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三田の商店街に広がるPARADICE

三田の商店街にあるサウナ、PARADICEに行ってきた感想回。

結論、凄く良いサウナでまた利用したいと感じた。古くなった銭湯を買ってリノベして作るとしたらこういうサウナがいいなぁとインスピレーションを与えてくれた。

特徴的なのが料金設定が「従量課金」であること。最初の30分が750円でそれ以降10分ごとに+250円が加算されていくシステム。これが回転率を高める施策にもなっており、祝日昼間なのに空いていた。

一般的には「時間制限」や「サウナと水風呂の温度、外気浴スペースの数」のUIで回転率を調整するが、ここでは料金システムを施策としている。

この料金設定から、銭湯サウナの顔をしたハイスペックサウナという顔が読み取れる。

PARADICEは昔からの銭湯をリノベした錦糸町の黄金湯系サウナだ。リノベ費用はクラウドファンディングで募り、2022年にリニューアルオープン。

忘れていたがPARADICEmサウナシュラン2022に選ばれていたんだ。

実は僕は2020年12月までここから徒歩5分圏内に住んでいた。この時にPARADICEがあれば毎日通っていたことだろう。惜しい!

個室サウナもあり、友人とのコミュニケーションのプラットフォームとして使えるのも良い。このように1人で楽しむ以外の複数人で楽しむ機能もあると強い。

緑もあるし、木の温もりもあるし外観からは想像できない素敵な空間が広がる。この外観と中の世界の"ギャップ"が伸び率になるので凄く感動値が大きくなる。

何を見せるかのその絶対値よりもどう見せるかで相対値を大きくする設計になっている。

サウナはテレビがない静寂な空間。サウナストーブからの音しか聞こえない。結構ハイスペックなサウナストーブだ。

余談だが、ある程度高価格帯でサウナを運営していく際にやってはならないのが「テレビの設置」だと考える。

お金に余裕のある人は「無」に価値を感じる属性である可能性が高くテレビがノイズになるからだ。思考を不要な情報で埋めたくないのだ。むしろ普段からのインプットの情報を整理するために活用する。

まぁPARADICEでは個室サウナもあるので、そういった人たちは個室サウナを利用するだろうが。

僕がサウナを経営することになったら、ある程度単価が必要であるのでテレビは絶対に置かない。

PARADICEではセルフロウリュもできる。天井の設計が素晴らしく、ロウリュが滞在するポイントが最上段になっている。ここら辺の気配りも、わかってるなぁと感心。

天井が最上段のところだけ更に深くなっており、ここにロウリュが流れる設計になっている。試しにロウリュしてみて最上段に座ったらめちゃくちゃ熱かった。

熱々の中、今度は水風呂。水風呂は3つあり、全てがしっかり冷えている。強力なチラーを入れてお金もかかっているはず。深さもしっかりあり素晴らしい。水風呂の1つは上部から掛け流しがあるので、頭頂部にかけると最高に気持ちいい。

水温はけっこう低いので、回転率が高い。僕は3セットとも1人で水風呂に入れた。サウナ室の温度、水風呂の水温、料金制度など回転率が高まる設計がされている。

2階は内気浴スペース。階段を上がってととのいスペースがある。扇風機はあるものの、もう少し風流設計をしてもらいたい。UXが上がるだけでなく、回転率も上がるのではないか。

もしくは気持ちよくなってしまったが故、利用者が留まってしまい、回転率が落ちたからやめたのか。

壁が白でスクリーンで広告を投影できる形は素晴らしい。スポンサーを募れるし、アートとのコラボもしてたりでここら辺はサウナをチャネルとしてしっかり活用しているなぁという印象を受けた。

無音なので、意識に介在され過ぎず邪魔にならない。壁を有効活用するアイデアは素晴らしい。

改善してもらいたいポイントとしては、サウナにマットを敷いてもらいたいなぁという点。または畳の個人マットの材質を変えてもらいたい。畳だと汗がダラダラと下に落ちるだけ。

サウナにマットを敷かないと汗が木に染み込み、入った瞬間に汗の臭いが鼻にツーンとくる感覚もある。板の劣化も早まるのではないか。

慣れてしまえばそんなに気になるレベルではないが、ファーストインプレッションは大事。サウナはマットを敷く。

あとはタオルはデフォルトで付いてくるが、、アメニティは特にないので化粧水とかは持ってく必要あり。

1時間利用して1,500円。ポイントカード制度があり2回目でドリンクサービス。それだけ2回目のキャズムを越えるのが大変なのだろう。ポイントカードの期限は最終利用日から1年間。

利用時に会員登録とLINEの友達申請が必要なので、ここも個人情報の取得をマーケティングに活かそうとしている。クラファンで支援金を募っただけあって、運営者側はここら辺のビジネス感覚もあるのだろう。

すごい安直な考えだが、地方の古いサウナを買い取ってのリノベサウナは凄く魅力的。もちろん難しさもあるだろうが選択肢の1つに入れておく。

施設を出れば、そこには居酒屋や飲食店が立ち並ぶエリアだ。例えば、友人が「今度東京に行くからサウナ一緒に行こう!」となったときにPARADICEは"サウナ接待"にもってこいだ。

こんな商店街の中に広がる空間のギャップでインプレッションも与えられるだろうし、サクッと入れるし、その後の飲み屋も困らない。点でなく線でエスコートをコーディネートできる。

トータルでの体験価値を高めるサウナコミュニケーションの場としてPARADICEは今後も活用させてもらいたい。

▼DARADICEからの気づき
1.従量課金システムで回転率を上げる
2.サウナにはマットを敷く
3.壁はスポンサー広告エリアに
4.ポイントカードは2回目でインセンティブ
5.利用段階での会員登録とLINE友達申請
6.セルフロウリュの際の最上段の天井設計
7.個室サウナでコミュニケーションにも使ってもらう

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