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【携帯ショップスタッフが教える】モバイルWIFI WIMAXの違い ポイントはここにあり

UQWIMAX、ポケットWIFI(ワイモバイル)、楽天WIFI Pocket、の大手キャリアのモバイルWIFI/WIMAXやGMOとくとくBB、Broad WIMAX、THE WIFI、縛りなしWIFI、ZEUS WIFI等、WEBで販売されているモバイルWIFI/WIMAXの選び方、違い、ポイントを徹底比較します。

コロナの影響があったため、2020年はテレワークが定着し自宅でのWIFI環境が必須という時代になったかと思います。

そんな時、手軽に自宅や外出先でWIFIが使えるのがモバイルWIFIやモバイルWIMAXといった商品です。ただモバイルWIFIやモバイルWIMAXをネットで検索するとたくさんの会社の商品が並んでおり、「これっていったい何が違うの?」「どこが良いの?」といった状況になっているのではないかと思います。

そこで今回はこの疑問を解消すべくモバイルWIFI/WIMAXの違い、ポイントを徹底比較してきたいと思います。

1 モバイルWIFI/WIMAXの違い

たくさんあるモバイルWIFIやモバイルWIMAXをまず整理したいと思います。整理のポイントは、

1)使っている回線とクラウドSIMシステムの利用有無
2)端末が売り切りかレンタルか
3)店頭販売があるか
の3つになります。

2 使っている回線とクラウドSIMシステムの利用有無とは

まず、1)使っている回線とクラウドSIMシステムの利用有無についてご説明いたします。使っている回線とはUQの回線を使っているか、ソフトバンクの回線を使っているか、楽天の回線を使っているか、といったモバイルWIFI/WIMAXのベースとして使われている回線のことです。この使っている回線により、回線品質(データ通信のスピード)と使えるエリアが変わってきます。回線品質とエリアに関してはこちらのページに詳しく解説がでておりますのでご参考にしていただければと思います。


クラウドSIMシステムとは端末側に物理的なSIMカードを使用せず、クラウド上にあるサーバーに(ここでは別の場所でSIMカードを一括管理していると思っていただいてよろしいかと思います)SIM情報を保管しクラウド上のサーバーのSIMデータを使用して通信をする仕組みです。クラウドSIMの提供事業者1社と契約すれば複数の事業者の回線を1つの端末で利用でき、複数の事業者の回線の切り替えを端末が自動で行ってくれる優れもののシステムです。

具体的にできることとしては、1つの端末でドコモとAUとソフトバンクの回線を自動で切り替えて使えたり、20GBのSIMを1つの端末でSIMの差し替えなしに5枚分使い100GBとして使ったり、海外に行ったときに日本で使っている端末を持っていけば、海外の通信事業者の回線に(例で言えばアメリカならAT&Tとか中国ならチャイナテレコムなど)接続しそのまま使うことができます。

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モバイルWIFI/WIMAXで使われている回線はUQWIMAX回線、ソフトバンク回線が多く使われており、ワイモバイルではワイモバイル回線、楽天モバイルでは楽天回線を使っています。ドコモとAUの回線を使っている事業者もありますが数は非常に少ないです。またクラウドSIMシステムを使ったサービスではドコモとAUとソフトバンクをつかったマルチキャリア対応としている事業者がありますがほとんどはソフトバンク回線の使っているとおもっていただいてよろしいかと思います。

使っている回線ごとの回線品質(データ通信のスピード)に関してですが、UQWIMAX回線、ソフトバンク回線、ワイモバイル回線、楽天回線とも、数値で測定すればもちろん違いが出ますが、通常で使っていてストレスになるようなことなくどこの回線を使っていてもご利用いただけると思います。

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クラウドSIMシステムを使ったサービスでは、会社によりどこの回線を使っているかわからないので(多くはソフトバンクを使っていますが)回線品質の悪い回線を使っていたり、たまたま接続されたSIMがデータを使い切って速度制限のかかったSIMに接続されるたりすると、データ通信のスピードを遅いと感じる場合があります。ただ、端末を再起動して繋ぎなおせば通常のSIMにつながるので、使っていてストレスになるようなことなくご利用いただけると思います。

使えるエリアに関してですが、よく使われている上記4社の回線ではソフトバンク回線を使用した端末が一番エリアが広く、幅広いエリアで使えます。UQWIMAX回線、ワイモバイル回線は通常UQモバイルやワイモバイルのスマホで使う回線と異なるデーター通信に適した回線(UQはWIMAX2、YモバイルはAXGPと呼んでいます)だけを使っており、通常スマホに使っている回線に比べエリアが狭いです。

楽天モバイルは昨年できた新興の事業者の為、現状はエリアをどんどん拡大している状況で他回線と比べエリアはさらに狭くなっています。

ただUQWIMAX回線、ワイモバイル回線、楽天回線はAUかソフトバンクの回線が使えますので(ただし容量限定)各回線のエリア外で大量に使わない以外困ることはないかと思います。

クラウドSIMシステムの使用有無に関してですが、クラウドSIMシステムを使うと1つの端末で複数のSIMを使え、非常に効率的に事業者としては運用できるので月額料金を安くできたり、海外でもそのまま端末が使えたりするメリットがあります。ただクラウドSIMシステムを使うので電源を入れてから使えるようになるまでにクラウドSIMシステムを使わない端末に比べ多少時間がかかったり、電池の持ち時間が少し少なかったり、といったデメリットもあります。

ここでは、使っている回線により、回線品質(データ通信のスピード)と使えるエリアが変わってくること、クラウドSIMシステムを使ったサービスがあり、使わないサービスがあることをご理解いただき、この差がサービス内容に反映してくることをご理解いただければと思います。

3 端末が売り切りかレンタルか


次は、2)端末が売り切りかレンタルかのお話をさせていただければと思います。端末の売り切りというのは、例えばドコモショップでスマホを契約するのと同じように、代金を分割払いで支払うか一括で支払うかの差がありますが新品を購入するということです。

端末がレンタルというのは、サービスを提供している事業者が使っている回線の事業者(ソフトバンク等)と契約しており、端末はサービスを提供している事業者のものでユーザーはレンタルとして端末を事業者から借りているということです。基本的にレンタルですから端末は使いまわしで(つまり中古です)、やめたら返却の必要があります。

端末は新品が良いか、レンタルが良いかは個人の価値観に左右されますのでどちらが良いというものではないかと思います。売り切りは端末が新品であるというメリットがある、一方レンタルは中古で返却が必要ですが端末代金が無料であり毎月の料金を安くできるメリットがあるということをご理解いただければと思います。

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4 店舗で販売の有無


最後は3)店舗で販売しているかという違いです。最近ドコモがアハモ(ahamo)というweb限定の安いサービスを発表しましたが、発表の中で販売をweb限定にしたのでコストを抑えやすくできたといった旨の内容がありました。やはり店舗で扱うこととwebで扱うことはコストの面で差が出てきます。

UQWIMAX、ポケットWIFI(ワイモバイル)、楽天WIFI Pocket、の大手キャリアのモバイルWIFI/WIMAXは店舗で扱いをしていますが、GMOとくとくBB、Broad WIMAX、THE WIFI、縛りなしWIFI、ZEUS WIFI等はWEBだけでの販売です。


店舗で扱っているサービスは店員さんのフォローがあり不明点やアフターにも安心感がありますが、全体的にはコストがかかるので月々の料金が割高になるというデメリットがある、逆にWEBだけで販売しているサービスは、サービスレベルは落ちるデメリットがありますが、その分コストが安いというメリットがあるということを、ここではご理解いただければよいかと思います。

以下に今回取り上げたWIFI/WIMAXサービスを一覧に整理してみました。
利用回線が同じUQWIMAXを使っている、UQWIMAX、GMOとくとくBB、Broad WIMAXはサービスの回線品質やエリアはほぼ同じものです。THE WIFI、縛りなしWIFI、ZEUS WIFIはクラウドシステムの利用有無に差がありますが、ソフトバンク回線がメインで利用されており、同じような回線品質、エリアと考えてよいかと思います。

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5 各社料金とサービス内容の違い

各社サービスが根本的にどのような違いがあるか整理が出来ましたので、次は料金とサービス内容の違いをまとめてみたいと思います。


各社料金とサービス内容の違いについては、各社がしのぎを削っており単純比較が非常に難しいです。ですので、ここでは、
1)1か月に使えるギガ容量
2)3年間利用した際にかかる料金を36で割った時の月々の料金での比較3)途中でやめるときの解約違約金
この3点に目を向けてまとめてみたいと思います。

6 1か月に使えるギガ容量

まず、1)1か月に使えるギガ容量ですが、Rakuten Wi-Fi Pocket以外の各サービスは1か月に使えるギガ容量に制限があります。使用している回線にUQWiMAXを使っている各社とPocket WiFi(ワイモバイル)は無制限に使えるとなっていますが、3日間で10GB以上使うと速度制限がかかり翌日の18時以降8時間程度速度制限がかかります。ですので速度制限なしだと100GBが1か月に使えるギガ容量と考えてよいと思います。

クラウドSIMを使っている2社の1か月に使えるギガ容量は100GB、縛りなしWi-Fiは1日2GBまで、31日使って62GBが使える容量です。先ほどお話しいたしましたが、使用している回線にUQWIMAXを使っている各社とポケットWiFi(ワイモバイル)、楽天WIFI Pocketは各社回線のエリア外ではAUかソフトバンクの回線を使うので、AUかソフトバンクの回線を使う場合は上記とは別途に1か月に使えるギガ容量に制限がかかります。


以下、1か月に使えるギガ容量を表にまとめてみました。使うエリアが決まっていて各社の回線エリア内で使うことがわかっていれば、楽天WIFI Pocketが優位なことがわかります。使うエリアがあまり決まっておらず、いろいろなエリアで使う可能性がある場合はクラウドSIMを使っている2社が優位です。選択のポイントは「使うエリアがわかっているか?」というところが大きなポイントになるかと思います。

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7 3年間利用した際にかかる料金

次は、3年間利用した際にかかる料金を比較してみたいと思います。ここは各社の力の入れどころであり単純比較が難しいので、3年間利用した料金は以下にまとめてあります。

初期費用(事務手数料)+3年間に支払う月額料金+端末代金の合計から
特典(キャッシュバック)を引いた金額を3年間利用した際にかかる料金としました。

注意点が4点あります。
・初月は日割りのところが多いので1か月分で各社計算
・UQWIMAXのLTEオプションを利用した前提(利用しないと0円)
・ポケットWIFIはオプション料金込みの料金として計算。
・1か月程度の短期キャンペーンはここでは考慮しない

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※初期料金とは3か月間○○円、1年間無料等の初期料金のこと
※中期料金は24か月目まで○○円といった料金のこと

上記表で右から2番目の総合計というのが3年間利用した料金の合計です。一番右の月となっているのが3年間利用した料金の合計を36か月で割り、1か月の料金としてみたものです。

料金だけを見ると楽天WIFI Pocketが、1年間無料があるので極端に安いです。ちなみに1年間無料が終わり2980円を36か月払っても総額は107280円で月2980円だけなのでそれでも極端に安いことがわかります。

8 途中でやめるときの解約違約金

最後に最低契約期間があり、途中でやめると解約違約金がかかる会社がありますのでそちらをまとめてみたいと思います。

まず、「解約違約金とは何?」という話からします。
解約違約金がかかる会社では、契約する時にあらかじめ最低利用期間が設定されており、この期間内に解約すると違約金を払わなければなりません。それが解約違約金です。

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※GMOとくとくBB
・24か月までの解約で解約違約金24800円
・36か月までの解約で解約違約金9500円
※Broad WIMAX
・12か月までの解約で解約違約金19000円
・24か月までの解約で解約違約金14000円
・36か月までで9500円
※UQWIMAX、ポケットWIFIで端末を分割払いしている場合、解約しても分割払いの残り金額の支払いは発生。

9 これ以外のポイント

少し細かいことですが、これ以外の選択のポイントしてGMOとくとくBB、Broad WIMAXは端末保証との毎月のオプションに入らないと購入ができないか、高額な初期費用が掛かります。

しかし、「加入から2か月の間は無料」といったようなサービス内容もあるので(※2021年1月19日現在)その期間にオプションを解約すれば意図しない料金が発生することはありません。その代わり解約忘れをするとオプション料金を支払う必要があるので注意が必要です。

10年くらい前、こういった売り方は「レ点商法」と言われ、大手携帯キャリアが批判されていました。
ここからは筆者個人の意見ですが、総務大臣が「携帯料金プランのわかりやすさ」を強調している現代においては、10年前の名残が残っているこの売り方はあまり時代にそぐわないやり方だと思います。

10 まとめ

モバイルWIFI/WIMAXの違い、ポイントを比較してきたわけですが、モバイルの通信機器ですので単純に料金だけでなく、以下のポイントをしっかり押さえると自分にピッタリなモバイルWIFI/WIMAXにたどりつけると思います。

モバイルWIFI/WIMAXを選ぶときにまず抑えたいポイント
1 モバイルWIFI/WIMAXが使っている回線のエリア内でどのぐらい使うか?
2 月に使うギガ容量はどのくらい使うか?
3 端末は新品が欲しいか?レンタルでよいか?
4 店舗でのフォローを必要としているか?
5 各社の最低利用期間利用する予定か?
上記のポイントをしっかり把握したうえで、各社の料金の比較に入れば自分にピッタリなモバイルWIFI/WIMAXを選ぶことができると思います。

例えば、楽天回線のエリアの中で使うのであれば、回線品質、ギガ容量、端末新品、店舗フォロー可能、最低利用期間制限なし、で最安値ですので楽天WIFI Pocket以外の選択は無いかと思います。ただ楽天回線はまだエリア外が多く、エリア外ではAU回線のローミング(AUの回線を借りている)で5Gしか使えないので、一番割高になる可能性があります。

利用期間をどのくらい使うかわからない方は、縛りなしWIFIが一番向いていますが、月に使えるギガ容量が少ないので、たくさんギガ容量を使う方には他のサービスが良いと思います。


使用している回線にUQWIMAXを使っている各社とクラウドSIMシステムを使った各社は料金的には同じような感じですが、UQWIMAXを使っている各社はクラウドSIMシステムを使った各社より、エリア内であれば使えるギガ容量が多く優位です。しかしエリアの問題や解約違約金が高額であったりするデメリットがあります。

逆にクラウドSIMシステムを使った各社は、エリアや解約違約金は優位ですが、端末がレンタルの使いまわしであったり、電池の持ちが良くなかったり、端末が起動するまでの時間が長かったりするなど、クラウドSIMシステム特有のデメリットがあります。


UQWIMAXとポケットWIFIは料金が割高ですが、全国のいろいろな店舗で扱いをしており、店舗のフォローが受けられるというメリットがあります。

以上のように、ユーザーである私たちが自分の使い方(使うエリアやどのくらいのギガ容量を使うか、どのくらいの期間使うか等)のポイントをしっかりと把握し、自分の価値観(新品が欲しいかやアフターへの考え方等)をしっかり持った上で、料金の比較を行い、サービス会社を選択していくことが自分にぴったりなモバイルWIFI/WIMAXを選ぶ最善な道ではないかと思います。

長々とご説明させていただき、最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。これでもわかりやすくご説明させていただく為に大分ざっくりとしたものになっていますのでご了承ください。


これからも、皆様のモバイルWIFI/WIMAX選びの一助になるよういろいろな情報を発信させていただきますので、よろしくお願いいたします。




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