見出し画像

すべての人に医療の安全と質が保障された世界をめざす



日本の臨床工学技士による医療機器の管理と教育のノウハウをアジア・アフリカに提供する大学発ベンチャー


★今日は共創の時代・・・サスティナビリティ(149)

<株式会社Redge>
 2022年5月に設立され、神奈川県川崎市に本社を置き、医療機器管理教育システムの研究・開発・販売を行う、神奈川県立保健福祉大学と国立岡山大学の認定大学発ベンチャーだ。

同社が開発した医療機器管理教育システム「CeTrax」(シートラックス)は、アジア・アフリカなどの医療機関で医療機器の管理と教育をサポートするためのシステムで、医療機器の管理と教育不足により、医療機器のトラブルや治療機会の損失が発生し、人が命を落とすという問題を解決する。 日本の臨床工学技術を活用して開発し、生まれた国によらず、すべての人に医療の安全と質が保障された世界を実現することを目指している。

CeTraxは、医療機器の台帳管理、点検履歴管理、消耗品管理などの管理機能と、医療機器の安全管理に関する教育機能を併せ持っており、医療機器の安全と質を向上させるための一貫した取り組みが実現できる。 また、クラウド型で提供されるため、インターネットに接続できる環境があれば、どこからでも利用でき、操作が簡単で、特別な知識やスキルがなくても利用できる。 さらに、管理機能を活用することで、医療機器の稼働率や消耗品の在庫状況をリアルタイムに把握できます。これにより、医療機器の適正管理を実現し、故障や不具合を未然に防ぐことができる。 災害時にあっては、医療機器の稼働率や消耗品の在庫状況を把握する機能を備えており、災害時における医療体制の強化に貢献することができるとしている。

.
★ 同社の代表を務める 稲垣大輔氏は、大学で臨床工学技士の養成課程に在籍中、大学3年時にベトナム・メコンデルタの安全・環境の参加型改善活動、「メコンデルタ研修」に参加し、現地の病院を見学した際、待合室が患者であふれ、廊下に多くの患者が横たわり、ベッドが足りずに床に寝ている患者を目の当たりにし、大きな衝撃を受け、臨床工学技士としての専門性を活かし、ボランティアとして医療支援を行うことを決意した。 臨床工学技士として、民間・大学病院で勤務しながら毎年海外の医療支援を行っていたが、現地の医療機器に関する課題が解決されない理由を探求するために大学院に進学し、経済産業省/JETRO主催の次世代アントレプレナー育成事業(EDGE-NEXT)に参加し、発展途上国を対象とした医療機器管理+教育システムのビジネス化というアイデアを起草提案した。

稲垣大輔氏

_

◆ 発展途上国の病院の多くは経営的に厳しく、ボランティア支援が重要であることは理解していたが、ボランティア頼みでは継続性に限界があり、現地の医療が必要とするものを定期的に提供するためには、営利事業として運営する仕組みが必要だと考え、提供するシステムによって経営の最適化や業務効率化が実現すれば、途上国でも適切な費用を負担することが可能だと考えた。

実際に、ボランティアで訪問したカンボジアの透析専門クリニックでは、10台ある血液透析器のうち8台が故障して使えず、2名しか治療できない状態で、故障の原因は使用者側の問題や保守点検の問題で、しかも、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延で海外渡航が厳しく制限されたことで、販売業者からメンテナンス要員も補修用部品も全く届けられない状況を目の当たりにし、管理と教育を遠隔で行える仕組みが求められていると感じたそうだ。

❤ 非常に重要だがニッチなマーケットに挑戦しているが、海外では、使用する医療機器ごとに資格が存在し、業務が細分化・個別化されているが、日本特有の「臨床工学技士」は、一つの資格で医療機器全体を扱うことができるため、患者治療に包括的かつ切れ目なく関わることができることで、医療安全の向上に寄与できるという強みを発揮できるようだ。 まさにスタートアップのベンチャーだけれど、頑張って欲しい!

.

時代の変化を捉え
これからの生き方を
考えてみよう!

.
◎株式会社Redge コーポレートサイト
https://redge.co.jp/
◎県立保健福祉大学初ベンチャーが設立されました
https://www.kuhs.ac.jp/shi/news/details_01516.html
◎第135回「かわさき起業家オーディション」最終選考会
https://www.kawasaki-net.ne.jp/bizidea/idea135/entry13518.html
◎次世代アントレプレナー育成事業(EDGE-NEXT)
https://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/edge/1346947.htm

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?