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#2 豚、春をまどろむ
春の夜明けの眠りと美
昨日砂漠の旅に参加したばかりの豚こと私は、よく眠る。
こと、この季節は、よくよく眠る。
3月に入り、いよいよ春がやってきている。
4月が出会いの春だとすれば、3月は別れの春なのだろうか。
春の気配はまだ花粉でしか感じ取れていない私であるが、
どうしてか、春は眠気をさそう。
春眠暁を覚えずと昔の人は言ったようだが、
あたたかくなりゆくこの季節にうつらうつら夢の旅にでるのもまた
楽しい。
朝方のまだ肌寒い時間に、ゆるくあたたまった布団に潜り込むあの瞬間のために毎日があるとさえ思えるような、そんな季節がやってきているのである。
春の眠りは夜明け知らずであるが、
春は夜明けが美しいともいわれている。
人々が眠る中でも目を覚まし外の世界へと進むものが、
その美しい世界を手にするのかもしれない。
3月、出会いの前準備なのか、別れの季節に
私が参加している「クリキャラ」が始まった。
http://creatorscaravan.com/
寝てばかりの豚が夢見るには、どうもたいそれた場所のように思えるが
誰かがどこかで息づいている感覚を味わえるという意味では
もってこいの企画とも思える。
1か月という限られた期間だからなのか、
それとも彼らの性質がそうさせるのか
クリエイターと呼ばれる人々は
まるでまどろみを知らないかのように
オアシスに向けて砂漠を颯爽と歩いている。
旅の道は標された。
オアシスに辿り着くものは果たして現れるのか、
それとももう既にここはオアシスなのだろうか。
まだ春の眠りを味わいたい名残惜しさを感じつつも、
うつくしい春のあけぼのを見るために
私は今日もラクダに乗る。
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