ジートピアのウィスキングの体験価値
船橋のジートピアでウィスキングの感想回。やっばり非常に"体験価値"の高いサービスだと感じた。顧客のエンゲージメントを高めてファン化する打ち手だ。
2022年6月に続いて人生2回目のウィスキング体験。初回もジートピアであった。
前回はNoteを始める前にだったので、その体験を言語化していなかった。"あの感覚"を自分の言葉で言語化しておきたく再体験をしてきた。
ウィスキングとはヴィヒタ(白樺の葉)で身体をポンポン叩くリラクゼーション方法の1つだ。発祥はフィンランドではなくロシアらしい。
本題に入る前に、アイコンの獲得について。ウィスキング=ジートピアという「◯◯と言えば、◯◯!」というイメージが既にできている。
「これから流行りそうだけど、まだよく分からない異質なもの」に対してフットワークの軽さ。限られたアイコンとなる椅子を獲りにいく姿勢は見習いたい。
「つけ麺と言えば、大勝軒!」のようにその分野のアイコンを獲得できると、つけ麺が流行れば流行るほど"元祖"に食べに行く人が増える現象が起こる。
つまりウィスキングが市民権を得たときに「ウィスキングと言えば、ジートピア!」となり広告の自走化の状態になる可能性が考えられる。
ウィスキングを予約する観点で考えたのが「質に紐づくサービスなのか、量に紐づくサービスなのか」ということ。
料金を見ると15分の施術で6,600円とあるので、僕の感覚だと安くはない。つまり、僕の中ではウィスキングは質に紐づくサービスに分類される。
質に紐づくサービスは量に依存していない。量に依存せずに高く買ってもらうスキルを身につけることは今後必須だと思っているので、そのサービス時間でその価格が付けられる理由を探りたかった。
その価格が付けられる理由があるから成立している訳で、その解像度を高めておき、自分がサービス提供側になった際には転用していきたい。
こういう目的(問い)を持った上でインプットすると、使ったお金が消費から生き金に変わる。
お金は支出額のみで高い安いは判断できない。使い方に高い安いがあるだけで、自分のアクション次第で高い使い方にも安い使い方にもなる。
いまもアウトプットとして言語化しているので、こういう積み重ねがROIを高くしていく。つまり、使った金額自体は変わらないが、使ったお金がどんどん安くなっていく。
「単にウィスキングを受けてきた」で自己完結で終わらせるのではなく、アウトプットのコンテンツに使ったり、友人との会話のネタに積極的に使っていくこと。そうするとこの6,600円がめちゃくちゃ安いお金の使い方になっていく。
ウィスキングの話に入る前にジートピアのサウナの話から。ジートピアは高温サウナと低温サウナの2つのサウナがある。
まず、高温サウナなめちゃくちゃ熱い。どれくらい熱いかと言うと、他の施設の3段目がジートピアの1段目くらいの感覚。文字通り暑さが2段階違う。最上段の3段目はめちゃくちゃ熱いので、5-6分くらいでも十分だ。
僕はサウナを楽しみたいので、3段目から2段目に引っ越し、やがて1段目に落ち着いて堪能した。
一方、低温サウナはおそらく80℃くらい。セルフロウリュができるシステム。
いいなと思った点が、セルフロウリュを1杯したら砂時計を回すルール。サウナストーンを乾燥させるインターバルが可視化されるので、連続ロウリュにより部屋の温度が著しく下がることがない。
張り紙には「ストーブの故障や漏電の危険を減らす」とあったので、そういう対策としてのことだろうが。
都内のセルフロウリュでは温度が下がりすぎてUXがめちゃくちゃ毀損されるケースが多いのでわわこの設計は凄く良いアイデア。手軽だし、色んな施設に導入してもらいたい。
水風呂は確か地下水を汲み上げているのかな。温度は17度くらいはありそうだ。非常にマイルドな感覚があり心地よい水質。
外気浴スペースにはととのい椅子が6脚。スクリーンには森の映像が流されて小鳥のさえずりが聞こえる。こういう制限の中での表現の仕方からもサウナが好きな人がやっている施設であることが見えてくる。
ウィスキングは15:00に予約している。5分前には低温サウナ室前に来てねというルール。
サウナを堪能していたところ、低温サウナのドアに「14:40-15:25まで貸切」の札が貼られている。もしかしたらこれは僕の予約の回のため?
ワクワクしながら身体を冷ましておき、5分前に低温サウナの前に。
本日の担当は日置さんという方。日置さんに案内され、低温サウナ室に入ると既に"空間"ができていた。ヴィヒタの香りに溢れた贅沢な空間。
14:40-貸切にした理由が分かった。この環境を作るために準備してくださっていたのだ。
ウィスキングはうつ伏せから始まる。身体をヴィヒタでポンポン叩かれる。リズミカルに勢いよく叩いてくれる。結構強めで、痛気持ちいい。ポンポンというパシパシという表現が適切か。
水分補給後に、今度は仰向けになり、再度ヴィヒタで叩かれる。そして極め付けは氷水。頭からゆっくり氷水をかけられる。
頭から身体に向かい、股間部分にもかけられる。そして足のつま先まで。もう恥とか関係なくこれは気持ちいい。
再度頭に戻り氷水2周目。ここで脳がトリップしてきた。これが合法であるのが分からない。
この氷水によるアイシングは貸切のテントサウナとかでもやってみたいと感じた。これはハマる。間違いなくハマる。
サウナ室内には15分くらいはいたのかな。十分に身体が温まって、再度水分補給後してウィスキングは終わり。濃厚な15分間であった。
サウナ室から出ると水風呂へ。水風呂に入る前に日置さんがお湯で汗を流してくれる。
日置さんに補助してもらいつつ、水風呂で浮遊。身を任せた。360度旋回するのでどちらの方向にいるのか分からない。もうこの時点でトリップしていた。
股間が水面から表出しているが、そんなのどうでも良い。それほど不思議な感覚を堪能したかった。この浮遊感はやってみないと絶対に分からない。
ジートピアの水風呂は銅像から噴水みたいに水が出ているが、その水がオデコに適度にかかるようにボディコントロールしてくれている。水風呂から上がると、頭を前に傾けてくださいとのこと。
ここから始まった。
お湯→氷水→お湯→氷水→お湯→氷水→お湯→氷水の無限ループだ。
これもヤバい。どんどん稚拙な表現になってくるほど自律神経のスイッチングが追いついていなかった。
その後は仕上げにインフィニティチェアで内気浴。
タオルで全身を包んでもらい、風を仰いでもらう。既にトリップしていたので、何で仰いでもらっていたのかは分からないが、ヴィヒタがお腹の上に乗っているので凄く良い香り。
空気を鼻から吸って口から吐いてくださいとのことでこれを10分くらい繰り返した。ふわとした時間が流れる。
「ここは天国か!?いや船橋だ」という危ない自問自答を繰り返していると、日置さんがトントンと起こしてくださりサービス終了。
時計を見ると15:40だ。
目の前の不感温泉に入り、エンドロールを楽しむかのように余韻に浸る。これがまた気持ちいい。
前述のようにウィスキングはロシア発祥らしい。ジートピアの支配人がやってみよう!となって2020年の10月から始まったそうだ。
日置さんは2021年の元旦にコロナで親戚の集まりがなくなり、たまたま寄ったジートピアでウィスキングを受けて衝撃を受けたとのこと。
その日にウィスキング担当に応募して採用されたそうだ。凄いフットワーク。つまり成り行きから現在に至るとこのこと。
日置さんのウィスキングは結構強めに叩くスタイル。ウィスキングには型があるらしいが、100-150回くらいやってると「もっとこうした方がいいんじゃね?」というのが見えてくるらしい。そして各施術者がアレンジを加えていく。常にアップデートをしているそう。
余談だが、日置さんが神奈川だとスパリブール横浜というところが穴場と言っていた。これは引き出しにストックしておこう。
不感温泉から出たところ、16:00からの予約のために日置さんが丁寧に準備をされているのを見た。
僕の回もこのように準備をしてくださっていたのかと思うと感謝である。
日置さんは気さくで話しやすいし、 ジートピアはスタッフの方たちも気さく。飲食エリアではではおじさんとスタッフの方が友達のように楽しく会話している。マッサージのスタッフも笑顔で話しかけてくれる。
サウナ施設も他の業界と同じように機能がどんぐりの背くらべになっている。差別化を図るにはやっぱり「人」なんだなぁと感じた。
ウィスキングを受けた中で、ウィスキングは施設の導入のハードルの高さも感じた。ウィスキングは1つのサ室を貸切にしなければならないし、ヴィヒタで身体を叩くので葉っぱが飛び散るため掃除にも手間がかかる。
また、ヴィヒタは消耗品なので定期的に交換しなければならずランニングコストがかかる。
15分6,600円の価格設定も納得できる気がした。実際には内気浴まで含めると、40分くらい体験時間があるので決して高くない。
施設側のしては利益としてはそんなに大きくはない。集客装置にしたり、ファン化をする上での打ち手としての目的・役割が強そう。
だけどウィスキングって大きな可能性を秘めていて、アウフグースとの二大巨頭になることもあり得る。
ただアウフグースの方が一度に対応できるお客さんの数が多い(1:N)ので、施設側からするとコスパが高い。
だけど、利用者側からするとウィスキングは1:1のため体験価値がめちゃくちゃ高い。つまりエンゲージメントが高まり、ファン化しやすい。
施設だけでなく施術者のファンにもなる。「自分のために時間をかけて準備してくれて、しかも1:1で時間を使ってもらえる」という感覚が発生する。(もしかしたら1:1のアウフグースはエンゲージメントを高める上で有効かもしれない)
多くの人が知らないだけで普及させていけばウィスキングとアウフグースのヒエラルキーが逆転することもあるかも。
まだまだウィスキングはイノベーター〜アーリーアダプター層にいるので、キャズムを越えるのに時間はかかると思われるが、新潮流であることは間違いない。
サ室を複数用意しなければならないなど導入のハードルは低くはないウィスキングだが、僕がサウナを経営することになったら体験価値の観点でウィスキングは取り入れたい。
体験価値の設計で具体に落とし込んで行った場合、ウィスキング有効な打ち手だ。ファンを作る場合はかなり効果が高いと思われる。顧客をファン化していかないと広告コストが発生し続けるので苦しくなる。顧客のファン化はどの分野においても至上命題だ。
あと今回感じたのはウィスキングは「ギフト需要」があるということ。この感覚をサウナが好きな友人に体験してもらいたい。
自分の大事な人に、よりサウナを好きになってもらいたい、魅力を知ってもらいたい。そんな想いを持ったサウナーは絶対に多い。
誕生日ギフトとかにウィスキングを贈れるサービスがあれば利用したいものだ。つまり1:Nでの販売ができ、かつ1:1の施術でファン化していくので、どんどんファンが大きくなっていく可能性がある。ここをやっていないのは機会損失かもしれない。
王様コースなどもあるので、どんなサービスなのか今後試してみたい。王様コース×ウィスキングのギフトがあれば最高だなぁ。友人の誕生日にギフトしたい。オンラインのeGiftなどがあれば今すぐにでも利用したい。
ジートピアはテントサウナを導入したり、そこでウィスキング体験ができたりと、本当に頑張っていることが伝わってくる施設である。
サ飯にも力を入れられているようだし、千葉に宿泊する必要がある際には ジートピアに宿泊したい。(ウィスキングによる体験価値により、すでにファンになった!?)
ウィスキングの可能性についての備忘録。
1. 顧客のファン化の打ち手
2. ギフト需要がある
副交感神経に針が触れているので、フワフワしている。翌朝も普段は8時間寝ているのに6時間でスッキリ目が覚めた。やはり副交感神経優位で睡眠の質も高まるらしい。翌日も効能があるので、コスパが高い。
最強の自律神経のチューニングだ。病みそうになったらジートピアでウィスキング受ける。それほど効果があると実感した。ジートピアのウィスキングで自律神経のスイッチングの気持ち良さ、体験価値をお試しあれ。
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