現れ出る心霊を使いたかった
「現れ出る心霊」はサンダー・ジャンクションの無法者で登場した
2マナのエンチャント。置物として戦場に出るが、手札から呪文を唱えていないターンの終了時に3/3飛行のクリーチャーになる。
おまけに3マナで諜報1を行うことが出来る。
MTG Wikiによると、このような「条件を満たすとクリーチャーになるエンチャント」のことを休眠エンチャントと言うそうだ。
「2マナで3/3飛行のクリーチャー」が存在していたら、それは強いに違いない。いくらカードパワーが高い現代MTGでも、飛行を持ったクリーチャーにこんなに高いスタッツが与えられることはありえない。
このカードを活かすデッキをずっと考えているが、思いつかない。
このカードの問題点はやはり「手札から呪文を唱えていないターンが必要」
なことだろう。
当然ながらこのカードを2ターン目に唱えても、そのターンにはエンチャントのままである。
3ターン目、青いデッキなら何もせずにターンを終了することは難しくないだろう。ここでクリーチャー化する。相手のターンでブロックは可能。
4ターン目、ここでようやく攻撃要員として扱うことができる。
これでは遅すぎる。
3/3飛行は文句なしに強いのだが、いかんせん攻撃向きのスタッツとこの遅さが嚙み合っていないのだ。
防御に回せばいいような気もするが、除去耐性はないし、青色のデッキで
耐える戦術をするならもっと強い戦術がいくらでもある。
2ターン目にこのカードを出すこと自体がリスクの塊であり、打ち消しや
妨害カードを構えた方が強いのだ。
そしてもう1つの問題が、このカードを複数枚引いた時の扱いだ。
1枚目のこのカードが戦場にエンチャントとして存在しており、クリーチャー化させたい時には2枚目のこのカードは唱えられないのだ。
2枚目を唱えると両方クリーチャーにならずに腐る、
2枚目を唱えなかったら手札で腐る…
同カードでアンチシナジーを形成しているのは残念だ。
サンダー・ジャンクションの無法者では「計画」というメカニズムが登場し
一見このカードと相性が良さそうに見えるが、青のカードには優秀な計画カードがないことも残念ポイント。
「再覚醒したジェイス」なら現れ出る心霊を計画した状態にし、
次のターンで計画として唱えれば、そのターン中にクリーチャー化することが出来る。しかしジェイス自体が4ターン目以降にしか唱えられないので、
クリーチャーとして働くのは5ターン目以降となる。これでは遅い。
「牧場の迷い子、フブルスプ」との相性はどうだろうか。
ライブラリの一番上に現れ出る心霊があれば、ジェイス同様計画が出来るだろう。だが、それだけだ。
そして最大のライバルの存在。
3/3飛行のクリーチャーと言えば、「眠り呪いのフェアリー」がいる。
こちらも現れ出る心霊と同様動き出すまでが遅いカードであるが、
・1ターン目は青単でもやることがないので気軽に出せる
・護法2を持っている
・アンタップを散らつかせることで相手に駆け引きを要求する
・フェアリーシナジーを利用できる
・無限コンボのパーツにもなる
と強いポイントが多い。こちらはレアなので差があって当然と言われると
そうなのだが…
残念ながら私では「現れ出る心霊」の良い使い方を思いつかなかった。
クリーチャーでないものがクリーチャーになるというのはフレーバーとしても非常に面白いのだが、残念だ。
最後に、MTGアリーナ上でのこのカードのテキストを見て終わりとしよう。
あなたの終了ステップの開始時ぶ、このターンにあなたがあなたの手札から
「ぶ」ってなんだよ!!!
(キーボードでBUはNIの隣にあるから、タイプミスだろうか…)
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