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目覚めてもこのままでいい(乃木坂46)

橋本奈々未の卒業ソング「ないものねだり」が頭の中をぐるぐる回る。
これまで数え切れない人たちが、この曲とそして橋本奈々未に対する思いを様々な媒体に書き連ねてきただろうことは容易に想像がつくけれど、そんなものをワシも書いてみたい。

橋本奈々未が歌う

まず聴いて印象的だったのが彼女の歌の上手さ。出だしの低音部分は生田絵梨花より上手いし聴きやすい。しっとりとしたバラードにピッタリの声質で、高音が伸びる生田絵梨花と対象的な印象を受けました。
その歌声をヘッドフォンで聞いていると、なんとなく賀喜遥香の声に似てる気がしましたね。でもかっきーよりもちょっと憂いを帯びた印象で、とてもステキです。

静謐な空間

カーテンの 裾の辺り
木目の床 底冷えする
真冬の夜 ベッドの中
好きな小説を読んでいたい

ゆっくりと 過ぎるときが
心を癒やしてくれるの
慌ただしい日常の中
一人でいるのが好きになった

「ないものねだり」

卒業を前にした橋本奈々未の心理とその姿をイメージさせる歌詞がとても良いですね。
特に一番の歌詞は、ワシが歌詞の中で単語を並べただけでその作品の世界が確実に的確に描写されている最高傑作だと思っている「よこはま・たそがれ」に匹敵する。

よこはま たそがれ ホテルの小部屋
くちづけ 残り香 タバコの煙
ブルース 口笛 女の涙

「よこはま・たそがれ」作詞:山口洋子

オリジナルは五木ひろしさんが歌われています。名曲です。
ちなみにこの曲で歌われているホテルは、横浜にあったバンドホテルらしい。若い頃 客先に通うときに何度もその前を通ってて、通り過ぎるたびに「よこはま・たそがれ」を思い出していた。ついでに書けば、サザンオールスターズのアルバム「人気者で行こう」に収録されている「メリケン情緒は涙のカラー」の歌詞には具体的なホテル名として出てきます。

閑話休題

歌詞の内容は、卒業発表直後に橋本奈々未が出演したラジオで話していたように自分が日記に書いていたものに近いとのこと。
他人を蹴落としてでものし上がろうという芸能界の荒波に揉まれるアイドルなのに、「今の自分でいい。これ以上なにも望まない」と歌う彼女の姿は、ファンが追いかけた「橋本奈々未」の静かな佇まいにピッタリ重なりますね。
MVで見られるベッドで小説を読む彼女の静かな姿は、アイドルではない「橋本奈々未」の素の姿であり、この曲を最後に卒業し芸能界を去る彼女が望む未来の自分なのかも知れません。

まいまいとアリを見ていた毎日

一期生の年長組でデビュー前のホテル住まい時代には、深川麻衣と学校へ通う年少組の洗濯物を毎日集めてコインランドリーで洗濯しながら、徐々に減ってゆく貯金を思い不安を感じていたというエピソードがドキュメンタリー映画の中で語られますが、将来に不安を感じつつも未来をつかもうと一生懸命だった彼女の存在が「乃木坂46」というグループのいまを形作ったことは間違いありません。

橋本奈々未は、乃木坂が持つ「文化」を作り上げてきた重要なメンバーの一人であり、橋本奈々未がいなかったら今の乃木坂46というグループは確実に存在しないし、ワシもファンになることはなかったに違いない。

橋本奈々未が乃木坂46に参加してくれたことに感謝します。

さいごに

この曲は橋本奈々未そのものというイメージが強く、後輩メンバーが歌うことに拒否反応を示すファンもいる。確かにこの曲は橋本奈々未が歌ってこその作品とは思います。しかし、ななみん卒業後に御三家の二人白石麻衣、松村沙友理と一緒に「急斜面」を歌った梅澤美波が、極度の緊張から終始泣きだしそうな顔だったように(実際、終わったあとに楽屋で号泣してたらしい)、後輩たちも先輩の曲を受け継ぐことには重い責任を感じているはず。
そんな後輩たちには、橋本奈々未という存在を語り継ぐために、これからも歌い継いでいって欲しいと思います。

「急斜面」のイントロ時点で緊張のあまりすでに泣きそう
歌ってる途中、涙目で目が赤くなってる梅 がんばれ

このまま眠くなれば
いつの間にか 部屋の灯り
点けっぱなしで夢の中へ
微睡める自由があればいい

なぜ 人は誰も
目の前にある この幸せだけで
今日を生きられないの?
もう十分でしょう
私 ないものねだりしたくない

何かを失うなら
そこまでして欲しいものは
一つもない 今持ってる
すべてが私のすべてでいい

そう 目が覚めてもこのままでいい

「ないものねだり」
「福神」という呼び方は嫌いだけど、この8人ならそう呼ぶしかない、ガルル八福神

上の画像はインターネッツから拾ってきたガルル八福神。みんな芋ジャージ着て勝手なことやってるなか、そっぽ向いてるななみん。ファンがもつ彼女らしいイメージでとてもステキです。

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