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農業を核として雇用・経済・集客で公益を創出する新しい農業モデル



農業・観光・工業連携で町の活性化と環境配慮との両立が実現


★今日は共創の時代・・・サスティナビリティ(75)

<カゴメ野菜生活ファーム富士見構想>
上記構想に関わる3社を以下紹介する。
◉「カゴメ富士見工場」は埼玉県富士見市にあるカゴメの工場で、1971年に開設され、野菜ジュースやトマトケチャップなどの製造を行っている。工場敷地内には体験型農園があり、野菜の収穫や調理体験ができるほか、野菜の栄養や健康効果について学ぶことができる。野菜の魅力や健康効果を広く伝える活動を行い、「野菜生活100」の工場見学ができるファクトリーツアーも一般来場者向けに実施している。
◉「株式会社八ヶ岳みらい菜園」は、2015年10月に設立された会社で、長野県諏訪郡富士見町の遊休農地を富士見の気候風土を利用した新しい農地利用に革新していくために設立され広大な土地で、トマト、ニンジン、リンゴ、ブロッコリー、ほうれん草、キャベツ、レタス、パセリなど、多くの野菜を栽培している。
◉「カゴメ野菜生活ファーム株式会社」は2018年3月に設立されたカゴメ株式会社の子会社で、長野県富士見町にある野菜のテーマパークとして、レストランやショップ、体験教室や収穫体験などができる施設を運営する。

カゴメ野菜生活ファーム富士見 全景


2013年に「農事業」「観光事業」と既存の「カゴメ富士見工場」の「農業・観光・工業」の3つを連動させることで、農業問題の解消に加え、新たに「雇用効果」「経済効果」「集客効果」を創出して地域全体を活性化していく事業モデルが構想され「カゴメ野菜生活ファーム富士見」というプロジェクトが始まった。

カゴメグループは2017年より徹底したCO2削減を目指しており、2022年1月現在で国内外の2工場で再生可能エネルギーで消費電力を100%賄うことが可能となっている。富士見工場では太陽光発電に加え、排出されるCO2を隣接する菜園(八ヶ岳みらい菜園)へ送り。CO2施肥(せひ)※として活用する事で一年を通じて生鮮トマトを安定供給するとともに生産量を増加させている。
※CO2の濃度が上昇することで光合成速度が増加し、植物の生育が進むことを「CO2施肥(せひ)効果」という。CO2濃度が上がると光合成が活発になり、果実も成長し、さらにCO2濃度が高いと気孔の開口部が狭くなり、水の蒸散も防ぐこともでき、水の節約にもなる。

八ヶ岳みらい菜園

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★ これらは、この構想で生まれた「工場と菜園が隣接していることで可能となったビジネスモデル」で、この菜園ではCO2施肥によりトマトの年間出荷量は約1万4500トン(22年度実績)にのぼるそうだ。 また、同工場ではCO2施肥に加え、屋根に設置した太陽光発電による電力供給と、野菜を絞る際に出る残渣や野菜の茎や葉を使ったバイオガスによる熱供給などエネルギー面でも環境負荷を減らす対策を進めている。

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◆ 富士見町では、農業が核となって菜園で雇用、さらに観光を核とした施設においても雇用が確保される。また、施設への集客により既存観光への誘客効果が生まれる。 これまで過疎地の工場であった地域が、隣接地に開いた菜園との排エネルギー連携による安定供給および収穫量増大効果と共に、誘客施設設置による観光効果で街の未来を創造した取り組みとなった。 2013年に構想し、2015年に農事業会社の設立~2018年に事業開始、2018年に観光事業会社設立~2019年に「カゴメ野菜生活ファーム富士見」開園という着実な事業化を進めてきた。

「野菜生活100」の工場見学ができるカゴメファクトリーツアー

まさに地域と住民および経済の共有価値を創造し、且つSDGsの理念に沿った数々の取り組みが実現できた秀逸の地域創生モデルと言える。

❤ 「農村」が「企業」の経営力やブランド力等を借り、「企業」は「農村」の地域資源や潜在力等を借りて、共に連携して地域農業の「人」と「農地」の問題を解消しながら、農業を核として雇用面・経済面・集客面で公益を創出する新しい農業モデルが。。。ド!ドキューン!!す、素晴らしい。
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時代の変化を捉え
これからの生き方を
考えてみよう!

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◎カゴメ野菜生活ファーム コーポレートサイト
https://www.kagome.co.jp/ysfarm/
◎八ヶ岳みらい菜園
https://www.ym-farm.com/
◎カゴメグループ SDGsレポート
https://www.kagome.co.jp/library/company/ir/data/integratedreport/2022/pdf/2022_7.pdf
◎CO₂でトマトがぐんぐん!一石三鳥の最新技術とは?
https://ene-fro.com/article/ef195_a1/

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