変装を構築戦で使いたい
突然ですがこちらをご覧下さい。
私の戦場に1体のクリーチャー・カードが変装した状態で置かれている。
土地は「山(赤マナ)」が3枚出ている。
Q.この変装したクリーチャーはなんでしょうか?
思い浮かべたら下に進んで下さい。
…
…
…
あなたが思い浮かんだカードはこれですね?
ーここから本題ー
「変装」は「カルロフ邸殺人事件」で登場したメカニズム。
3マナ払って裏向きのクリーチャーを戦場に出す。
裏向きのクリーチャーは一律で2/2 護法2の性能であり、
変装コストを払うといつでも表向きになれるというものだ。
で、この変装というメカニズムだが、構築戦ではまあ弱い。
冒頭に出た「逃走する暗号破り」が長期戦を見据えてごく稀に置かれるぐらいで、全くと言って良いほど出番がないのだ。
理由は単純、変装持ちのカードが軒並み弱い。3マナ払って2/2のクリーチャーを置いた時点で何も起こらずテンポを損なうのに、高いコストを払って
表向きになったところですごい強いカードがある訳でもない。
リミテッドでは裏向きクリーチャーを予測した戦いが行われており知識の
勝負といった所で働いているのだが、構築級のカードが本当にない。
偽装ならばコントロール気味のデッキで「謎めいた外套は」たまに見るが…
さて、「犯人暴き」という2マナインスタントがある。2つの能力があり、
①裏向きのクリーチャー1体を表向きにする。
②変装を持つクリーチャーを全て裏にして並べ直す
これらを1つか両方選ぶカードだ。
①でどんなに変装コスト(表向きになるコスト)が重いカードでも、
たった2マナで表向きになることが出来る。
②では選んだクリーチャー達を一度追放する形で並べ直すので、
除去を回避した後に裏向きで戦場に出すことが出来る。
両方選べば「相手の除去→表向きにして効果発動→裏にして除去回避」
と大きなアドバンテージを得ることが出来る。
軽い踏み倒しに近いカード、こんなの弱くない訳がない。
いや、弱い。
表向きになるコストが重いカードは基本的にコモンかアンコモンであり、「え、それだけ?」みたいな効果しか持っていないのだ。
リミテッドを前提にデザインされている印象だ。
貴重な変装持ちのレア、神話レアがこのあたり。
「狩り立てられた暴骨」はパワーは高いが変装コスト自体は軽いので
【犯人暴き】を使う意味はないし、パワーは高いが合計5マナ払う性能ではないだろう。スケルトンデッキで試されたこともあったようだが、実用的ではない。
「オレリアの立証者」はXマナで効果を発揮するので自力で表にしないと
意味がない。
変装関連で面白いクリーチャーがいない訳ではない。
「火炎術の演出者」はカードが表向きになったときにパワー分のダメージを
直接相手に与える。表向きにするコストが1マナと軽く、
このカード単体でも裏→表で4マナ払って相手に3点が飛ぶ計算。
他のクリーチャーも表にしていけば本体火力が飛び続けるということだ。
例えば「狩り立てられた暴骨」が表になったら6点のダメージが飛ぶ。
中々良さそうだが、1つ断言できることがある。
絶対こいつが除去される。
現在あるほぼ全ての除去カードに当たってしまうため、表向きになった瞬間や表向きで出した時点で狙われてしまう。次のターンまで生きて帰ってくることはないだろう。
パワーが高いクリーチャーを表にしようにも、そのクリーチャー自体を3マナで裏向きで出しておく必要はあるし、【犯人暴き】が手札にないと変装コストは払えないし…とどうも噛み合わない。
ちなみに、変装クリーチャーで最大のパワーは6である。
パワー10とかの奴がいればまだ実践級と言えただろうが、全然足りない。
「古き神々の咆哮、ヤラス」は全てのクリーチャーに速攻を与える。
裏向きのクリーチャーが死亡すると表向きに出し、また裏向きにする。
実質的に表向きにするコストを踏み倒して更に裏向きにするため、
表向きになった時の能力を何度も発動できるというデザインだ。
中々良さそうだが、1つ断言できることがある。
絶対こいつが除去される。
単独では仕事をしない4マナのシステムクリーチャーで除去耐性を持っていないのは、はっきり言って厳しい。
ここまで散々「変装」を否定してきたが、冒頭の話に戻る。
重要なポイントをまとめると、
●構築戦であまりにも使う人がいない変装は、出した所で絶対に
「逃走する暗号破り」だと思われる。(山が土地にある場合)
●大したクリーチャーがいない印象の裏向きカードを、護法コストまで払ってわざわざ除去してくるプレイヤーはいない。
これらのプレイヤー達に刷り込まれた印象を上手く活用することは出来ないだろうか?【火炎術の演出者】は同じ赤であるので、上手く隠して裏向きで出せるだろう。表になった時に狙われる弱点はあるが、幸い表向きになる
効果はインスタントタイミングで起動できるため、【火炎術の演出者】への除去に合わせて表向きにしたり、【犯人暴き】を唱えることが出来る。
例えばこのような動きになる。
1,2ターン目:相手に本体火力で2,3点与えておく
3ターン目:変装【火炎術の演出者】
4ターン目:変装【裂け目破りのヘリオン】
→相手が次のターンでマナを全て使ったら、演出者を表にしても良い。
5ターン目:演出者を表にする。除去が演出者に撃たれたら【犯人暴き】でヘリオンを表に。一連の流れで9点ダメージ。2つ目のモードで除去を回避し、2体とも裏面にして並べ直す。
6ターン目:前ターンと同様の動き。20点には届く計算。
無理があるなこれは…
【犯人暴き】を2枚以上手札に引き込まなければいけないのが前提だし、
全体除去で崩れてしまうし、1回この流れを見せたら護法コストを支払ってでも相手が単体除去を撃ってくるだろうし…
【犯人暴き】をデッキに何枚でも入れて良いカードになりませんか?
構築戦の「変装」全然使えない。
他のセットに今後出て来る能力という感じもしないし…
(コラボセットのアサシンクリードでは登場したようだが)
新しく登場したメカニズムが弱いのは非常に残念だ。
私のNoteのカード画像はほぼ全て「マジック画像生成器」様からお借りしています。いつもありがとうございます。
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