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GhatGPTとブレストしてキャラのイメージ作る

絵描きが趣味の者がオリジナルイラストを描く際のイメージ作りのために、ChatGPTを用いてみました。
この記事は実際に何をやったか。そしてその結果感じたことを書きます。

この記事の構成は「AIへの問い方の説明」「実際にやった時の具体例」「感じたこと」の3つです。

他の記事とちょっと違うんじゃないかなぁと思うところは、答えを求めるのではなく、イメージを育てるためのツールとしてChatGPTを使っているところです。

この記事の結論は「ChatGPTを使えば頭の中のイメージを育てられそう」「時短とか効率化にはならなさそう」「GhatGPTヤバイ」の3つです。

諸注意
先に言いますと画像生成AIの話は出ません。文字情報としての設定のハナシです。
それとあくまで事例の紹介であって、チュートリアルではありません。
役に立つかどうかも、わかりません。

いくつかやってみた例

形として残るのは文字情報だけなので、細かい意匠や色だったり、さらにはポーズやシチュエーションは当然ながら作画する時に考える必要があります。作画時点で破棄修正する設定も多いです。けど、イメージがあるおかげでスムーズに絵作りが進みました

AIへの質問の類型

実例を見せる前に、ChatGPTに投げた質問の類型をいくつか説明します。
あくまで自分の場合です。


1.ランダムなワードを提案させる

ランダムな単語を出させるのは一番始めやすい手だと思います。

でも、素直に「ランダムな単語10個提案して」といった場合、おんなじ言葉ばかりだし、なんかとりとめのないものばかり出てきます。冒険とか、宇宙とか。

〇〇が使いそうな、〇〇時代の、ファンタジー世界の、専門用語限定で、などで制限をかけるのが手っ取り早いバリエーションの出し方でもあり、作者の意思を反映させる手段にもなります。どのような制限でもランダム性が失われないのが良いところです。

ちょっと複雑な例

2.連想させる

ワードから何かを連想させます。うまい指示をだせば良い提案が返ってきそうです。
↓の例なら、「アイテムから連想されるものは?」だけでなく「原料にして」「薬」「効果」など、条件を付与しています。いくらでも応用が効くと思います。

3.組み合わせを提案させる

出てきた単語を二つ以上組み合わせて新しいワードを提案させたりすると、意外性が増すことがあります。
ここでもさらに条件をつけて、例えば「カタカナの造語にして」だったり「まったく別の効果が現れる様に」等の指示もできます。

実際に絵にできるかとかは考えず、なんとなく字面だけで判断するのもいいと思います。修正はあとからやればいいので。

4.名前をつけさせる

名前がつくとイメージが変わったりするので、有効な手だと思います。
これも「ユニーク」「スタイリッシュ」「短い」と条件を指定しています。言語や命名規則の指示、2つ名など、いくらでも変化出来そうです。

5.言い換えさせる

少しだけニュアンスを変えさせたりするのも有効です。あくまでイメージを得られるかどうかなので、整合性とかは気にしないでいきましょう。というか変化が大きいほどラッキーです。類語を提案させるのも良さそう。

6.説明や根拠を求める

新しいワードを提案させる時に有効です。根拠があると一気にイメージが浮かびやすくなります。

7.重要で無い設定はとりあえず埋める

やりすぎは良く無いですが、イメージを膨らませるのには有効です。ピンとこなければやりなおしたり破棄すればいいので。

8.要約させる

リスト形式や表形式のものを文章に直すなど(逆もアリ)、イメージをまとめることによって取捨選択がしやすくなります。候補を絞るのにも有効です。

応用で、〇〇のような文体で、という指示も面白いです。

(入手難易度と適合する職業の属性を追加してます)

実際はこれらの方法を複合的に使う

実際はこれらの方法を複合的に使って対話を進めていきます。要は、面白い答えがくるまで手を変え品を変え試せば良いということです。

人がやること:取捨選択と自己探求

リソースも限られているので、よきところで要素を削ったり、候補を絞るのが重要です。リソースというのはAI側の話でもあるのですが、人間のイメージ力も多分そんなにリソースはない気がするからです。
また、問いと選択を重ねていくことで自分が本当に欲しいのは何かを探す姿勢が重要なんじゃ無いかと思います。(それがはっきりしてるならこんなことをやる必要はない)

その他、いくつかの気をつけたこと

  • AIの提案なんか心に響かないよ?→自分が選ぶから心に響くのだ、と考えましょう。面白いと感じないものは即時破棄してよい。

  • 面白い提案が来ないよ?→ダメな問いにはダメな答えしか返ってこない。問い方を変えて、何回もやりなおして。AIの返答をコントロールしようとするのでなく、自分が何を求めているのかを明らかにしていく作業だと考えましょう。

  • 何から決めるべきか?→順番は気にしない。というより、毎回頭を使うので決まった手順ではできません

  • 全体像がぼんやりしてきた→提案はすこしずつ。情報だけが増えてもぼんやりするだけ。なぜなら自分のイメージが追いついてないから

  • とにかく、設定を作っているのではなく、イメージを育てているという感覚で進めましょう。

では次はキャラ設定を作った際の実例を示します。

具体例

手順1 ランダムなワード

「一般的な単語をのぞいてランダムな単語10個提案して」と問いました。
なんか特殊能力につながりそうだな、とイメージできたので次に進みました。

バイオミミクリー: 自然界の生物の特徴や機能を模倣して人工物を設計すること。
ネオテニー: 幼体の特徴を成体が保持すること。人間においては、幼児の特徴が成人にも残存すること。
心理音響学: 音が人々の心理状態に与える影響についての研究領域。
ハプティックテクノロジー: 触覚を含む感覚技術のこと。触れたものの質感や形状を再現することができる。
フラクタル: 自己相似性を持つ幾何学的パターンのこと。例えば、自然界の植物や山の形状など。
外惑星: 太陽系以外の恒星の周囲を公転している惑星のこと。
認知的不協和: 人々が自分の信念や行動と矛盾する情報に直面したときに生じる不快な心理状態。
共感覚: 一つの感覚に対して、別の感覚が同時に刺激される現象。例えば、音に対して色を感じることなど。
ミーム: 文化的進化における単位としてのアイデア、行動、または慣習のこと。
バイオハッキング: 生物学的なプロセスを制御するために科学、工学、医学などの手法を使用すること。

手順2 連想させる

もしそんな特徴を持つ架空の人物がいたとしたら、どのような特殊能力を持ちうるだろう?と問いました。
イメージが少しだけ具体的になったので、候補を絞れました。
出てきた結果から五キャラ分抽出しました。

biomimicry :自然界のあらゆる生物の姿や行動を模倣すること

neoteny :子供のような性質や外見を大人になっても持ち続けること。

共感覚 :複数の感覚を同時に体験する。

memetics :コミュニケーションを通じて、他者に思想や信条を伝染させること。

バイオハッキング:自分自身の身体的・精神的プロセスを制御・変更すること。

手順3 とりあえず埋める

小さくてあまり重要でない要素を少しずつ追加して、ピンとくるものを探りました。能力から、どんな性格が推測できそうか?好きなもの嫌いなものは?動物に例えると?など…
これはイメージを深める手助けになりました。ただし、追加してみてもピンとこない、イメージにつながらないような項目は破棄しています。

手順4 要約する

それぞれのキャラを要約して文章に直しました。
キャラのイメージがまとまり、候補を一つに絞ることができました。

このキャラクターは、バイオミミクリーの能力を持つイカがモチーフの少女です。彼女は環境に応じて自分をカモフラージュすることができ、周りに溶け込むことができますが、孤立しやすく、他人を信じることができません。彼女は多才で知的であり、パズルを解くのが得意ですが、大勢の人がいたり、騒音のある環境では不得意です。彼女の斑模様の茶色と灰色の体は、彼女が孤独であることを表しています。

手順5 連想させる・抽出する

概要が決まったので、詳細を詰めました。ここでは見た目から決めていきました。まず外見の全体的なイメージについて、設定の概要を参考に五つ提案させました。

海中をイメージしたもの。青や緑など海を連想させる色や要素、海藻や珊瑚、魚の鱗をイメージしたデザインを取り入れた服。

スマートで合理的なデザイン イカをモチーフにしたキャラクターなので、イカの形や動きを模した流線型のようなデザインです。

機能的で実用的。臨機応変に対応できるキャラクターなので、複数のポケットや丈夫な生地、重ね着しやすいアイテムなど、その特徴を反映した服装にします。

ミニマリスト。孤独を好み、騒音や人混みを嫌うキャラクターなので、アクセサリーや派手なディテールは控えめにして、ミニマムで控えめな印象の服装にします。

ハイテク:バイオミミクリーは、自然界の生物からインスピレーションを得て高度な技術を生み出すというものなので、ハイテクな素材や、周囲に溶け込むような機能を取り入れた服装が考えられます。

ここからいくつか要素を抽出しました。
ハイテクや機能性などのワードは私のイメージに合わなかったので除外しました。イメージができていたことで取捨選択がスムーズに進みます。
また、ここで初めて自分の言葉で要素を追加しました。

コスチューム全体の雰囲気:イカや触手をモチーフに、貝などの海の生き物の要素。色彩は、海や珊瑚のカラフルなイメージに、迷彩柄や擬態の要素。ショートパンツに、乱れたショートヘア。

手順6 同様に

全体の雰囲気をもとにジャケット・インナー・靴・小物などをそれぞれ提案させて選択して、を繰り返して、最終的にこんな感じになりました。

ジャケット:パールホワイトにイカの触手のシルエット、裏面にはカモフラージュ柄、パール調の色合い・反射する質感のボタン。
ボトムス:ジャケットと同じ質感のベリーショーツ。
インナートップ:白の体にフィットするタンクトップまたは淡いブルーのパステルブラウス。
靴:オフホワイトやブルーにカラフルな貝殻の装飾が施されたサンダル。
アクセサリー:貝殻の形をした防水ポーチ、パズルブックやパズルアクセサリー、知恵の輪やアクセサリー、ガラスでできた透明なアクセサリー

ひとまずの完成形

今回はここまで。内面はあまり詰めませんでしたが、キャラクターの概要と外見のイメージはある程度浮かびました。

ちなみに名前はミミカちゃん
設定を参考に描きました。イメージがあると捗ります

感じたこと

やる意味ある?

このブレストのおかげで、設定とともに自分の頭の中のイメージを育てることができた感じがします。
そのおかげか、絵に起こした時に手応えがありました。

デメリットは?

機械的にやっても脳内のイメージは育たないどころか、ノイズが増えるばかり。なので自動化や効率化は難しいし、そんなに時短にもならないと思います。全部は書いてませんが、欲しい提案を受け取れるまで何回も質問をやり直してます。

AIがないと出来ないこと?

分かりません。でも自分の脳よりは広そうだし、Googleよりは楽そうだし、辞書よりは速そう。

やらない方がいいこと

整合性を取ろうとすること。答えを探そうとすること。
ChatGPTをいくらか触ってみて思うのは、情報が増えるほど整合性を取るのが難しいです。
人間にとっても、整合性を求めるとイメージの幅が狭くなります。
GPT3.5とかだと2個前のやり取りはあんまりちゃんと覚えてないので、人間の方もそれに合わせて忘れましょう。
そもそもこの記事でやろうとしているのはイラストを描くための良いイメージ作りであって、良い設定ではないのです。

ChatGPTはヤバイ

絵描きなら、Stable Diffusionとかの方に脅威を感じるのが普通な気もしますが、個人的にはよっぽどこっちの方が(良い意味で)ヤバイと感じます。画像生成AIは、絵が上手くて速い奴が増えたって印象しかなくて、自分の創作には何も影響なかったんです(だから野放しにしても良いと思ってるわけではないけどそれはまた別の話)。こっちは対話によって創作のコアな部分をアシストできるからヤバイと感じました。

最後に

趣味の絵描きだし、ブレストなんかやったことないし、AIも触ったばっかりだしで適当なことしか言ってないですけど、創作する人のなにかの役に立てば幸いです。

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