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私の話はなぜ長いのか

話が長いことは欠点として認識していますが、この話も長くなります。

あの特別な日のこと

小学校五年生か、六年生の時だったか、その日は所属していた少年野球チームの試合の日。少年野球には広すぎるグラウンドで、その日はスタメンで使ってもらっていました。

一応一桁のレギュラーの背番号をもらっていましたが、その地域ではキャプテンが10番をつけるという慣習があり、一桁の番号が一つ余ります。その余った番号が回ってきている、10番目の選手だろうなと認識していました。バッティングがからっきしだったのですから。唯一の取柄として外野の守備だけは上手い方で、それでなんとか10番目に滑り込んだなという感じです。

試合がどういう展開だったか全く覚えていませんが、満塁で打席が回って来たことだけを記憶してます。下手なりになんとか打てるようになりたい、との気持ちは強く持っていましたが、バットに当てることはできそうだけど、いつものように内野ゴロになってしまうかなと、正直自分にあまり期待も持てませんでした。

何球目だったか、ややインコースよりの高めの球。打った瞬間、いつもと違う感触が...

その日の朝何があったか

当時は「上からボールを叩け」と教わっていて、子供ながらにそれだと打球が上がるはずがないと思っていましたが、言われた通りにやらなければという意識が強かったのと、いつか理解できるようになるのかも?と思い、その教えを忠実に守っていました。当然ですが内野ゴロが多かったです。

その日の試合前の朝だったか、数日前の練習の時だったか、いつだったか正確には記憶していません。新しいこと好きなコーチが「水平打法だ!」と、いわゆるレベルスイングのような軌道の打ち方について話をしていて、それいいな!とピンと来たことだけ鮮明に覚えています。

少し練習してみて、次はこれで行こうと決めました。

振りぬいた打球の行方

打球は左中間に向かってぐんぐんと伸びて行きます。観ていた周りもびっくりしていましたが、何より自分が一番驚いていました。そして、左中間を抜いた時に何が起こるかを理解していました。

その日僕がスタメンだった理由は、おそらく外野の守備が理由でしょう。広いグラウンドなので、外野の頭を越すか間を抜くと、ほとんどランニングホームランになります。

伸びて行った打球は左中間の間を抜き、少年野球時代唯一のホームランとなりました。それも満塁で。

打てなかった理由

その日はダブルヘッダーで、2試合目にも同じような打球を飛ばしています。三塁コーチャーが静止するのを振り切ってホームに突入してアウトになりましたが。

たまたま調子が良かっただけかもしれませんが、それまで全く打てなかったのが、1日に2本続くと、何かしら原因があったのかなと不思議に思っていました。

その原因を知ったのはつい最近、こちらの動画で解説されていました。バッティングは上から叩いてはダメで、レベルスイングの方が確率が上がるという話は、まさに私自身に起こったことでした。


誤認による損失

上記の動画にもありましたが、「アッパースイングにならないように、上から叩くように意識して練習しなさい」という言葉が短縮され、「上から叩きなさい」となったのでしょう。

長いと分かりにくいので短い言葉で簡潔に説明した方が良い、ということは理解できますが、説明が不足して誤認した場合の損失はかなり大きいと思っています。

もともと理屈っぽい性格だったのもありますが、伝えるべきことが正しく伝わるように注意を払うと、どうしても話は長くなります。

...血液型で性格を語る人とは仲良くなれる気がしません。

理詰めは悪か?

正しさを重視して理詰めで話をすると鬱陶しがられます。長い話を聞くのは確かに面倒くさいでしょう。

ですが、面倒くさいくらいじゃないでしょうか?

間違ったことを前提に物事を進めてしまうと、時には取返しのつかないことになります。治療可能な状態の癌なのに民間療法を信じてしまって手遅れになったり、間違った指導法で才能豊かなスポーツ選手を潰してしまったり、大きな損失になりかねません。

万人が理詰めで長い話をしている会は想像したくないですが、時には理詰めで話をすることも許して欲しいなと思います。

余談

ホームランを打った相手投手は、兄弟で箱根駅伝に出走した地元の有名人の弟で、共通の知人も多く、Facebookの「友人かも?」に出て来たりします。

私は彼のことをよく覚えていますが、おそらく彼は私のことを全く知らないでしょう。いずれ共通の知人に紹介してもらって、話ができることがあれば、楽しい話ができるんじゃないかと思っています。

この話についての天の声

A型の人って面倒くさいよね。

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