DA コンバーター

左手前の不思議な物体は、DAコンバーターって言います。普通はCDプレーヤーに内蔵されている部分をこのような22kgもある機材として独立させています。DAコンバーター　略してDAC(ダック）と呼んでいます。CDのデジタル信号をアナログ信号に変換する役目を担っています。

この度、ご縁があり僕の音楽室に来てくれました。下世話な話で恐縮ですが新品価格が諭吉様100 枚を超えます。最新ヴァージョンになると200枚超えです。詳しい事情はわからないのですが、オーディオの師匠から、とにかく君に使って欲しいんだということでお借りしました。信頼できる方なので、ありがたく受け入れさせていただきました。残念ながら、現在はこの機材に見合う格のCD プレーヤーを持ち合わせておりません。中古で購入した２万円のDVDユニバーサルプレーヤーのデジタル出力端子と接続して音を出しています。そうです。中古価格２万円の機材でもしっかりと音楽を楽しめるのです。

車もカメラも高価でなくても、移動はできるし写真も撮れます。高級レストランでも大衆食堂でも、美味しくお腹は満たされます。いつも、思うのですが高いものには、やはり安いものにはない良さがあるのです。ただ高いということは、悪意があるもの以外はないでしょう。その良さを感じ取れるか？どうかはその人次第なのです。僕はこのDAコンバーターを使いこなすことができるのか？それを考えています。その使いこなすプロセスを思い切り楽しむ機会をオーディオの師匠からもらえたと思っています。違いのわかる人間でなければ、重い！大きい！高い！なぜこれが必要なの？！ということになるわけです。

これは、以前僕が使っていたDACです。そうです。色がブルーなだけで同じものなのです。事情があって昨年末に手放しました。二度と手にすることはないだろうなと思っていたのです。有名なジャズ評論家の先生から　中古の品を譲っていただいた特別な個体でした。

とても残念でしたが・・・乱暴に扱われていたのでしょう。背面のパンチングメタルのメッシュ部分には大きな凹みや傷が・・・・僕は当時まだ、若かったので、気にしない、音が重要と思ってきましたが・・・・・

このシルバーの貴婦人を前にして、高級品をハンドリングするということは、どういうことなのか？ハッとさせられました。全くと言っていいでしょう、この個体は無傷なのです。どういう経緯で僕のところに来たのか？知ることはできませんが・・・・前のオーナーの扱いの丁寧さに驚きます。貰い受けに言った時にユニクロの大きなフリースのブランケットに包んで持ち帰ってきて正解でした。何にも包まないでダンボールの箱に突っ込んできたら・・・そういう音になってしまうのでしょうね！

高級オーディオは、お金持ちの道楽と思われているか？一部のマニアックな異常な人の趣味と思われているのでしょう。最近の製品の金額は、そう思われても仕方がないと思います。僕は今の自分の環境のなかで、ご縁をいただいた世間的には、過去のものと思われているこのDACのような高級品、別格品をしっかりと使えて、その持っているポテンシャルをとことん絞り出す、そんな使い手になりたいなと思っています。今の組みわせは、もしかしたらポルシェやフェラーリなどの高級スポーツカーを時速40kmくらいで走らせている状態かもしれませんが・・・その品の格に負けない人間力をつけたいなと思っています。