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天才肌あるいは努力家(生田絵梨花と乃木坂46)

乃木坂の名曲と言われる数多くの作曲を手掛けてきた杉山勝彦氏と、同じく数々の楽曲を乃木坂に提供してきたAkira Sunset氏の対談動画をYoutubeで見つけて、お二方が話される内容が非常に興味深かったわけです。

Akira Sunset氏が生ちゃんの卒コンについて語っている中で「生田絵梨花はバケモン」と評しているし、杉山氏も「最後までチャレンジをし続けるひと」と生ちゃんの姿に驚いている。

君の名は希望

杉山氏が「君の名は希望」について「AKBみたいな常に競い合っているわけじゃない、乃木坂独自の雰囲気を表現しようとして作曲した(大意)」と語っていて、それに対してAkira Sunset氏が「結局それが乃木坂の方向性を決めた」と評している。
それに加えて「そんな乃木坂の方向性が決まったのは、生田絵梨花がいたからこそ」と生ちゃんをべた褒めしてますね。

杉山氏が乃木坂を表現するときの「乃木坂は劇薬ではない」という表現は面白いし、だから10年も続いたんだろうという感想もよくわかる。

ファンから叩かれた

「ダンケシェーンは、はじめ『あんな曲を乃木坂に歌わせるな』ってファンに叩かれたけど、生ちゃんたちの考えたコール動画が公開されたら一気に評価が逆転して、東京ドームでやったときには会場全体が揺れた」とAkira氏は語っている。
結局楽曲ってそれ自体に加えて(特にアイドルでは)パフォーマンスをあわせた総体なんですね。曲だけ聞いてどうこう言っても始まらないし、評価は時間とともに変わる。

Akira氏が語っていた合いの手の動画はおそらくこれ。初めてみたけど、生ちゃんを先頭にみんなバカ(いい意味)で素晴らしいですね。誰も彼もみな若い。
メンバーが肩にかけてるタオルが16人のプリンシパルなのね。

やさしいだけなら

Akira氏がThe First Takeで生田、久保、賀喜の三人で歌ったときのアレンジをやったとき、はじめて会う生田絵梨花ってひとはおそらく天才肌で感覚的に歌っているんだろうと思ってたら、実際には様々なテクニックを使ってて自分のイメージどおりできるまで何度も繰り返し練習しており、その姿を見て「彼女は天才と呼ばれているけれど、あれは努力の賜物だ」と関心したって語っている。

その話の合いの手で杉山氏がぼそっと「久保ちゃん、歌上手いね」と言ってるのもおもしろい。

Akira氏が話してるThe First Takeのって多分これでしょう。コーラスが素晴らしい。やっぱワシはあまりヒネクらない自然なスッとしたコーラスアレンジが好きです。
生ちゃんとしてはこの曲があったからMTV Unpluggedにこの二人を呼んだんでしょうね。
曲調もアレンジも1980年代に竹内まりやが歌ってそうで、個人的には大好きな曲です。

生田絵梨花とは

動画の最後にお二方が語っておられた
「センターになった回数は少ないけれど、生田絵梨花は乃木坂の象徴だ」
「才能があるし、限界まで努力をしている生田絵梨花はアイドルから本物のアーティストになっていく人なんだろうな」
という言葉が生田絵梨花という人を適確に表しているんじゃないかなとおもいますた。

たしかに白石麻衣や西野七瀬などと比べると乃木坂としての一般的な知名度は劣るかもしれないけれど、音楽面でグループ全体に与えた影響では絶大だろうし、外側にいる曲を提供してきた人達から見ると、乃木坂の中で音楽的に抜きん出た存在だと感じたんでしょうね。

生田絵梨花の存在とこれからの乃木坂

それを考えると、生ちゃん卒業後の29thシングルが「歌」を強調した乃木坂として異質な印象を与える曲だったというのは、乃木坂の象徴であった生田絵梨花がこれまでの楽曲に「意識しているにしろそうでないにしろ)与え続けてきた呪縛(関係者の思い込み)から解き放たれようとした結果なのかもしれないなという勝手なことを思いつきました。

生ちゃんがいたときにはその存在感が大きすぎて、スタッフとしても大きな音楽的な方向展開を打ち出すのは難しかったのかしれないし、それとも意図してか偶然かわからないけれど、「歌」を全面に出せるメンバーが集まってきた結果なのかもしれない。どうなんでしょうね。

アイドル像自体も昭和時代のような(ワシラ世代がイメージする)「かわいい」だけではダメで「歌」や「ダンス」「芝居」「お笑い」など多くの能力が要求されてきているのは確かでしょうから、その影響でそれぞれの才能をもつ人たちがアイドルになろうと集まってきているってのもあるんだろうな。

生田絵梨花ってひとは、より早くより積極的にそういった「モノ」を表現していた人だったんだと思いますた。

生ちゃんといえば音楽はもちろん、あのコメディーセンスも見逃すな。

おしまい。

トップ画像は司会を務めるNHK番組の宣伝用写真です。
相方がかまいたちでつっこみの濱家氏なので、とうぜん生ちゃんはボケ担当なんでしょうな。

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