るまで大切に本棚に眠らせていこうと思います。
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