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【チャレンジカップ優勝】黄紫ハイブリ・デッキ解説

〇はじめに

どうも、一休さんです。
 今回は、11月から始まったデジモンカードのチャレンジカップなる大会に参加して優勝し、プロモのウォーグレイモンを入手することができたので、その時に使用していた黄紫ハイブリデッキについて解説をしていきたいと思います。黄紫ハイブリは難しいデッキに見られがちですが、使って慣れてくると意外と難しくなく、また安定した立ち回りができる良いデッキです。11/26には第8弾のニューヒーローが発売となり、また新たな環境が始まってしまいますが、それまでにもチャレンジカップは多数開催されますので、優勝してプロモを入手したい方はぜひ参考にしていただければ嬉しいです。

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〇自己紹介

 カードゲーム好きの修行僧です。カードゲーム歴は20年程度で、プレイしてきたタイトルは遊戯王、デュエマ、ヴァイスシュヴァルツ、MTG、ハースストーン、シャドウバース、レジェンドオブルーンテラなど紙・デジタル問わず幅広いです。
 デジモンカードでは、非公式の大型大会であるぐぅデジ杯の個人部門での優勝や、特殊なデッキ構築制限で行った紫覇王決定戦での優勝の実績があります。それぞれ、使用したデッキや環境分析や思考などを記事にまとめて無料で公開しているので、今回の記事の購入を迷っている方は参考にしていただければと思います。

ぐぅデジ杯個人:ジエスモンデッキメモ

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紫覇王決定戦 環境考察・デッキ決め

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〇現在の対戦環境分析とデッキ選択理由

 一言でいえば、現在の7.5弾環境は群雄割拠環境でしょうか。7弾環境でTier1だった青ハイブリや黄紫ハイブリ、それらに有利とされている(人狼)リリスズワルト、順当進化の希望であるジエスモン、新規構築済みデッキから台頭した青緑ジョグレスやマスティとぱっと思い付くだけでもたくさんのデッキがトーナメント志向で使用できるデッキとなっています。
 そのため、今環境では各デッキの相性を整理した上で、立ち位置が有利なデッキを選択することが求められます。また、デッキの分布を予測し、数が多そうなデッキに対しては厚めに見れるようにデッキの採用カードを微調整するといったデッキチューニングも勝利のためのカギとなります。
 今回は、デッキの立ち位置が有利だと考え、黄紫ハイブリを使用することとしました。各デッキ対面の有利不利の度合いについては、プレイにおける立ち回りなどと併せて後述しますが、立ち位置が有利なだけでなく、単純なデッキパワーも高いため、想定外のデッキに対しても安定して戦うことができるのもこのデッキの強みとなります。

〇デッキレシピと採用カード解説

以下がデッキレシピです。

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採用カードについて、それぞれ分類分けして説明していきます。また、併せて不採用としたカードについても一部触れていきます。

・基本カード(32枚)
フェアリモン4枚
シューツモン4枚
ジェットシルフィーモン4枚
高石タケル4枚
高石タケル&八神ヒカリ4枚
織本泉4枚
リインフォース・メモリーブースト4枚
シュバルツ・レールザッツ4枚

このデッキのコンセプトとなり、中核となるようなカード群です。リストによってはカード枚数を減らしているものもありますが、個人的には4枚ずつではないかと思っています。減らされるカードとしては、フェアリモン、高石タケル、リインフォース・メモリーブースト、シュバルツ・レールザッツあたりでしょうか。それぞれ減らせないと考えた理由は以下となります。

・フェアリモン
 リーサル時に複数枚必要となったり、戦術的後退を採用している都合でジェットシルフィーモンへ繋げる回数を増やすことができるため。

・高石タケル
 ゲーム序盤に使用できるカードが少ないこのデッキでの初動となることができ、かつセキュリティの中から次の行動となるカードを持ってくることができるカードであるため。

・リインフォース・メモリーブースト
 ディレイで3メモリーを回復でき、実質3コストでリカバリーと1枚ドローを行うことができるという高いカードパワーがあるため。また、このデッキは初動が少ないが黄色のカードが場に出た後の2手目のカードとして、序盤に発動をしやすいカードであるため。

・シュバルツ・レールザッツ
 セキュリティから捲れた際に、このカード1枚でゲームの勝敗を分けるほどの影響力を持つくらいのパワーカードであるため。また、セキュリティからでなくても、状況によっては1枚で戦況を大きく変えることができるため。

・自由枠(18枚)
ガジモン3枚
ボコモン2枚
BT1セラフィモン2枚
アヴェンジキッドモン1枚
スサノオモン1枚
改心の波動3枚
戦術的後退3枚
フライバレット3枚

 自由枠についてはある程度採用カードの幅があり、ここの選択によって型が微妙に変わります。今回のレシピはセキュリティの強さを重視した形であり、直近で多く出回っていたスサノオモン、究極合体への融合、相羽タクミを複数枚採用した型と比べると、セキュリティから出て弱いカードを極力抑えてあります。
 スサノオ型ではなくセキュリティ型を使用した意図としては、スサノオ型が黄紫ハイブリとのミラーマッチを意識してデッキを少し歪めてしまった型だと私個人は考えていたからです。というのも、黄紫ハイブリのスサノオ型が実績を残し始めたのは、対戦の時間切れの際に両プレイヤーが敗北扱いとなる非公式の大型大会です。黄紫ハイブリミラーは対戦時間がとても長くなってしまい、時間切れ両敗というレギュレーションでは両敗となってしまうケースが少なくありません。このような背景から、時間切れを防ぎかつ黄紫ミラーを制するために寄せて生まれた構築がスサノオ型だと思慮したため、時間切れの際にセキュリティの数を参照する公式レギュレーションのチャレンジカップでは最適化された型ではないのではないかと考えた結果、セキュリティ型を使用することを決めました。
 セキュリティ型は黄紫ハイブリのミラーマッチへの対策を割り切ることで、その分他のデッキへ幾分か勝率を上げている構築となります。

 採用理由や枚数をそれぞれ説明していきます。

・ガジモン、ボコモン
 どちらもセキュリティから捲れてしまうと弱いカードのため、最低限必須と考えた枚数の採用としています。ガジモンは進化時の1ドローとデジタマのシャオモンの道連れ効果が優秀で、シュバルツ・レールザッツで巻き込むことができないLv5以上のデジモンを道連れで容易に消滅させることができます。4枚採用したかったカードですが、枠の都合3枚へ抑えてあります。
 ボコモンは初動が少ないこのデッキの初動となることができるカードです。高石タケルと織本泉と合わせると計10枚となり、デッキ50枚に対して初期手札で期待値1枚のドローができる数となっています。中盤以降は基本的にはテイマーを進化させる動きと一緒に合わせて登場させることでメモリー+2を確実に発動させ、実質1コストでドローと打点登場を生むカードとして使用しましょう。また、次ターン以降生き残ればメモリーを追加で生むため、相手には除去を押し付けるような形も作ることができます。一方で、青ハイブリ相手だと武之内空&城戸丈が場に出ていると相手にメモリーを与えてしまうため登場させづらく、BT7ベオウルフモンの効果でも簡単に手札へ戻されてしまいますので、採用枚数2枚程度が妥当と考えています。

・BT1セラフィモン
 Lv6枠です。そもそもLv6枠を採用しないという構築もあるようですが、繋げることができればそれなりのリターンを得ることができるため、デッキ事故になりにくい2枚のみの採用としました。
 採用の対抗候補としては、BT2シャイングレイモン、デュナスモン、BT7セラフィモン辺りがあります。BT2シャイングレイモンは除去カードを多めに採用していることもあり、また、有効に使用できる場面を私自身が具体的に想像することができなかったため採用を見送りました。BT1セラフィモンを含めた残りの3枚で比べた際、採用を見送った2枚に対してBT1セラフィモンが採用の決め手となったのはセキュリティアタック+1という攻め性能です。
 正直なところ、リカバリー効果に関しては3枚とも効果の強さがケースバイケースだなあという感触でした。たとえば、デュナスモンは青ハイや青緑ジョグレスには強い効果ですが、ジエスモンには轍剣成敗でリカバリーを発動できずに消滅させられてしまいます。また、BT7セラフィモンはアタックされないことも多く、消滅時効果のリカバリーを発揮できないこともあります。セキュリティ型全体としては、前述したように黄紫ハイブリミラーを割り切っているため、せめてもの攻め手を確保したいという気持ちも相まってこちらの採用となりました。
 実際に使用した感触としても上々で、ほぼ常にセキュリティアタック+1が発動できており、ダメージレースに強く出ることができました。また、高石タケルが場にある状況でターンを貰ってメモリー3でスタートする際、リインフォース・メモリーブーストが場にあれば、フェアリモンorシューツモン進化⇒ジェットシルフィーモン進化⇒BT1セラフィモン進化で6コストのため、そのままセキュリティアタック+1でプレイヤーアタックまで行けます。

・アヴェンジキッドモン
 ライブラリアウト(デッキ負け)対策&除去をするカードです。セキュリティ型の黄紫ハイブリはオプションの採用枚数が多く、ゲーム後半には10枚弱程溜まっているため低コストでの登場が可能です。また、デッキ枚数が0の状態で改心の波動や戦術的後退を固めてデッキに戻した後にリカバリーでセキュリティを増やせば、リカバリー+1のセキュリティ効果を連発することができ、疑似的に1ターンの延命が可能となるといった使い方もできます。

・スサノオモン
 ライブラリアウト対策&除去をするカードその2です。前述のアヴェンジキッドモンと比べ、こちらはセキュリティアタック+2があるため、フィニッシャーとしての使い道もあります。一方、究極合体デジモンへの融合を採用していないセキュリティ型ではコストの踏み倒しができず、7コストをフルに使っての進化となるため、小回りが効きづらいです。一応、デッキにカードを10枚戻す進化条件のみを発動して進化をせずに破棄するというプレイも可能なため、デッキにカードがなくかつメモリーに余裕がない場面では0コストデッキ回復としても使用できるので覚えておくと良いでしょう。
 また、採用枚数についてですが、枠の都合上1枚の採用としています。前述したように、スサノオモンの役割はミラーマッチでの詰めとしての役割が大きいと考えていたので、サポートも抜いておりこの枚数としました。ミラー以外での有効性があまり検証できていなかったので、1枚も入れないことも検討しましたが、変に構築を歪めて失敗するのは怖かったので、消極的ですが1枚は残すこととしました。実際マスティコン相手にライブラリ回復をして相手のライブラリアウトで勝利をすることができた試合があったので、消極的な選択でしたが正しかったように思います。

・改心の波動、戦術的後退
 セキュリティから捲れて強い枠です。改心の波動は手札から使用する場合は、リインフォース・メモリーブーストよりも実質コストが高いので、リインフォース・メモリーブーストがある場合はそちらから使用します。
 戦術的後退の主な使い方は、二つです。相手の場に武之内空&城戸丈がある時に攻撃不可を付与された状態のデジモンを能動的に場から退場させる。採用枚数が少ないジェットシルフィーモンやBT1セラフィモンをセキュリティに戻した後にすぐに高石タケルや織本泉で回収する。こういった細かい動きでアドバンテージ(有利)を形成できるのがこのカードの強みです。
 それぞれ3枚ずつ合計6枚採用していますが、使用場面が選ばれるカードである一方で、セキュリティに埋まると強力な効果を発揮するため、この枚数としました。

・フライバレット
 シュバルツ・レールザッツで処理ができないデジモンに対する除去枠です。この採用枠の対抗カードとしては、ブレス・オブ・ワイバーンとカオス・ディグレイドの2枚があります。まずカオス・ディグレイドですが、ブレス・オブ・ワイバーンと比べた時に今の環境的に対象範囲が広がらないこと、2色という制約を受けてまでおまけのセキュリティの破棄効果を使いたいデッキではないこと、セキュリティ効果が相手のセキュリティを増やしてしまい微妙に使いづらいことなどから候補外となりました。
 次にフライバレットとブレス・オブ・ワイバーンとの比較ですが、使用コストが1安くDP15000を超えるデジモンを除去できるか、Lv7を除去できるかが各カードの差分となります。ここの選択に関しては、どの対面を厚く見るかが決め手のため、どちらを選んでも大きな外れとはならないはずです。
 現在の環境で良く見るLv7デジモンは、オメガモンズワルト、オメガモンズワルトDEFEAT、スサノオモン辺りでしょうか。シャオモンの進化元効果の道連れでの処理も可能なため、前の2枚はそこまで脅威ではないです。スサノオモンのセキュリティ3チェックを止められる可能性のあるのがブレス・オブ・ワイバーンで、これがこのカードの現環境での大きな強みです。一方で、アタック時にDP15000を超えるジエスモンをセキュリティから1枚で消滅させられるメリットがフライバレットにはあります。そのため、スサノオモンかジエスモンのどちらのカードを脅威と見るかが採用の要点となると考えています。私自身はミラーマッチを割り切っていたため、今回は全デッキ相手に使用コストを抑えるというメリットも発揮できるフライバレットを採用することとしました。
 この3枚の枠の中で、ブレス・オブ・ワイバーンを1枚にしてフライバレットを2枚にするなど、散らして採用をするのも選択肢が増えるのでありなのかもしれないと今にして思ったりもしています。

〇ゲームプランと基本プレイング

 このデッキはコントロールデッキのため、基本的にはテイマーを登場させてリカバリーをしつつ、相手のデジモンを適度に除去していきアドバンテージ差を作って勝利をするというようなゲームプランとなります。セキュリティからテイマーやオプションが捲れると実質3~7メモリー程度の効果を発揮する一方で、セキュリティ1枚を最低3コストで生成できるため、リカバリーを繰り返しているだけで大きなアドバンテージが自動的に生まれるのがこのデッキの強さのメカニズムです。
 以下にコラム形式でプレイのコツを記していきます。今回は初歩的な内容も意識的に文章化を試みたいと思って記しますので、上級者の方は当たり前にやっているなと感じる部分もあるかと思いますが、今一度基本を振り返る場としてみていただけると幸いです。まずは対面問わず、全般的に意識している部分からになります。

・序盤のプレイの優先順位
 何度か書いている通り、このデッキは序盤にプレイするカードが少なくほぼほぼプレイの択が絞られてきますが、複数択がある場合やパスを取り得る場面もないわけではありません。複数の択がある場面では、メモリーによるテンポアドバンテージが取れるカード、もしくはプレイの択を広げられるカードをより優先して使用していきます。
 具体的には、高石タケル(1枚目)>>>高石タケル&八神ヒカリ(相手がコントロール寄りのデッキの場合は優先度下げ)>リインフォース・メモリーブースト≧織本泉>ボコモン>>改心の波動のようなイメージです。高石タケルは毎ターンのメモリーを確保しつつ実質1ドローできる強力な初動で、頭一つ抜けています。ただし、2枚目以降はメモリー効果が重複するので優先順位が下がります。高石タケル&八神ヒカリは相手がアグロもしくはミッドレンジデッキの場合、セキュリティアタックを牽制でき、アタックされたとしてもメモリーが確保できて返しに動きやすくなるカードです。ミラーやマスティなどダメージレースが発生しなさそうなデッキ相手の場合は、優先順位が下がります。リインフォース・メモリーブーストは単純にカードパワーが高く、次に使うカードも探しに行けますが、黄色のカードが場に出ている必要があります。織本泉は高石タケルと似たような効果を持っていますが、回収対象が絞られるため少し優先度が下になっています。シュバルツ・レールザッツが手札にある、もしくはセキュリティにあるのが分かっていて有効に使いたい場面では、リインフォース・メモリーブーストより登場を優先していきましょう。ボコモンは基本的にはテイマー進化をするターンに合わせて出したいため、他のカードがない状況で初めて出すように意識しているため、優先度が他よりも低いです。ただ、メモリー効果を使えなかったとしても、十分な仕事はしているので、出す必要がある時は変に他の動きを探そうとせず素直に出してしまっても問題ないです。改心の波動はコストパフォーマンスが低いカードのため、手札から使用するのは他に選択肢がない場合に限ります。
 また、初手にまともにプレイできるカードが来ないことも時折あります。フェアリモンやシューツモンを引いていて、次のターンに進化してドローができる場合や、リインフォース・メモリーブーストを引いていて場に黄色のカードを用意したい場合などはコストを払って素で登場させましょう。

・除去のタイミング
 このデッキにおける除去のタイミングの判断は重要です。まず前提として除去を発動してデジモンを消滅させる前に、バトルでの消滅が可能かどうかを考えましょう。除去はコストがそれなりに高いため、バトルでの消滅を優先させることがアドバンテージの確保のポイントです。次に各除去カードの使い方について、それぞれ解説していきます。
 シュバルツ・レールザッツはこのデッキの唯一の複数除去で、このカードの使用タイミングはゲームの勝敗を分ける大きなポイントとなります。とはいっても判断基準はそこまでシビアなわけではなく、基本的には3体以上を巻き込む形で使用をするのを意識します。複数除去を使用する際の全般的なイメージですが、引き寄せて一網打尽にするというのが上手い使い方かなと私自身は思っていて、セキュリティに余裕があって除去に急を要しない場合は、むやみに使用しないことがコツであると考えています。
 例外として、2体以下しか除去できない場合でも使う場面がありますが、主に3パターンです。1つ目はLv5を巻き込むことができる形の時です。Lv6に繋げられてしまうと往々にして強力な効果を発揮されてしまうので、食い止めましょう。2つ目は相手のリーサルの回避時です。6コストでセキュリティを2枚守る形となるので、むやみにリカバリーするより確実にリーサル回避が狙えます。3つ目はこのカードを複数引いていて他に取れる行動がない時です。2体がLv3の場合にはかなり使いたくない寄りですが、Lv4以上を含んでいれば相手の2体のデジモンに使用したコストと比べても、メモリー的にはパフォーマンスが良いので、テンポが取れていることとなります。
 フライバレットはシュバルツ・レールザッツで除去できないLv6を消滅させることができるカードです。ただ、相応に使用コストがかかるため、相手のLv6の除去の必要は考える必要があります。たとえば、進化元にカードがなく進化時効果を発揮し終わっておりDPが高いだけのデジモンであれば、除去の優先度は低くなるので、他にやりたいことがあるならば、このカードの使用は後回しとなります。また、育成にガジモンがいる場合、シャオモンの進化元効果を満たしていてアタックが通る状況であれば、実質コストが0のガジモンの道連れ相打ちを優先させます。
 アヴェンジキッドモンとスサノオモンはデッキ回復をしたいタイミングで使用することが多いですが、リーサル回避のためにやむを得ない場合はすかさず切っていきましょう。

・テイマー進化のタイミング
 デッキ事故を起こしておらずプレイの選択肢が広い場合には、テイマー進化は条件が揃うまで急いで行う必要はないです。判断の条件は2つだと考えています。
 1つ目は場に進化していいテイマーがあるかです。進化していいテイマーは、2枚目以降の高石タケル、セキュリティの枚数がこちらが多く優位な場面での高石タケル&八神ヒカリ、織本泉で、メモリーに絡まないテイマーです。逆に言うと、高石タケルは1枚、高石タケル&八神ヒカリは効果の発揮が見込める場面では場に残しておきたく、これらのメモリーソースを失ってまで進化を優先する必要はないと考えています。
 2つ目はジェットシルフィーモンまで進化を繋げられることです。Lv4は除去されやすく、枚数を絞っているこのデッキでは貴重なこと、Lv4が除去されるとテイマー含めて5,6コスト分のディスアドバンテージとなってしまうことなどがこの理由です。ジェットシルフィーまで進化してリカバリーをすれば、セキュリティ分のアドバンテージを確保できるので、デジモン自体が除去されることとなってもテンポを大きく損なわずに済みます。
 また、序盤で手札が悪く、進化のラインが揃っていてドローを優先したい場合には、上記の両方を満たさない場合でも進化をやむを得ずしてしまいましょう。相手の低DPのデジモンがレストしている場面も、例外として進化をしてそれにアタックしてよい場面となります。ただし、返しのターンにバトルで負けないことや条件の1つ目は満たしている場合に限ります。

・セキュリティアタックに行くタイミング
 テイマー進化のタイミングとは別の論点として、セキュリティアタックに行くタイミングの判断があります。これはセキュリティをアタックした時に裏目を引くからで、主に2つの観点があります。1つ目がセキュリティから出たカードによって負け筋が生まれることです。4コストテイマーやメモリーブーストなどが捲れると想定より多くのメモリーを相手に与えてしまい、予期せぬ動きをされてしまうことがあります。2つ目が高石タケル&八神ヒカリによるセキュリティアタックの牽制が効きづらくなることです。相手のセキュリティが減っていると、それと同枚数までこちらのセキュリティを減らすことができるようになるため、ワンショットキルによる敗北が起こりやすくなります。上記の裏目を前提として踏まえ、相手のデッキタイプによってセキュリティアタックのタイミングを判断します。
 青ハイブリや青緑ジョグレスのような横並べで展開して徐々にセキュリティを削ってくるデッキに対しては、上記の裏目を引いても問題ないような場面になって初めてセキュリティアタックをしていきます。たとえば、相手の場にも育成にもデジモンがおらずこちらのセキュリティの枚数がある状況であれば、攻めに転じても良いでしょう。
 ジエスモンやリリスズワルトのようなワンショットキルができるコンボデッキに対しては、早めにダメージレースを仕掛けて行きましょう。コンボデッキはコンボが決まるまではこちらに対しての決定力に欠けるため、コンボが決まる前に有利な状況を作りたいです。こちらから積極的に攻めていって相手を追い込んで除去を使わせることで、コンボの完成を遠回しに阻害できます。セキュリティ効果が強いカードもそこまで多くないのも、積極的に攻めたい理由の1つです。
 ミラーやマスティコンのようなリカバリー&除去コントロールに対しては、ライブラリアウトプランを取るかどうかによってそもそもアタックをすべきか否かが変わります。こちらについては後述します。
 蛇足となりますが、ジェットシルフィーモンがセキュリティアタックに行けずに棒立ちとなる場面が多々ありますが、デジモンへのアタックは積極的に行います。これは返しのバトル負けが見えている状況でも同様で、進化でのリカバリーとバトルでの勝利と高DPデジモンのセキュリティアタックを1度受けるという3つで十分な仕事を果たしているためです。BT1セラフィモンが手札にある場合だけは少し悩ましく、次のジェットシルフィーモンが出る算段がない状況では進化を優先させた方が良さそうです。

・育成のガジモンの前出しタイミング
 育成で進化できるのはこのカード1種で計3枚のため、基本的には育成待機で好機を伺うことが多いです。
 前出しタイミングとして一番多いのは、進化元のシャオモンの効果により道連れで強いデジモンを消滅させたい時です。この時、先にガジモンが消滅すると、紫の除去オプションが使えなくなることは注意しましょう。
 次に多いタイミングとしては、ゲームの勝敗の要点となるタイミングです。こちらがリーサルを狙える場面はわかりやすいですが、逆に次のターン相手がメモリーブーストのディレイを使うと手札次第で敗北の可能性があるといった場面では、前に出してメモリーブーストを封印しましょう。
 2枚目以降のガジモンを引いた時も次の育成進化でドローが狙えるため、積極的に前に出して行きたいです。ただ、雑に前出しして置いたままにしておくと、この頃の除去の多い環境では何も仕事をせずに消滅させられてしまいがちなので、セキュリティアタックをするのか道連れ相打ちを取るのかなどを決めてから前出ししましょう。

・高石タケルの回収対象
 地味に選択が難しいのがこの高石タケルでのセキュリティからの回収カードの選択です。他の手札やセキュリティのカード、相手のデッキ系統やゲーム展開のスピードなどによって選択が変わってきます。明確な優先順位は付けることができないので、分類分けして取るタイミングと取らないタイミングについて触れていきます。
 まず回収することが最も多いのが黄色のデジモンカードです。セキュリティ効果がなく手札から使用する前提のカードのため、迷ったらここを取りに行けば酷いことにはなりません。複数の選択の余地がある場合には、手札の進化ラインで足りていないカードを優先しましょう。逆に黄色のデジモンカードを取りに行かないタイミングは、高石タケルか織本泉が回収できる場合でかつゲーム展開が遅い場合です。これらを回収して登場すれば次に黄色のデジモンカードも回収ができます。
 意識して回収をする必要があるのは、アヴェンジキッドモンとスサノオモンです。これを行うのは相手がミラーやマスティコンのようなデッキで、ロングゲームを見越せる場合に限ります。デッキ回復の手段がこの2枚しかない一方で、セキュリティ1枚の差が重要とならないため、埋まってしまったら早めに回収します。
 リインフォース・メモリーブーストはセキュリティ効果も優秀ですが、手札から使用しても優秀なカードであるため、他に手札に加えられるカードがない場合には選択しても良いカードとなります。
 逆に積極的に取ることがないのは、セキュリティ効果の強いオプションカードです。具体的には、改心の波動、戦術的後退、シュバルツ・レールザッツ、フライバレットの4種です

〇各デッキに対する相性と立ち回り

 相性については、今環境はデッキタイプが多く検証し切れていない部分もあるというのが正直なところで、私自身が対戦してきた感覚を書いています。そのため、間違っている可能性もあるので、参考程度に留めていただければと思います。また、対戦相手のデッキタイプによって微妙にプレイの優先順位が変わったりしてきますが、何も触れていないものについては前述した基本プレイに沿う形となります。

・赤ハイブリ(有利6:4)
 相手の動きの速さとこちらのセキュリティから出るカードの強さによりますが、基本的には有利対面のイメージです。このデッキも揃ったら強い系統であり、セキュリティ効果で強いカードもほとんどないので、相手の盤面が弱い時にはすかさず攻めに転じましょう。最速エンシェントグレイモンでの削り切りはどのデッキでも厳しいので、されてしまったら運が悪かったと割り切るしかありません。

・ジエスモン(不利ワンショットキル型4:6、有利セキュリティ型6:4)
 ジエスモンはST1グレイモンやBT1八神太一を多く入れたワンショットキル型と、オプションやST7ジオグレイモンを多く入れたセキュリティ型に主に分かれますが、ワンショットキル型の方が少し厳しいです。セキュリティアタックがプラスされ、進化元にセイバーハックを持つ完全ジエスモンに緻密な戦術を使われると、止まることなくセキュリティを貫かれてしまいます。ジエスモン側も必要なパーツが多いため、準備をしている間に早めにダメージレースで優位を作りましょう。

・青ハイブリ(有利6:4)、青絆(有利6:4)
 おおよそ基本プレイング通りで良いですが、デジモンを出す優先順位がかなり落ちます。盤面にデジモンを出してしまうと進化元を剥がされた上でブリザーモンや氷見友樹でフリーズされ、武之内空&城戸丈のメモリー効果の種とされて続けてしまうためです。
 場にデジモンを残さないためには、バトルで勝てる場面でもあえて相打ちを狙うといったプレイングも有効になるので、選択肢として覚えておきましょう。状況によりますが、武之内空&城戸丈や氷見友樹が相手の場に並んでいる状況では相打ちを取る方が良さそうです。
 戦術的後退はフリーズしたデジモンを能動的に退場させることができるカードです。一度フリーズしてしまうと次ターン以降もフリーズさせられ続けてしまうことも少なくないため、武之内空&城戸丈が相手の場に出ている場合は、早目に退場をさせましょう。
 青絆対面は、青ハイに対するプレイのコツに加えて、相手のセキュリティを2枚にまで減らしておくことを意識すると、ガブモン友情の絆への進化を牽制できるので、残り3枚くらいの中途半端な枚数の時は2枚まで減らすと良いでしょう。

・青緑ジョグレス(有利7:3)
 シュバルツ・レールザッツがかなり刺さるデッキのため、有利対面となります。この対面に関しては語ることがあまりないですが、黄紫ハイブリをセキュリティ型としていることでより一層の有利を付けられています。構築済みデッキと安価なカードのみで組みやすいデッキで大会全体での母数も多いため、当たりやすい相手なのも追い風だと感じます。

・緑ハイブリ(有利6:4)
 青緑ジョグレスと同様にシュバルツ・レールザッツが有効な対面となりますが、こちらはサーチカードが多く入っている分、ゲームが長引くことが多いです。ゲームが長引くとミスが発生しうる機会も増えますが、基本的には有利対面だと思うので、基本プレイに忠実に落ち着いて戦っていきましょう。

・マスティコン(五分5:5 ~ 不利4:6)
 直近で発売された構築済みデッキで青緑ジョグレスよりも構築の幅が広いため、まだ強い型は模索されているような印象を受けますが、今回は私自身が対戦した強いと思った型を想定します。特徴的な採用カードとしては、ルーチェモンFDM、BT1ホーリーエンジェモン、リインフォース・メモリーブースト、高石タケル&八神ヒカリ辺りでしょうか、少し黄紫ハイブリと似たようなカードも見受けられました。
 ゲーム全体の概観として、一度マスティコン側のジョグレスが決まってしまうとルーチェモンFDMでテイマーを消滅させられてシュバルツ・レールザッツでの除去がしづらくなります。また、高石タケル&八神ヒカリが登場した場合、相手にメモリーを与えたくないためこちら側はなかなか攻めに転じる機会がなくなってしまうようなゲーム展開となります。そのため、ゲーム序盤はなるべくマスティモンのジョグレス進化に繋がるようなデジモンは除去をするように意識し、相手のセキュリティの枚数も減らさないようにします。
 マスティコンはデッキ特性上揃えなければいけないカードが多く入っており、その分ドローカードも豊富に採用しています。そのため、防戦一方であったとしても、きっちりと相手の攻め手を減らすように立ち回っていけばライブラリアウトによる勝利が可能です。
 ゲーム中盤で相手がジョグレスを決めて盤面的に押されている場合にはライブラリアウトのプランを、相手が事故っていてあまり強い動きをして来ずこちらの盤面にテイマーが複数並べられているような状況ではセキュリティアタックに移ってダメージレースプランを考えてプレイしていきましょう。ライブラリアウトのプランに舵を切った場合は、セキュリティアタックの必要が全くなくなります。不用意にチャンスを生むカードを引かないためにも、セキュリティアタックは控えましょう。

・黄紫ハイブリミラー(五分5:5)
 ミラーマッチは他のどのマッチと比べても特殊で、この対面だけはどのデッキ相手とも取るプランが異なります。
 まず前提として、お互いにセキュリティの回復ができるカードが多く入っている一方で攻めのカードは最小限になっているため、対戦時間の25分内にゲームを終えることがかなり難しく、時間切れになることが多いマッチであることを押さえたいです。余談とはなりますが、以前に時間切れ両敗の非公式の大型大会に出た際に発生した黄紫ハイブリのミラーでは、お互いがスサノオ型でミラーの決定力を上げていてかつ、ほぼ思考時間を放棄するような高速プレイでゲームをしたのにも関わらず、決着は25分になるぎりぎりの間際となるようなゲームとなりました。今回の型はスサノオ型から決定力を抜いてリカバリーできるカードを増やしているため、さらにゲームが遅くなります。また、当たる対戦相手の方のプレイが早いとは限りません。そのため、常に時間切れでの決着は意識する必要があります。
 時間切れの際の公式のフロアルールでの勝利条件は、セキュリティの枚数が多い方(同数か、お互い5枚以上の場合は次へ。)、デッキの残り枚数、バトルエリアのデジモンの体数(以下略)というような内容です。上位の2つを意識し、枚数での優位を築くプレイングを行っていきます。上記を踏まえた上で具体的なプレイに触れていきます。
 まず先ほど後回しにしていたセキュリティアタックのタイミングです。高石タケル&八神ヒカリが存在するためセキュリティアタックは悩みがちですが、このミラーマッチではメモリーをたくさん貰ったとしても詰めの場面以外ではあまり有効に活用することができないため、リカバリーもセキュリティアタックも序盤から積極的に行っていきましょう。早めにセキュリティアタックをすることで、相手がスサノオモンやアヴェンジキッドモンを高石タケルで回収する前に踏み抜くことができる可能性があるというのも、確率は低いながらゲームの決定打となり得ます。
 テイマーの登場についても、吟味が必要です。テイマーを闇雲に登場させていると、ゲーム後半にスサノオモンへ進化する際にデッキに戻す10枚が足りずに出遅れてしまうというようなことも起こります。そのため、メモリーが余っていてテイマーを登場できるタイミングがあったとしても、そのテイマーが場に出て有効な働きをするかはプレイする前に一考をしましょう。
 自分のライブラリが少ない時に攻め手を確保したい場合は、テイマー進化をするのではなく登場をする選択肢があることも覚えておきましょう。除去カードの数が限られているため、シュバルツ・レールザッツで一掃されないように登場をする場合は一体ずつを意識します。
 逆にこの対面においては除去とメモリーの価値が低いので、たとえばジェットシルフィーモン1体に対してもシュバルツ・レールザッツは切ってしまうなど、セキュリティ1枚分となるような交換に除去を使っていきましょう。

・リリスズワルト(有利通常型6:4、五分人狼型5:5)
 リリスズワルト対面は通常型と人狼型でプレイが分かれます。
 通常型に対しては守り切った上でのライブラリアウトを狙っていきます。セキュリティ効果でのリカバリーや除去が多いこのデッキに対しては、通常型のリリスズワルトだと削り切ることが難しいです。守り切った場合、相手が勝手にライブラリアウトしてこちらの勝ちとなる展開となります。相手がコンボを決めるまでに、強いセキュリティを形成しましょう。
 人狼型はアイズモン:スキャッターモードをドロー出来ているか否かで、上下の振れ幅がかなり激しいデッキとなります。そのため、引けている時はこちらがどのデッキを使っても勝てず、引けていない時はどのデッキでも勝てるようなイメージです。引かれてしまいコンボが完成する前に決着をつけたいので、ダメージレースを早めに仕掛けていきましょう。

〇おわりに

 最後まで読んでいただきありがとうございました。本記事を読んでいただいた皆様に何か新しい発見であったり、参考となる部分があれば大変嬉しいです。
 記事を書き始めた当初、デッキのカードの採用理由は書けるものの、プレイについて書くことは少ないのではないかと思っていたのですが、意外にも長編となってしまい少し驚いています。普段のプレイを改めて文章にするのは難しかった一方で、新しい発見があったりなど得るものも多いのでこれからも細々とですが、続けていけたらと思っています。
 記事やデッキの内容について、わかりづらいところや疑問点などがあればぜひ私のTwitter(@tonti_19)のDM宛てにご連絡いただければと思います。
 8弾の新弾発売も近く楽しみとなってきましたが、7弾環境も残り短いですので、この環境の最後を楽しんでいきましょう。それでは。

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