見出し画像

一条ゆかり先生のグルメ。

部屋の片付けをしていたら一条先生のマンガエッセイが出てきた。

うっわー…と喜びに胸がふくらんだ。
私は小学生のときから先生の大ファンだ。
「りぼん」は乙女、ザ・少女マンガ!という絵柄の多い中で一条先生の漫画は大人色の強い絵柄で初めて見たときは敬遠して読まなかった。…読めなかった。が、たまたま何か気が向いて読んでみて、世界観や子供だましなご都合パヤパヤラブストーリーではない内容にたちまち引き込まれた。とにかくすごく面白かった。ヨウ変天目茶碗なんて有閑倶楽部が無かったら知らなかったよ。笑
あのマンガから得た知識は多い。

特に先生のグルメ話は小学生の私にはとても憧れるもので、

マキシムのナポレオンパイ

は一条先生のファンならすぐ分かっていただけることと思う(笑)小学生ながらにどうしても食べてみたくて用事で東京駅に親と行ったとき、せがんで当時大丸に入っていたマキシムでナポレオンパイを食べさせてもらった!

田舎の小学生は多彩なデザートがワゴンで運ばれてきたことに本当に驚いた。どれがよろしいですか?と聞かれて、ナポレオンパイを切り分けてサーブされたことにものすごく興奮したことを思い出す。今でこそパイ生地なんて珍しくもないが当時パイの実でもなくホームパイでもなく源氏パイでもない、ましてやパイ生地の生菓子なんて不二家でも売ってなかった。(売ってた?)うちのおやつは洋菓子ってあんまりなくて、雪の宿とかソフトサラダ?みたいなのばかりだったこともあるかもしれない。

アーモンドスライスのついた側面、バニラビーンズのたくさん入ったカスタードクリーム…パイ生地のサクサク感!夢のような美味しさだった。今でもパイ生地であのサクサクを越えるようなものにはなかなか巡り合えない。

大人になってからは今度は銀座のマキシムで再びナポレオンパイを食べに行きました、それもいい思い出です。
トイレに生花の大きな花束が活けてあって、下は絨毯だし(トイレなのに)さすが高級店は違う!!と思ったら、その後閉店(笑)

もう二度と食べられない…と思ったけど、今はGINZA SIXでナポレオンパイ食べられるらしいです。しかしモノが少し違うという噂…どうなんでしょう?

私のグルメマンガ?のカリスマは今も昔も一条ゆかり先生なんだなぁとエッセイを読みながら思った。今でこそグルメマンガはたくさんあるし、美味しそうと思う作品も勿論あるが、あのときのような出てくるものすべて味の想像もつかない憧れのようなものは今はないなぁ。

このエッセイを再び読み返して思うのは、先生は時代が早かったのだなぁと思います。韓国ブームなんて影も形もない頃に韓国料理の話されてますし、この料理はここがうまい!と店名を入れていらっしゃる漫画家さんなんて見たことなかった。むしろ、自立した大人の食べ物の世界を見せてくれたのが一条先生だった。

新作楽しみにしていたので、Wikipediaで調べてみたら先生のお年が…!衝撃でした。以前から手の具合などもよろしくないことを言ってらしたなぁというのも思いだし、新作もう出されないのかな?…少し寂しいです。

私の長い文章をここまで読んでくれてありがとうございます。何か感じていただけるものがあったら嬉しいです。それがプラスのことならもっと嬉しい!