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記憶

今日、パスポートを忘れた。

海外の銀行口座を開くためにオンラインで現地の銀行員と面談する必要があり、
身分証明のためにパスポートを必ず手元に置いてください的なメールが届いたので、
オケオケと思って「パスポート忘れない!」とgoogleカレンダーに入力して連休に入った。

忘れた敗因は連休中に仕事用のgoogleカレンダーを見なかったからではない。
確かに連休最終日までカレンダーを見なくとも覚えていた。
でも連休最終日の夜に(明日は弁当作って仕事場に持って行こう。そんで面談の前に食べよう。)と思い立ち、その晩に作り、冷蔵庫に入れ、冷蔵庫に入れたまま持って行くのを忘れるという前科があるので、付箋に「お弁当忘れない!」と書いて貼っておいた。

全ての敗因はこれ。
弁当を持って行って、パスポートを忘れた。
1つ覚えると1つ忘れる。老化?

親がたまに鍵をかけ忘れたり、水道閉め忘れたりしてて、その度にボケが始まってるヤバイと心折れてたけど、そんなものよりこちらの方が明らかにヤバイ。
鍵をかけたり、水道の蛇口をひねるなんてことは今までに何十回もしてきてルーティンと化しているはず。もはや目をつぶってでも出来るようなことにいちいち脳みそは使わないだろう。
脳みそを使わないから覚えてなくても仕方ない。

一方、こちらは「忘れない!」という強い意志があるにも関わらず忘れている。
完全に終わっている。

「人は忘れる能力があるから生きていける」なんて言葉があった。これを聞いた時(ほんとにソレ)と思った。いちいち覚えていたら狂ってしまう。忘れたいことばかりだ。
でも千と千尋の神隠しで銭婆が「一度あったことは忘れないものさ。思い出せないだけで」と言っていた。

この間、家族と昔の話をしていて、本当に今まで1回も思い出したことなかったのに、昔よく行っていた遊園地の記憶が蘇ってきた。
多分20年以上前の記憶。
もう今は閉園してしまったけれど、その遊園地には入り口に真っ赤なジェットコースターがあって、お化け屋敷の外には柳の木があった。
その頃私はまだチビでジェットコースターに乗れなくて、身長が大きかった兄は真っ赤なジェットコースターに何回も乗っててそれがすごく羨ましかった。
すごい。1回思い出すと次々と思い出す。

確かに…忘れてない…銭婆…

脳みそのことはよく分からないけど、私の脳みそが完全に終わっていることは分かったので、これからも色々なことを都合良く忘れたり思い出したりしながら生きよう。
そして海馬の外付けHDDとかクラウドとか発売される日を待とう。

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