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あなたは安倍外交の成果とは何か言えますか?

前回は外交成果とは何か、ということを見ました。
ここからは安倍氏の外交について見ていきたいと思います。
テレビニュースでは辞任時に安倍氏の外交について「80カ国を訪問」などと評価していたのですが、訪問は成果ではありません。訪問しても国益を得られていないのならそれはただの無駄足になります。
私は「安倍外交の実質的な成果」と言われても特に何も思い浮かびませんでした。そういう人は多いのではないでしょうか。
そこで安倍政権を評価している人を参考にすべくSNSを見てみると、「セキュリティダイヤモンド構想」が偉大な成果だと称賛されていました。


セキュリティダイヤモンド構想

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セキュリティダイヤモンド構想とは、安倍氏が2012年に論文で発表した安全保障構想です。日本・オーストラリア・インド・アメリカ(ハワイ)の4カ国で、中国の南シナ海進出に対抗しようという構想です。
SNSでは「このダイヤモンド構想により中国を封じ込めた」「こんな構想を思いつくなんて安倍さんはすごい」などと称賛されています。

しかし前回の記事から読まれた方はもうお気付きでしょう。このダイヤモンド構想には何の中身もないのです。
現につい先日、8月26日に中国は南シナ海に弾道ミサイルを4発発射しました。また尖閣諸島には今年過去最多の873隻が領海侵入し、中国海警局船が過去最長の111日航行をしました。
中国を封じ込めたはずなのですが、なぜ何の効果も現れていないのでしょうか。
考えればそれは当たり前で、このダイヤモンド構想には現実的な条約や協定は何も存在しないからです。つまり名前の通りただのダイヤモンド「構想」でしかなく、ダイヤモンド「条約」ではありません。実益を伴わない、安倍氏が「こうなったらいいな」と考えている妄想でしかないのです。

そのため中国のミサイルを止めることは出来ませんし、中国が尖閣諸島に侵攻してきてもインド・オーストラリアは何も動くことはないでしょう。防衛の義務も盟約もないのですから当たり前です。
つまりただ金を渡して今だけ仲良しごっこをしてもらっている、というのがダイヤモンド構想の実態です。
現にダイヤモンド構想なんてインド首相もオーストラリア首相もトランプ大統領も誰も口にしていません。そんな条約や協定は存在しませんし、安倍首相本人ですらダイヤモンド構想なんて口にしていません。ただ安倍支持者の人が勝手に「素晴らしい功績だ」と妄想を膨らませているだけなのです。

ダイヤモンド構想への態度

安倍氏の論文では、中国に対抗することを印豪に呼びかけているのですが、安倍氏は中国の習近平国家主席を国賓として招待しています。仮想敵国のはずの中国を「国賓としてお迎えします」と宣言しているのです。2017年には中国の一帯一路構想の支持表明をし、インド太平洋と一帯一路は融合していくと述べています。
そういったことがあるため、インドもオーストラリアもダイヤモンド構想など本気で考えているのではないとよく分かっています。それでも目先のお金だけはガッポリ貰えるので、仲良しごっこを一時的にしてくれているのです。彼らは「実益の無い外交ポーズにホイホイお金を出してくれるカモだ」と思っているかもしれません。
結局印豪はお金を得て、安倍氏は見栄を張れて、国民は税金を失っているわけですから、国民だけが損をしているのです。それなのに言葉遊びに騙された国民が「ダイヤモンド構想はすごい」などと言っていたら恥ずかしいことではないでしょうか。


安倍外交の実態

安倍氏が本当に外交に力を入れるなら、日本は北側のロシア・中国・北朝鮮・韓国をどうにかしないといけませんでした。現実問題はそちらに集約されているからです。本当の外交力とはそこでこそ問われるのです。
しかし安倍氏は南のオーストラリアやインドなど、日本とあまり関わりの深くない国に現実逃避しました。そちらは大した関わりや緊張感はないので、お金さえ渡せばいい顔をしてもらえるからです。

何も具体案や中身の無い構想を立ち上げた安倍氏は、実益を生み出さない空虚な外国訪問を8年間も続けてきたのです(実際はお金を取られているので成果はマイナスです)。

安倍氏は国内では国会などで突き上げがあるため、海外訪問が唯一の楽しみだったそうです。
(海外訪問なら政治疑惑についての質問などされませんし、演説なら自分の好きなことだけ一方的に話せますからね。)
南に向かう政策は現実逃避でしたが、そもそもの海外訪問すらも現実逃避だったようです。
(これでは「80カ国訪問」などと言っている方がかえって恥ずかしいですね。)


安倍氏の行動原理

外交でお金を渡せば相手は褒めてくれるので、本人の満足度は高く、「仕事をした」と気持ちよくなれるのが海外訪問だったのでしょう。
国民の利益になるような成果は何も無く、実際は仕事をしたどころかお金や技術流失の損失なのですが。
そんなことは気にもしていないのでしょう。自分の目に見える、褒めておだててくれる人達が全てだったのだと思います。
幼稚に見えますが、やりたいことが出来ないなら憲法を変えればいい、ごまかすには公文書を破棄すればいい、国内で批判されるなら海外で褒められればいい、と幼稚な自己中心さで一貫していたように思います。

現実逃避をして上辺だけ取り繕い、お金を得た関係者(各国首脳)だけは褒めてくれるという、中身の無かった安倍外交。
これが安倍外交の実態、いえ、上辺だけで中身が無いというのは、安倍政権自体の実態だったのではないでしょうか。



(協定や技術供与など具体的内容は次回書きます)

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