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たくさんクルミを拾った、いや拾いすぎた

 在宅ワーク真っ盛りのある日、ずっと家にいるとだらけてしまうので、食後にちょっと散歩に出かけた。晴れた日に川辺を歩くのは、気持ちがいい。川を離れて、ちょっとした小径に上陸。堤防沿いのこの道は、ジョギングやサイクリングをたしなむ人が多い。僕もつっかけをパタパタ言わせて、うろうろと徘徊する。

 と、何か固いものを足底に感じる。はて、と思い、サンダルをどけると、みどり色をした、ぐちゃーとつぶれた木の実と、その種らしきものが顔をのぞかせている。

 お、クルミだ。

 田舎の裏山にも生えていて、小さいころ、祖父母がいっぱい拾ってきていたのを思い出した。実をよけて種をつまむ。取り出したばかりだから、まだ真っ黒だ。

 ふと周りを見ると、落ちてる落ちてる。

 ちょっと楽しくなって、実をどんどん踏みつける。中の種を探り当てると、わくわくする。結局、残った昼休み5分の間に、10個ほど発見。実のべたべたを手にいっぱいつけて、種を握りしめてホクホクしながら家路についた。種同士をこすり合わせて水洗いすると、種の周りに残った黒い繊維がこそげ落ちていく。・・・どんどん排水溝の網に詰まっていく。

 収穫が楽しくなってしまい、週末、欲を出して袋を片手に例の木の下に。柳の下に2匹目、3匹目のどじょうを求めるのはおろか者、しかしクルミの木の下には2個目、3個目のクルミが落ちていることを知っているのは賢い人(当たり前)。

 背を丸めて、地べたを見つめながら、時折足で何かを踏みつけている。散歩中のおばさんに見られたら、確実に不審者だ。

 10分ほど探しただけで、小さなビニール袋はパンパン。種の重みで小さな 穴が縦に伸びだしたので、ここらへんで収穫を打ち止め。

 味を占めて、さらに次の日も探索したところ、こんなに取れてしまった。(じつはさらにもう一山分ある・・・)

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 とるだけとったので、食べようと思い、ダイソーで殻割りグッズを購入。ちゃんと割れるかな、やや不安だ。
 クルミを挟み、ゆっくりと力をかける。パキっ。お。見ると殻に歯が食い込んで、わずかだが傷がついている。いける、いけるぞ。さらに力を・・・

 ぐにー。不思議な手ごたえに、一瞬手元を見直す。なんともない。もう一度・・・ぐにー。あら、あらら?

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 ごめんなさい、私には重荷すぎました。と言わんばかりの曲がりよう。

 これは、もう原始的なハンマー作戦に出るしかないのか・・・こんなにあるクルミ、どうしよう・・・

 

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