製本直送.comでカバー付き同人誌を作る方法
1冊から作れるオンデマンド印刷の製本直送.comさんで、いつの間にかブックカバーがつけられるようになっていました。どうやら1年前くらいからサービスに加わったそうです。
製本直送.comは極小部数で刷っても格安で、注文の際には煩わしいやりとりもほぼ無し。要するに安く刷るのでそのぶん手厚いサポートは削減していますよ、という印刷所です。
仕様や入稿方法が独特なためか、同じく1冊から刷れる印刷所である株式会社REDTRAINやちょ古っ都製本工房ほど有名ではないイメージ。
しかし仕上がりは悪くないし、何よりお値段が安い。本を作るのに慣れた人向けの印刷所だと思います。
公式サイトが結構見辛く必要な情報がページをまたいでいたりするので、備忘録として情報をまとめておきます(2023年6月24日時点のもの)。
製本直送.comの特徴と基本仕様
・表紙用紙はアイベストWという用紙1種のみ。コート紙のような白くてツルツルした用紙。用紙は硬めとやわらかめが選べて、硬めが260g/㎡の0.27mm、やわらかめが190g/㎡の0.19mm。ただし別途見積もりで他の用紙も選べる。
・表紙用紙にはPP加工可能。グロスとマットから選べる。ブックカバーをかける場合はPP不可。
・本文用紙は豊富。書籍用紙から嵩高のコミック紙、コート紙なども揃っている。用紙見本は110円で取り寄せ可能。
・遊び紙は水色とアイボリーの2種のみ。
・変形本は縦幅『148mm~297mm』以内のサイズであれば可能。横幅は各判型で固定。
・中綴じのページ上限は4P〜48P、無線綴じの場合は20P〜500P、ブックカバーつきは48P〜300P。
・本文はカラーとモノクロ混在は不可。注文時にどちらかのみを選択。
・入稿のデータ形式はPDFのみ。
・RGBデータでも入稿できるが、CMYK推奨。特色には対応していない。
・性的表現のある図画は黒ベタか白抜きでの修正が必要。トーンやモザイクはNG。
・入稿データの詳細チェックは行わない。レイアウトにミスがあってもそのまま製造に移る。
・早割のようなものは無し。納期を縮めるためにお金を積んでいくシステム。
以下、公式サイトからの引用です。
ブックカバーの用紙はどんなものかサイト内を探しましたが見つかりませんでした。本文用紙にコート紙90kgと110kgがあるからそのどちらかかな?
もしかしたら他の用紙も選べるかもしれないので、不安な人は注文前に問い合わせてみるといいかも。
カバーつきだと表紙用紙が『硬め』のみ選択可能というのが気になりますが、こちらも別途見積もり依頼をすれば他の用紙が使えるかもしれません。
『硬め』はかなり厚みがあって丈夫だったので、これにカバーをかけると本が開きにくくなると思います。できれば『やわらかめ』か色上質紙最厚口に変更したいところ。
試しに文庫同人誌を作るつもりで、自動見積もりで料金を出してみました。
この仕様で1冊あたり784円でした。部数を増やせば送料も上がりますが、割引額も上がっていくので刷れば刷るほどちゃんと安くなります。
他の印刷所と比べれば制限は多いですが、それでも金額だけを見ればかなりお財布に優しいのでは。ちなみに同じ仕様でブックカバー無しだと1部で1,114円、50部で38,580円。
オンデマの範囲内ですが印刷も製本も綺麗ですし、納品も早いです。通常便でなんと翌3~6営業日以内の発送。
1冊から同人誌を刷れる印刷所はかなり増えてきましたが、極小部数だとどうしても単価が高くなりがち。
そんな中でもかなりお安めの印刷所は製本直送.com、ワンブックスでお馴染みの株式会社REDTRAIN、そしてちょ古っ都製本工房が3トップだと私は思っているのですが、REDTRAINはブックカバーがつけられるけど納期が長めで送料が高く、ちょ古っ都は早くて安いけどブックカバーがつけられないのが玉に瑕。
安い・早い・カバーがつけられる、の製本直送.comはこの2社のいいとこ取りの印刷所だと思います。
基本表紙用紙が1種類のみといういっそ潔いほど尖った仕様ではありますが、装丁にあまり凝らない人やおまけ本を早く安く作りたい人にはぴったりです。REDTRAINとちょ古っ都は予約が早く埋まりがちですし。
あと、製本直送.comはエッチな絵や漫画もきちんと修正がしてあれば刷ってくれる(海苔はおそらくNG、ブツそのものを黒ベタか白抜きで消す必要あり)。REDTRAINはエロ絵全般NG、ちょ古っ都もお断りされる可能性があるそう。小説は3社ともOK。
(何も言われないのを良い事にちょ古っ都で18禁漫画本を作った人もいるそうだけど、危ない橋は渡らない方がいいと思います…何かあっても印刷所は守ってくれないどころか、逆に印刷所を巻き込みかねないので。ちゃんとガイドラインが設けてある所で刷った方がいいよ!)
もちろん、上で挙げた2社にも他には無い強みがあります。REDTRAINさんは表紙用紙も本文用紙も遊び紙の色も豊富で中の人がとても親切ですし、ちょ古っ都さんはとにかく安い上に1冊だけの注文でも余部をつけてくれる上、表紙に特殊紙を選べるし高彩度印刷も可能。
私はどっちの印刷所さんも大好きです。みんな違ってみんないい。
最後に。
製本直送.comさんもツイッターの公式アカウントがあります。時々エゴサしているようで、利用した方のツイートをRTされています。仕上がりを見てみたい方は覗いてみては。
それでは、良い同人ライフを!
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