Osaka Shion Wind Orchestra 愛知特別演奏会

日時:2022年5月21日(土) 愛知県芸術劇場コンサートホール
会場:14:00
開演:15:00

演奏:オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ
指揮:西村友

【曲目】
・ドラゴンの年【2017年版】(P.スパーク)
第1楽章「Toccata」
第2楽章「Interlude」
第3楽章「Finale」

・ブリュッセル・レクイエム(B.アッペルモント)

~休憩~

・交響曲第1番「指輪物語」(J.de.メイ)
第1楽章「魔法使い”ガンダルフ”」
第2楽章「エルヴェンの森”ロスロリエン”」
第3楽章「”スメアゴル”という名のゴラム」
第4楽章「暗闇の旅」
第5楽章「ホビットたち」

~アンコール~

・ある英雄の記憶~「虹の国と氷の国」より~(西村友)

イギリス(スパーク)、ベルギー(アッペルモント)、メイ(オランダ)とヨーロッパの作曲家が勢揃いのコンサート。
日本では頻繁に演奏される機会がある作品ですが、恥ずかしながら生で全曲拝聴するのは今回が初。

今回の白眉は、ファゴット奏者である國府利支恵さんと常田麻衣さんのお二人。
吹奏楽の編成で、存在感があり尚且つ作品の魅力を引き出す演奏にはとても惹かれました。
私事でありますが、最も愛する管楽器が美しい演奏で拝聴できたことは嬉しく思います。

指揮者の西村友さんは、ブリュッセル・レクイエム以外は暗譜で指揮されておりました。
卓越したバトンテクニックは、演奏者と一体と成し、熱量が尋常ではなかったです。
3階席の上手側で拝聴しておりましたが、楽章間で西村友さんが手の甲を叩いて、奏者を讃えていたのが印象的でした。
演奏者と指揮者の信頼関係が演奏にも表れていたかなと感じた次第です。

ブリュッセル・レクイエムはチューブラーベルを2台使用する作品。
1台はヤマハの新モデルであるYCH-7018を使用されておりました。
詳細はこちら
チューブラーベルの音色の使い分けが見事でした。
賛否が分かれる作品だと感じておりますが、綺麗にまとめ上げていらしたのはプロならではの演奏だと思っております。

アンコールは自作自演。思わずニヤリとしてしまいました。
傷はあったものの、そこはご愛嬌ということで・・。

ドラゴンの年の3楽章、指輪物語の5楽章で涙腺が緩んでしまいました。
普段は演奏者より作品を重視して演奏会に足を運んでおりますが、往年のプログラムをプロの演奏で拝聴できるのは貴重な経験。最初から最後まで大満足のプログラムでした。
オンライン配信も提供される時代になりましたが、音楽に関しては作曲者→演奏者→聴衆というアナログのリレーは生涯続いていくと感じております。
生でしか味わえない空気と感動が、そこにあるなと思わせる演奏会でした。


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