写像について話す

こんにちは。今日は、写像について話したいと思います。


とりあえずおさらい
集合Aから集合Bにたいする対応を考えた時に、それが
(a)Aのすべての要素に対して、その対応先が必ず一つ定まる。
を満たすとき、この対応は写像といいます。
さらに、写像が
(b)Aの違う要素の対応先は異なる。
を満たすときこの写像は単射である、といい、
(c)Bのどの要素も、それを対応先としているAの要素が存在する。
を満たすときこの写像は全射である。といいます。

写像が全射かつ単射、つまり、(a), (b), (c)をすべてみたす対応は、全単射な写像といわれます。


これから、単射のこととか全射のこととかについて話しますが、その前に
いろいろな集合に関する記号を定義しておきます。記号はもう知ってるよって方は飛ばしてください

・写像fに対して、fがどの集合からどの集合への写像なのかを表すのに
 、f:A→B と書きます。 こう書く時、fはAからBへの写像にな   っています。
また、関数と同じように、写像f:A→B の、Aの要素のaの対応先を
f(a)と書きます。

・集合PがAの部分集合であるというのは、言葉通りPがAの一部分となっていることです。つまり、Pのすべての要素がAの要素になっているようなPがAの部分集合です。AはAの部分集合であることに注意。
また、このとき$${P \subset A}$$と書きます。

・aがAの要素である、というとき$${a \in A}$$と書きます。

・f:A →Bと、P⊂Aに対して、f(P)を、Pの要素の対応先になっているものをあつめた集合とします。f(P)の要素は必ずBの要素になっているので、
f(P) ⊂Bです。

・f:A →B が全単射な時、$${f^{-1} :B → A で、f^{-1} (b)として、b \in B}$$ に対して、b=f(a)となるaをとるものをfの逆写像といいます。

・集合$${A_1, A_2 \cdots }$$ に対して、これらのうち少なくとも一つの要素になっているものの集合を$${\displaystyle{\bigcup_{n=1}^{\infty} A_n}}$$と書きます。
(A_n = {n} のとき、$${\displaystyle{\bigcup_{n=1}^{\infty} A_n} = \{1, 2, 3, 4 \cdots\}}$$)

・集合$${A_1, A_2 \cdots }$$ に対して、これらすべての集合の要素になっているようなものの集合を$${\displaystyle{\bigcap_{n=1}^\infty A_n}}$$と書きます。
(A_n = {0, n} のとき、$${\displaystyle{\bigcap_{n=1}^{\infty} A_n} = \{0\}}$$)

・集合A, Bに対して、Aに属していて、かつBの要素でないものの集合をA-Bと書きます。(R - Q =「無理数の集合」)
(A - B) - C = A - (B $${\cup}$$ C) となります 



まず、(c) Bのどの要素も、それを対応先としているAの要素が存在する。
についてですが、これは上で定義したものを用いると、
f:A→Bが全射である(c)を満たす)とは、f(A) = B が成り立つこと。と言い換えられます。
上で行ったように、fはBへの写像だから、f(A)の要素がBに含まれるのは明らかですから、このf(A) = Bというものは、Bの要素がすべてf(A)に含まれている。という条件であるといえますね。f(A)というのは、何かのAの要素の対応先になっているものの集まりでしたから、この主張は、そのまま「Bのすべての要素は、あるAの要素の対応先になっている」と同じことを述べていますね。

もし、写像f:A→Bが単射である場合、fの行き先の集合(B)を、f(A)に制限する(書き換える)と、fは全単射とみなせる。(f:R→R、f(x) = $${e^x}$$は全射ではないが、f:R →(0, $${\infty), f(x) = e^x}$$は全単射)



f:A→Bとする。 $${P_1, P_2 \cdots はすべてAの部分集合とする。}$$

この時、$${f( \displaystyle{\bigcup_{n=1}^\infty P_n})=\displaystyle{\bigcup_{n=1}^\infty f(P_n)}}$$が成り立つ。

fが単射ならば、次が成り立つ:
$${f( \displaystyle{\bigcap_{n=1}^\infty P_n})=\displaystyle{\bigcap_{n=1}^\infty f(P_n)}}$$

PをAの部分集合とする。
fが単射であるなら、f(A - P) = f(A) - f(P)が成り立つ。


ただただ成り立つことを羅列してしまいましたが、これの次の濃度のお話で、ここで定義したやつをがっつり使わせてもらいますね。

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