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日本の法律が例外を許容した環境イノベーション



バイオトイレや生活排水を処理するバイオ浄化装置で循環型社会を推進

★今日は共創の時代・・・サスティナビリティ(103)

<正和電工株式会社>
 1974年に電気製品の卸売業として北海道旭川市で創業し、現在は水を使わないバイオトイレ・トイレ以外の生活排水を扱う新浄化装置・駆除動物を分解処理する装置を製造販売する、資本金5000万円、従業員10名のファブレスメーカーだ。

<水を使わないで糞尿を消滅させるバイオトイレとは>
糞尿の正体は水分率が約85%~95%の汚水廃棄物で、それらの水分をオガクズを使い、スクリュー攪拌して蒸発させることで、約10%の有機物にまで全体量を減らすし、有機物は、オガクズ中の微生物が水と二酸化炭素に分解し、更に残った無機成分(窒素・リン・カリウムなど肥料分)はオガクズの空隙に付着して残留する。そのサイクルを繰り返し、オガクズの空隙が詰まったときがオガクズの交換時期となる。おおよそオガクズ交換の目安は1年に2~3回程度で、使用後のオガクズは有機肥料としても活用できる。
 その他同社では、ペット用から業務用までの生ごみ処理機、駆除した動物の処理装置、生活排水の浄化装置など広い範囲のバイオ処理装置を開発販売している。

静岡県と環境庁の取り組みとして、2001年7月14日から8月27日までの45日間、富士山の5合目(須走口)で、公衆簡易トイレの 実証実験が行われたのです。 いくつかの出品トイレが次々にダウンする中、最終的にオガ屑を用いたバイオトイレが唯一、 45日間24時間フル稼働し、1台で総計8,000人を越える人々の使用に耐え抜き、 使用した人々の感想は、圧倒的に 「臭いが無くて快適」というものだった。(下記リンク参照:バイオトイレの使用者評価-富士山での実証実験)

簡易設置型

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★ 創業者の橘井敏弘氏は、1992年頃に胃がんを患って、食べ物を残すようになってしまい、生ゴミ処理の製品を探していた時に、長野県にあるバイオトイレのメーカーを見つけた。これだと思い、自分用に1台購入し、北海道で売りたいからと、他にも何台か仕入れたが2年後に、その会社が倒産してしまった。こうなると保証やサポートが受けられない。また、在庫を抱えていてもその商品は売ることができない。そこでそのメーカーから、意匠権を譲渡してもらい、さらに製品を改良して同社の商品として販売することにしたのが始まりだそうだ。

創業者の橘井敏弘氏

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◆ 水洗方式のトイレは、大量の水で希釈して下水道に棄却し、処理場に集約した後、バクテリアなどの微生物が下水の汚れを食べることを利用して、 下水をきれいに処理し、 河川や海などに放流するという大規模なインフラ設備だ。 これに比べ発生したその場で、水をほとんど使わず濃縮・資源化することが可能で心配する匂いも無く、撹拌のための電気の供給さえあれば何処にでも設置が出来るトイレだが・・・・日本の建築基準法では、下水道法※に規定する処理区域内では、トイレは下水道につなげた水洗トイレ以外は設置してはいけないと定められている。

公園や観光地向け
業務用大型バイオトイレ

※第31条 下水道法 (昭和33年法律第79号)第2条第8号に規定する処理区域内においては、便所は、水洗便所(汚水管が下水道法第2条第3号に規定する公共下水道に連結されたものに限る。) 以外の便所としてはならない。

家具型バイオトイレ

❤ 日本でも、ここに来て環境問題への配慮という課題が頭の硬い省庁を動かしたようで、20年かかってようやく・・・2021年10月1日付けで「バイオ便所の構造や運用状況等に関する実態調査」を行い省内で検討した結果、 地方自治法に基づき技術的助言を国土交通大臣指定及び地方整備局指定の指定確認検査機関に対し通知を発出、バイオ便所の設置が下水道処理区域内でも設置出来る旨を明確化した。

・・・よくやった!・・・・いやいや遅いんじゃぁ~ヽ(`Д´)ノ
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時代の変化を捉え
これからの生き方を
考えてみよう!

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◎正和電工株式会社 コーポレートサイト
https://seiwa-denko.co.jp/
◎バイオトイレの使用者評価-富士山での実証実験
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00035/2001/56-7/56-7-0093.pdf
◎同社のSDGs宣言
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/fs/7/8/2/6/7/3/0/_/正和電工株式会社の取組.pdf

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