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アイデアの3Bを作り出す蒸し樽

飛騨高山ウルトラマラソンの帰り道に田辺温熱保養所に寄ってきた。今回が2回目の訪問。

ココは個人的に1,2を争うほど好きな施設だ。友人に「どこのサウナが好き?」と聞かれたら「田辺温熱保養所!」となる。

一言で表すと唯一無二の施設だ。他の施設が同じ蒸し樽を導入したとしても田辺温熱保養所にはならない。この意味は行ってみないと分からない。

田辺温熱保養所は大垣駅から3.6キロなので、タクシーだと15分程度で2,000円かかる。歩くと45-50分くらい。僕の場合は"走る"という手段があるので20分くらい。名古屋から大垣駅まで電車で33分ほど。

他にも本当の最寄りの東大垣駅から行けるが、樽見鉄道という1時間に1本のため運が良くないと乗れない。


今回はたまたま良い時間に電車があったので東大垣駅から行ってみた。日本の夏を感じる風景。日本の夏の風景ってノスタルジックさが素敵。

少しの寂しさのような感覚も覚える。樽見鉄道はまさかの1両編成。こういう"意外"の出会いも旅の醍醐味。

樽見鉄道はICカードは使えない。この制限(適度な不便さ)も楽しい。「どうやって支払うのだろう」と少し不安に感じつつ発車。この少しの不安感の解消された際の小さな安堵感も旅の醍醐味。

旅か旅行かを分ける基準としてな不規則性と余白の有無だと考えている。東大垣駅だと田辺温熱保養所まで1.8キロ程度なので20-25分くらい。

人生に言えることだが最短距離で進もうとしないで、通ったことのない道を通ってみたり、違う行き方をしてみる。行き方が分かったなら別の行き方を優先して選んでみること。

そんなこんなで1年ぶりの田辺温熱保養所の訪問。5時間までなら2,000円。初回訪問時のみ前半後半で3時間利用。2回目の今回は3.5時間滞在。

店主のご夫婦の対応が素敵。凄く丁寧で物腰柔らかくやっぱり人だよなぁと感じる。(去年も同じことを書いた気がする) MOKUタオルを購入したのだが「良い色選びましたね!」など嬉しい一言を添えてくれる。

休憩室で毛布を二枚折りして自分のエリアを確保。木製の枕を置く。温かいお茶も準備。

いざ、蒸し樽へ。

樽の中は真っ暗。

視覚情報が遮断されているので嗅覚や聴覚に認知リソースが割り当てられる。ハーブの香りが適度に濃くて最高の空間だ。常時、ロウリュが広がった際の空間にいるのと同じ感覚。蒸されるという感覚を本当の意味で味わえる。脳がこの香りを覚えてて戻ってきたのだろう。

何回か蒸し樽に入り、毛穴が開いてから樽に入るとハーブ成分が皮膚吸収される感覚。次はアカスリやってから来て吸収率を高めて存分に吸収したい。

水風呂はない。

6月だとシャワーの冷水も冷たいので問題ない。4脚のととのい椅子で休息。静かな空間で内省も捗る。余分な音がないのが良いんだよなぁ。僕は視覚情報よりも聴覚情報の方が気になってしまうので、不要な音の情報が入ってくるのが不快だ。だが田辺温熱保養所ではそれはない。

ここの施設で1日過ごしたら色々とアイデアが出てきそう。よくアイデアの3Bと言われるが、まさしくBathの効果を感じられる。

田辺温熱保養所のルールとしては樽の中に誰もいない際にはドアを少しだけ開放しておくこと。でないとアツアツ過ぎて次の人が入れない。

3セット9ラウンドを堪能。ちなみに池袋のかるまるの樽も田辺温熱保養所を参考にして作られているそうだ。

ここ、田辺温熱保養所では「文化が醸成されているなぁ」と感じる。利用者の方を他者に配慮されてるし、各々の世界を尊重している。実に日本らしい文化だ。田辺温熱保養所に行くと日本文化も感じる。

お手洗いのスリッパも次の利用者のことを考えてしっかり方向が揃えてられてるし、こういう積み重ねが文化というものを醸成していく。

悪い文化の例だと割窓理論というものがあるが、田辺温熱保養所では良い文化の例である。凄く気品のある施設である。

リンパマッサージも始めたらしく水木以外で事前予約制。外部から先生が来るそうだ。30分、60分コースが基本で各々3,000円、6,000円。施術後は入浴ができないそうなので16:00に帰るとすれば15:00-16:00枠で予約を入れると良い。

30分だと上半身のみの施術なので60分を推奨。人気なので結構先まで埋まってるそうだ。これは次回やってみよう。

もっと自分の身体に投資したいと感じた。身につけるもの(ソフトウェア)にお金を払うよりも、コアとなるハードウェアにお金を使う。(もちろん身につけるものの清潔感は重要)

リンパマッサージであれアカスリであれヘッドスパはもちろん、筋トレ、ランニング、食事など。身につけるものを全て外した際にカッコよくありたい。

お酒も最高の体調で飲んだ方が美味しいのは間違いない。さらに副次効果として自己肯定感や自信が高まり、人生にもプラスの影響が出る。

「たとえ明日、焼け野原になったとしても生活を再構築できるような動物として強くなる」というテーマは常に持っているが、アスリートのように自分の身体にお金と時間を使っていく意識は高めていきたい。

特にボクサーなど身体が洗練された状態は男として憧れるところはある。常にストレッチしてたり体幹トレーニングやジムに行って身体に対してアプローチをしているそんな生活を送ってみたい。

入り口で貴重品を預ける際にスマホもロッカーに入れておく。これが個人的には良き施策で休憩しててついついスマホに手を伸ばしてしまうことを強制的に防げる。没入感を得るにはスマホは切り離したい。

休憩室の世界観は夏休みの実家のよう。畳の部屋で網戸で扇風機、簾で素敵だ。静かな空間。この世界観は他の施設では作れない。扇風機の風に吹かれながら天井を見つめている時間は至高の時間だ。休憩室を更に快適にできるように短パンとTシャツは持って行った方が良い。

スパメッツァおおたかの森など機能性の高い施設はごまんとあるが、しきじや田辺温熱保養所など歴史も絡み唯一無二の施設に魅力を感じる。

スパメッツァは複製可能だが、しきじや田辺温熱保養所は複製できない。(もちろんスパメッツァも好き)

世界観と言えば、夏休みのお祭りの世界観も大好き。様式美や機能美のような美しさを感じるし真っ暗闇に暖色系の照明の空間がワクワクくする。

休憩室でウトウトしているときもアイデアが出てくる。3BのBedである。アクセスはそんなに良くないので移動時間のBusも含めてアイデアが生まれやすい状態にしてくれる。

何か行き詰まった際には田辺温熱保養所に行ってみることで3Bを作ることができる。飛騨高山ウルトラマラソンも3年連続完走して他の大会にエントリしようかなぁとも思ってたが、田辺温熱保養所に来たいので4年連続参加もありかなぁ。

追伸、翌朝は凄く快適に起きれた。睡眠の質が高まった証である。

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