見出し画像

カザルスのSPレコードで聴く バッハ無伴奏チェロ組曲

クラシックに詳しいわけではないのですが、バッハの無伴奏チェロ組曲が大好きです。昔見た、「真夏の夜のジャズ」という映画でこの曲が演奏されるシーンがあって、好きになりました。その後、オーディオのショーでかかっていた、ピエール・フルニエのフィリップス盤をCDで入手して楽しんで来ました。時は流れて、ホンダの創業者、本田宗一郎氏が亡くなった時に、NHKの特別番組があり、ソニーの創業者の一人、井深 大(まさる)さんが、仲の良かった本田さんのことを語る、「我が友、本田宗一郎」という番組の背後に、この曲がずっと流れていて、強い感銘を受けて、さらに好きになりました。この時の演奏は、日本のチェロの第一人者、堤剛(つつみ つよし)さんのものでした。早速、CDを入手しました。その後、本命とも言える、ヤーノシュ・シュタルケルのマーキュリーのLPボックスセットも入手できました。そして、この曲がきっかけで、バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタの存在も知ることになりました。

画像1

今日は、朝から手持ちのレコードの処分をするので、手放すものと残すものの仕分けをしているのですが、頂いたオペラやバッハの宗教曲の大量のボックス物の中に、ひときわ古くて重い、背表紙が取れてしまって、ついていない、このセットを見つけました。なんと、巨匠カザルスの無伴奏チェロ組曲の1番と6番です。異様に重い盤は。なんと78回転で回るSPレコードでした。お〜!7枚組です!

画像2

盤はカビだらけですが、著作権者  日本ビクター蓄音機株式会社 横浜  としっかりレーベルに書かれています。僕が今の住まいに越してきたのが12年前です。それ以前の住まいにいた頃に、いただいたボックスセットの数々は、オペラなどが多くて あまり興味が持てず、いつか聴こうと思ってはいたのですが・・・長い間そのままでした。まさか巨匠カザルスのSP盤があるとは!夢にも思いませんでした。12年以上の長い眠りから覚めたわけです。

画像3

僕はチャーリー・パーカーのSP盤がどうしても聴きたくて、78回転で回るプレーヤーとSPレコード用のカートリッジも持っています。ただ、フォノイコライザーアンプだけが、現在のRIAAカーブ用でしたので、昔の様々なイコライジングカーブに対応できる、SP用の格安で高性能の合研ラボさんのものを、今回、手配いたしました。SPレコードのノイズがあることはもちろんちょっと嫌ではありますが、ノイズなしは、まあCDに任せるとして、このカザルスの演奏がどんな音で甦るのか?とてもワクワクしています。

画像5

画像4

まるで映画のようだなあ・・・と妻と話しました。今となっては、どなたから頂いたのかさえわからないのです。写真教室のご常連の女性のご主人様のコレクションだと思ってはいますが・・・・多分?このセットは1940年代の品でしょう。60年から、もしかしたら70年近くの時が経過してるのかもしれません。すごいなあ・・・それが今でも聞けるのですから・・・・僕はレコードには、持ち主の人生が詰まっていると感じています。前のオーナーは、どんな環境で、どんな時にどんな気持ちでこのレコードを聴いていたのでしょう?

巨匠カザルスがスペインの楽譜屋で、この曲の楽譜を見つけ世界に広め、現在では、チェロ奏者のバイブルとまで言われる無伴奏チェロ組曲、明日には、SP用のフォノイコライザーが届きます。大いに楽しみです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?