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紫覇王決定戦 環境考察・デッキ決め


はじめに

 こんにちは、一休さんです。先日、デジモンカードの紫覇王決定戦という紫の最強の使い手を決める特殊な構築制限のある大会に出場し、運良く優勝という好成績を収めることができたので、大会までにした準備や思考をまとめてみようと思います。特殊な構築制限の大会が開かれるのは稀ですが、構築制限に限らず新弾発売直後の大会などにも考え方を応用することができると思いますので、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

【大会戦績】
使用デッキ:アグロ意識アグロ
予選
1戦目アグロ○
2戦目ハイブリ○
3戦目リリズワ○
4戦目アグロベルスター×
5戦目アグロ×
3-2でギリギリオポ8位の2人になる。もう1人の方が不在で決勝トナメへ。
決勝
1戦目ハイブリ○
2戦目アグロ○
3戦目アグロ○
結果:優勝

大会ルール確認


 まずは大会のルールの確認です。以下の通りとなります。
 
【大会構築ルール】
デジタマは紫のみ
デジモンは紫と白のみ
ルーチェモンLV3のみ使用可
オプションとテイマーは色指定なし
その他は公式ルール準拠

 大会の名の通り紫をメインに構築するようなルールとなっている一方で、白のデジモンや黄ルーチェモン、他色のテイマーやオプションは使えるというある程度構築の幅が生まれるようなルール設定となっています。オメガモンズワルトやオメガモンズワルトDEFEATといったLv7デジモン、ハイブリットと相性の良いボコモンやネーモンは通常の構築でも紫のデッキでよく見掛けるカード達なので、今回の大会でも見掛けることが想定されます。また、通常の紫デッキでは他色のオプションやテイマーだとベルスターモンデッキで7コストオプションを見掛けるくらいかもしれませんが、構築次第では他色の強力なカードを採用できるかもしれません。

環境分析


 特殊制限の大会は普段プレイしている対戦環境とは全く異なります。また、通常の構築環境で強いデッキが強いとは必ずしも言い切れません。たとえば、通常の7弾環境だといわゆるTier1デッキは青ハイブリッドや黄紫ハイブリッド、リリスズワルト辺りが当てはまると個人的には思っているのですが、この中で今回の紫制限で唯一使用可能なデッキはリリスズワルトです。では、リリスズワルトが今回のデッキの選択のベストかというと、そうはなりません。他のTier1デッキの青ハイブリッドや黄紫ハイブリッドに勝てないがために、通常の構築環境で使われていないデッキが台頭する可能性があるからです。今回の例だと青ハイブリッドにはかなり不利ですが、リリスズワルトにはとても強いアグロデッキは立ち位置が優位な可能性があります。このように、構築制限の大会では環境が構築環境と全く違うため、構築環境の知識からは少し離れたアプローチでデッキ選択をする必要が出てきます。

 対戦環境分析にあたって、私が最初に行ったのは使われる可能性のあるデッキのリストアップです。新弾の発売当初なんかはデッキを一から組み上げる必要があり、そこに多くの時間を割くこととなりますが、今回の構築制限では数あるカードは試行錯誤されてデッキとして確立しているため、それらを集めるだけで環境のほとんどを網羅できると考えました。そして、リストアップしたデッキは以下の6つとなります。

【デッキリスト】
 ハイブリッド、タイタ、アグロ、ベルスターアグロ、リリズワ、ケルビルーチェ

 この中から相性の有利不利を考えて、一番勝つ可能性の高そうなデッキを持ち込みデッキとして選びます。

環境分析アプローチ1:デッキタイプの分類


 デッキ同士の大雑把な相性の有利不利を考える際に役に立つのがデッキタイプの分類です。デッキの動きが早い順にアグロ、ミッドレンジ、コントロールとなっており、そこにコンボデッキを加え4種類での分類をすることが多く、一般的にアグロ<ミッドレンジ<コントロール<コンボ<アグロ…という相性になっています。今回のリストアップデッキをそれぞれの分類へ整理してみましょう。

【デッキリスト】
 アグロ:アグロ、ベルスターアグロ
 ミッドレンジ:ハイブリッド、タイタ
 コントロール:ケルビルーチェ
 コンボ:リリズワ

 各分類にバランス良くデッキがあるように見えますが、ケルビルーチェはデッキレシピが確立されておらず通常環境でもあまり見ないデッキで、コントロール帯は薄い環境と想定できます。また、リリズワが通常の構築で好成績を収めているので、それに強いアグロもしくはアグロに強そうなミッドレンジ辺りが使用デッキの候補として絞れてきます。

環境分析アプローチ2:環境の除去カード


 デッキタイプ分類のアプローチで絞りつつあるデッキを更に絞るため、別のアプローチを取ります。環境のアプローチでよく採られる手法でメジャーなものの一つが除去カードへ注目することです。これは先程のデッキタイプとも関係がある部分で、環境にある除去カードが強いか弱いかによって各デッキタイプの相性の有利不利の度合いが変わってくるようなイメージになります。たとえば、アグロはミッドレンジが不利対面となっていますが、環境に低コストの除去や複数除去で使いやすい優秀なカードがある場合、元々不利なミッドレンジに勝つのが更に厳しくなることが想定されます。逆に除去が弱い環境であれば、不利対面のミッドレンジに勝ちやすくなります。

 デッキタイプと同じようにまずは使われる可能性の高い除去カードをリストアップしましょう。

【除去カードリスト】
BT6エレキモン、BT6オーガモン、キンカクモン(進化元)キメラモン、BT2レディデビモン(進化元)、BT7ニーズヘッグモン、BT7ケルビモン、フライバレット、シュバルツレールザッツ、ゲヴァルトシュベルマー、デスクロウ、

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(補足:今回の紫覇王決定戦ではテイマーとオプションは他色のカードも使用できるルールとなっているため、他色の除去が飛んでくる可能性もあります。しかし、テイマーとの噛み合いが必須となることから、ベルスターモンから直接発動可能なゲヴァルトシュベルマー以外は考慮しませんでした。)

 ひとまず並べてみたところで、複数の切り口から除去が強い環境なのか弱い環境なのかを分析していきます。除去カードの強弱を決める際に、私が判断の基準とすることが多いのは、①除去枚数、②コストの大小、③発動条件辺りでしょうか。また、デッキタイプのアプローチでアグロもしくはミッドレンジを持ち込むイメージを持っていたので、分析の中ではアグロVSミッドレンジに要点を置いています。
 まずは除去カードの強弱条件の中でも一番わかりやすい①複数除去できるカードを確認しました。ゲヴァルトシュベルマー、シュバルツレールザッツ、BT7ケルビモンの3枚があります。前者は黒のカードでありベルスターモンから使用をするか黒のテイマーを先出ししなければいけないこと、後ろの2枚は発動条件にテイマーやハイブリッド体を準備しないといけないことがあるため、今回の構築制限ではだいぶ使いにくい上すぐには使いにくいカードばかりでした。
 次に確認したのは、②コストが低かったり③発動条件が緩かったりなど使いやすい除去カードです。デスクロウ、BT6エレキモン、BT6オーガモン、キンカクモン辺りでしょうか。ただ、これらの中でもデスクロウは自身のデジモンを消滅させる必要があったり、BT6エレキモンは進化をしない前提での運用、キンカクモンは進化元効果のため進化を進める必要があることや消滅できるのがLv3限定など使いにくさや一癖が目立ちます(BT6オーガモンはこの中だとコストパフォーマンスに優れている優秀なカードだと思います)。アグロVSミッドレンジを考える中で、ミッドレンジ側がデッキの動きを歪ませずに気軽に使える除去が少ない一方で、アグロ側はミッドレンジにブロッカーを立てられたとしてもデスクロウやオーガモンで比較的容易に突破ができるように見受けられます。
 アプローチ1:デッキタイプの分類とアプローチ2:環境の除去カードの2つのアプローチから、今回はアグロデッキを持ち込むこととしました。

デッキ作成


 アーキタイプが決まったので、実際にデッキの作成を行っていきます。ちょうど直近のテイマーバトルで紫アグロを持ち込んで優勝している方のデッキレシピが回ってきたので、それをベースにアレンジをすることとしました。また、アレンジの際はミッドレンジを強く意識する一方で、同型対決すなわち対アグロ戦も多く発生することを想定し、アグロミラーで優位を取れるアグロというコンセプトで試行をしていきました。完成したレシピはこちらとなります。

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・エレキモン、BT6オーガモン
 コンセプトのアグロに強いの部分で意識して採用したカードとなります。どちらも消滅させられるLvの対象デジモンがいれば、テンポアドバンテージが取れます。オーガモンはブロッカーを立てられた際にも突破にも使えます。アグロ以外には若干コストが重くなるため、枚数は絞ることにしました。

・ギルモン
 バクモンとの選択枠です。呼応名軍のドロー効果、後述するニーズヘッグモンの採用選択などでドローは十分と考え、こちらを選択しました。ナイトレイドから釣ってくると、実質1コストでの登場となり優秀です。

・ガジモン
 3枚にするか4枚にするか最後まで悩んだカードです。リリズワに対して1枚で完封できるポテンシャルがありますが、1枚立てても除去をされてしまう可能性があり、できれば2枚以上並べたいと考えていたので4枚としました。

・ニーズヘッグモン
 ジャックレイドとの選択枠となります。アグロはゲームの決着が早いため、ジャックレイドのトラッシュ20枚以上での発動は狙いづらく、同じメモリー+1の効果であればディスカードで発動するニーズヘッグは実質手札+1の優位であるためこちらを選択しました。セキュリティ効果が強い分ジャックレイドの方が優位という考え方もありますが、ほとんどの人がガジモンを入れていることが想定できるため、メリットとしても弱いと切り捨てています。

・ナイトレイド
 採用枚数は悩みましたが、Lv3デジモンを大量に採用しているため、4枚としました。消滅時効果を持つデジモンを登場できると良きです。お互い盾を削り合う中で捲れたら1打点が追加となるため、アグロとのミラーでも強力なカードです。

おわりに


 簡単ですが、今回の大会と大会へ向けた準備ということで記事とさせていただきました。デッキについては、作成後に試運転として手元にあったジエスモンデッキと対戦させたところ、除去カードが多めに積まれている対面であるにも関わらず5戦中3勝だったので、デッキのパワーは十分だと判断できました。(本当は紫のミッドレンジ系統のデッキが手元にあればそちらと試したかったところです。)冒頭に書いた大会結果からもわかる通り今回はアグロを持ち込むプレイヤーが多く、そのデッキパワーも高かったのではないでしょうか。そして、ミラーを意識した構築が功を奏することになり、環境分析が上手くハマった結果だったのではないかと考えています。
 大会中は他のプレイヤーの対戦も随時観戦自由となっており、色々な方のデッキを目にすることができました。中にはアイスウォールを青テイマーと入れていたり、エオスモンデッキを使っている方がいたりと意外な構築を見掛けることもできました。
 優勝賞品にとてもかっこいいベルスターモンX抗体のプレイマットを頂いたので、今後は写真に載せている紫基調のアニメキャラのスリーブと一緒に使っていきたいと思っています。

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 来月には似たような制限構築の大会である緑覇王決定戦も行われるため、今回の記事が出場される方の参考になれば幸いです。それでは。

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