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万引き家族   監督:是枝裕和

存在するはずのない『家族』の形。その先にあるものとは?
儚くも心温まるストーリー。

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あなたにとって家族とは何ですか?

あなたはこの問いに答えられますか?
最後まで味方でいてくれる人たち?暴力を振るわれる怯えおののく対象?
この映画では、誰一人血のつながりがなく事実上存在してはならない新たな『家族』が直面する貧困などの問題と闘いながら、ひとつの幸せを掴むために前に進んでいる姿が繊細かつ大胆に描かれている。

『普通は家族を選べない、けど私たちは選ばれた』

リリー・フランキー演じる、夫・柴田治は、ある日ベランダの外に出され凍えている「ゆり」と名乗る少女(佐々木みゆ)を『コロッケ食うか?』の一言から家に連れ帰ってきてしまう。その日から6人の奇妙な『家族』生活が始まる。リストラ・けがなどで家計に困窮しながらも家族を心の支えとして、一家団欒を楽しむ姿にゆりは次第に心を開き始め、ついには元いた場所ではなく、新たな居場所を自分のいるべき場所と認識し始める。

『捨てたんじゃありません。
誰かが捨てたのを私たちが拾ったんです。』

そんな幸せの日々も長くは続かない。
家族とは一か所の糸のほつれからすべてが解けていってしまうような脆くて儚い関係なのだろうか。
それぞれが下した未来への決断とは?

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現代の家族の在り方に一石投じる風刺的作品である一方、その特殊な家族形態の中におけるそれぞれの葛藤とその関係の終わりが図らずもみえてしまい、感情揺さぶられる場面が随所にありました。
私たちが思う家族とはすでに名前だけの形骸化されたものになってしまってはいないでょうか?
常に一番そばにいるから分かりあっていると思い込んではいませんか?

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