親父杯の楽しみ方について(3)

一緒に走ったことのある方は御承知のとおり、しがない中堅ドライバーの私。そんな自分が偉そうにあれこれ書くのもどうかと思いつつ、今回は独り言的に大会が始まって思うことをつらつらと書いてみました。

1 今年の予選TAの特徴について

これを読んでる方は予選TAのルールはもうご存知かと思います。この予選TAの醍醐味が最終日間際に繰り広げられるインディ500さながらのバンプアウト合戦。決勝ボーダー以下のタイムのドライバーが渾身の2回目アタックに挑戦、無念の失敗に終わることもあれば、見事好タイムを叩き出して逆転の決勝切符を手中に…といったドラマが展開されます。

決勝ボーダーよりわずかに上にいるドライバーは、自ら先に2回目のアタックに出てタイム更新して安全圏に逃げ込むか(逆に失敗して圏外に落ちてしまうリスク有)、それとも誰かが自分をボーダー外に落とすまでじっと待つか(最終回間際で落とされて、カウンターのアタックができないリスク有)、非常に胃の痛い選択を迫られるわけです。

特にボーダー前後の実力を持つドライバーは、この予選TAにどう臨むかあれこれ頭を悩ませるわけですが、今年戦略を考える上で大きな影響がありそうなのが、2点のルール変更

ひとつめは、B決勝以下がなくなったこと。去年までは上位15人のA決勝に進めなくても、B決勝・C決勝などを走れたんですが、今年はいまのところ実施予定なしとなっています。

昨年まではエンジョイ派を中心に「B決勝でいいかな…」と2回目のアタックに無理していかない方も見受けられたんですが、今年は決勝行きかそれ以外かの二つしかないわけで。

去年は2回目を見送っていた方も、決勝(※)に残って年明けまでもっと親父杯を楽しみたい!と考えて、どうせダメもとでと一か八かの2回目アタックに出る方が増えそうな気がしています。失うものは何もないですしね。これが決勝ボーダーをじわりと押し上げるのではないかというのが私の見解。

※勝ち上がりレースのこと。昨年までのA決勝。今年で言う準決勝・決勝

もう一つ、いままではは別に予選をやって決勝のグリッドを決めていたのが、今年は予選TAの順位がそのまま準決勝のグリッドとなる変更点。

去年までは予選突破なんて余裕余裕という一部のトップレベルの方は、予選中盤ぐらいまでに、予選通過は間違いなしというタイムをさくっと出して、後はレギュレーションが発表されていた決勝レースの練習にさっさと切り替えるのが普通でした。ちょっと去年のTA予選結果を見てみましょう。

親父杯2020TA予選結果(36位まで表示)

実力拮抗の大激戦となった40代クラスは別として、30代・50代の上位はほとんど1回しかアタックしていないことが分かると思います。一方、どのクラスもボーダーの15位付近は、ほとんどのドライバーが可能性をフルに行使すべく2回アタックしています。

先ほど述べたように、今年はTA予選が準決勝のグリッドとなることから、上位の方も2回目のアタックに出る例が増えるのではと勝手に予想しています。レギュが未発表ですので練習もできませんし。

もちろんトップの方の速さは別格なので、ボーダー付近の争いとはある意味無関係なんですが、考えておきたいのが上位の人がタイムを詰めることで、下のタイムも押し上げられる可能性。

いわゆる「ファーストペンギン効果」というやつで、上位の方がこれくらいのタイムで走れるんだぜということを証明すると、みんな「あ、そこまで行けるんだ」と気づいて上位の走りを真似をして、全体的なタイム水準が上がるのではというのがもう一つの私の予想です。

2 今年の決勝ボーダータイム予想

この文章を書いている12月6日(予選TA2日目終了)の段階では、練習部屋で私が見る限り、だいたい一般的な目安として

DRがA+の方 50秒台中盤
 〃 Aの方  50秒台後半~51秒台前半
 〃 Bの方  51秒台中盤~52秒台

くらいの個人ベストタイムを皆さん出しているようです。現時点での練習量等でも変わってきますのであくまでも目安です。そもそもDR自体が目安ですしね。これはあくまでも今日現在の状況で、この後じりじりと全体のタイム水準はもう少し上がっていくと思います。

私は腕はからきしですが( ̄▽ ̄)過去二年、記録動画を作成させていただいているので、親父杯常連の方がどれくらいのタイムを出せるかは多少なりとも頭に入っているほうかと。
現時点のエントリーリスト(出場者)や練習部屋の状況から見た、私の勝手な決勝ボーダータイム予想(24位の方のタイム)は以下のとおり。

30代クラス 50秒7~8
40代クラス 50秒8~9
50代クラス 51秒1~2

あくまでも現時点の予想ということで御承知おきください。
30代はおそらく51秒切っただけでは決勝行きとはならないのでは。もう一詰めが要求されるような気配です。
40代も51秒切りは要求されそうな。今年も層が厚くボーダー近辺は激戦になりそうな気配が漂います。
50代は初参戦の方が多いのでちょっと予想が難しく、他のクラスよりは自信はないです。

上を見て「え、こんなボーダー高いの?」と思った方。
私もまったく同感です。マジかよ。
でもですねえ、データ的に考えるとこれくらい行きそうなんですよ。過去大会参加の方は御承知のとおり「みんなやり過ぎだろ!」と思うくらいみんながアホみたいにタイムを詰めはじめるのが親父杯TAのお約束なので。
50代はもう少し下がるかもとは思うんですが、初参戦組の方の実力次第で逆に私の予想より上にいってもおかしくはありません。

初日、二日目の予選TAの参加者を見る限り「これが初日、二日目?」と驚くほど皆さん一定量の練習はしてきている気配なので、このあとどうなるのか恐ろしいです。

3 ロビー練習のすすめ

もし未読の方は以下の記事もあわせてお読みいただければ幸いです。

色々な方の親父杯関係のツイートを拝見しているのですが、まだタイムトライアルモード(通称:オフライン)で練習を積まれている方をお見かけします。

もちろん練習の仕方は個人の自由ではあるんですが、それでもロビーで練習を積まれることを強くお奨めします。ここだけは、強調します。

上の記事でも書きましたとおり、車の挙動やタイムの出方が違ったりするので、ある程度走りこんでくると本番の練習にならないのです。今回私がタイムトライアルモードで走りこんでないので、どれくらい差があるかわかりませんが0.2~0.3は速く出るという噂も。走りこんでタイムが安定してくると0.2~0.3はかなり大きな差です。

「ロビーは50秒台をばんばん出す速い人が集まっていて、自分のタイムじゃとてもとても…」と気後れしているのかとも思いますが、その辺り、寛容な参加者が多いのが大人が集まる親父杯のよいところです。ぜひロビー練習に早めに挑戦されることをお奨めします。

タイムトライアルで52~53秒台で安定周回できれば、後述の注意点はありますがロビーでの練習走行は十分可能だと思います。最近は、夜20~23時頃はだいたいオープンの練習部屋が立っているようですので、ぜひ勇気を出して入ってみましょう。

注意点としては、前の記事にだいたいは書いてありますが、とにかく他の車のアタックを邪魔しないよう後ろへの注意を多めにしましょう。海添いやホームストレートで後ろを確認する癖をつけるとよいと思います。

遅い方がいても腹を立てる参加者はあまりいないのでそこは気にしなくていいのですが、1セク・2セクで自己最速が出たときに3セクで前をふさがれるとかなり切ない気持ちになりますのでそこだけは御注意。

後は予防策として、前後に車がいないタイミングでコースインすることを心掛ける。コースに10台近く出ているなど混雑しているときは他の人の走りの「観戦」に切り替える、などもあります。

あと初級者の方は、ロビー部屋の設定をコピーして保存することも忘れずに。6人以上が黙々と走っていればまずその部屋の設定は正しいと思われます。

で、コピーした設定をベースに、フレンド限定・人数2人(最少)に変えて「練習中」「立入禁止」と部屋名をつけて部屋を建てれば、一人でじっくりロビー環境で走りこめます。

ロビーでの個人練習と、オープン部屋で他の方との一緒の練習。これを組み合わせることで親父杯は何倍も楽しくなります

この記事を読んでいる方の中には、ツイッターには50秒台報告がばんばん出ているのに、自分はまだ51秒台にも入らない。「ああ、自分のレベルじゃ無理なんだ」とモチベーションがダウンしている方もいるかもしれません。

でもロビーに行ってみてください。練習部屋で何度も見ている面識のない方が、あなたと同じように最近タイムが伸びていないのに、黙々と走り込みをしていることに気づくと思います。
みんな頑張っていることを知る。それがロビー練習の良さでもあります。

総合優勝を目指す上位の方は別として、親父杯は「自分がどれだけ上手くなれるか」という大会だと私は思っています。TA予選は、上達の度合いを披露するピアノの発表会みたいなものです。

ずっと52秒台しか出なかった人がようやく出した51秒台は、ずっと51秒台だった人が出した50秒台と同じように尊い。

PVに書いた「過去の自分を超えていけ」というのはそういう意味です。
今年の親父杯も、予想以上のガチっぷりの盛り上がりを見せています(滝汗
ぜひ親父杯をフルに楽しんでください。