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Social Media Weekってなんだっけ?

このタイトルをどうするべきか考えたけど・・・・何を言いたいかといえば、毎年どれだけの数のイベントが生まれては消えるのか?残るモノとそうでないモノの違いは何か?です。

当時はワクワクしたのです

例として上げたSocial Media Weekって当時日本でも騒がれた訳で、私の回りではどんなイベントになるだろうね?と皆ワクワクしていた。

実際、当時の記事を検索するとIBMのPachiさん(偶然、友人の弟さん)の熱量の高いポストなんかも残っているし、特に中に入った人には面白かったのだと思う。

でも今になるとあまりパッとした記憶は残ってないんだよね。

最近はどうなってるかとイベントグローブのアーカイブを見てみたら(2018年以降)ニューヨーク、ロスアンゼルス、ミラノ、コペンハーゲン、トロント、チューリッヒ、ウランバートル、バージニア州のフェアファクス、アイダホ州のカー・ダーレーンが消えている。現在の開催都市にしても、Webサイトを覗いてみると、リンクが切れているようなのもあり、果たしてあとどれだけ続くのかは疑問。

こういったイベントって、やるのであれば主要都市か成長市場とかでやる社会意義はあって、アフリカの都市やウランバートルは面白い取り組みだけど、なぜバージニアやアイダホなのか?ってのもある。

消えるイベント、残るイベント

イベントグローブでは2018年から4,000件以上のイベント情報を集めてリスト化してきたのだけど、初期に取り上げたもので2020年以降も残っているのは半分くらいかな。

普通はイベントを探す時ってイベント名から考えるけど、この仕事やってると主催者が誰なのか?って気になるところで、当時集めた主要なオーガナイザーを考えると・・・・・

当然Reed Exhibitionが一番多い。そしてUBMやknect365を買収したInforma Marketsも数が多い。他にClarion Events、古巣のdmg::events、The Innovation Enterprise、IQPC、P.World、なんてのも件数は多かった。(他にもWBR、Terrapin、オライリー、Strategy Institute、IDTechEx)

っで今どうなのかと言うと、Reed、UBM、Clarion、dmg::eventsを除くと、殆ど総入れ替えになっています。

特にThe Innovation Enterpriseは2019年途中からカンファレンス事業からほぼ撤退状態で、ある時期40件くらいの公開済みのイベントサイトをしれっと抹消(隠蔽?)

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この画面を何回見たか分からん。リダイレクトも掛けずに消すからこうなるんだろ!

IQPCも凄い数のイベントをやってるけど、ここも予定の変更多いしディスコンになるのも多い。いまだに件数は多いけど結局は・・・・

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リダイレクト掛けてるだけマシだけど、結局自社のトップページだもんな。

総じて皆さん時代のキーワードを追いかけすぎて、あまりにも一時的現象に終わってしまうものをイベントとして作っちゃう。狙いとしては分かるけど具体的過ぎて持続性がないケースなど。(これは投資家によるスタートアップへの出資も同じ。よくそんなところに投資するなぁ〜ってあります)

わざわざイベントひとつ立ち上げるよりも、単発のセミナーでやった方が開発費も掛からんで良いんじゃないかと思います。そもそもオーガナイザーとして手段と目的を間違えたケース(器だけが増えて、魂の抜け殻)多いな。

世界のオーガナイザーには調査会社が母体になっているところが多いけど、調査会社は単発でも気にしないんですかね?

そもそも単発のセミナー?継続するイベント?

P.Worldも当初は結構な数のイベントを掲載しましたが、年次というよりはセミナーやワークショップのようなスポット案件が多くなってしまい、今は殆ど掲載してないです。

実は厳密な定義はないに等しいけど、イベント、サミット、セミナー、ワークショップ等々、それぞれをどう取り扱うか?イベントグローブとしては定期的に一貫したテーマで開催されるものをイベントやカンファレンスと認識してカレンダーに掲載しています。セミナーとかワークショップって単独でグローバル参加を望むのは難しい。

主催者と運営者の関係

話を元に戻すと、Social Media Weekのやり方って、ライセンスビジネスなのかな?と。ライセンス料を払ったライセンシーが、地域での開催をする?

別にライセンスモデルが悪いわけではないけど、その場合は版元がコミットしないと、なんか開催地側のライセンシーや受託先のスキル次第で失敗もあるわけで、そんな匂いを感じるのは私だけ?

私が相談を受けた案件でも、いくつかは運営が酷いな〜と言うのはあり、そこは本来は本社がコミットしないと成立しない。

コミットメントとエンパワーメントのバランス

日本を見ても、数々のグローバルカンファレンスが失敗してて、すべての現場を見たわけじゃないけど、ローカルと本社の関わり方は重要。

ああ、消えちゃったねというのは、SES(2016年に本体終了)、オライリーのWeb2.0(2011年に本体終了)あたり。他にももうすぐ終わるかな〜という心当たりあるけど、あまり言うと絡まれるので・・・・・・・・

“所詮ニューヨークでホットドッグ早食いコンテストなんか主催してたやつがやるマーケティングカンファレンスなんて、ロンドンでやろうがシドニーでやろうが一緒”

伝え聞いた話だけど、SESやWeb2.0は日本の運営が口出しできなくて、本国の言いなりでやらざるを得ず、上手くローカル市場にアダプト出来なかったとか。

やっぱりある程度は、ローカルにエンパワーしていかないと継続はしないと思う。

手前味噌にはなるけれど、adtechは唯一日本で上手く行った例じゃないかと思う。これは当時の米国本社のコミットメントとエンパワーメントのバランスだよなと。そんなadtechもマネージメントが変わってSFが無くなり、NYも無くなり、オーナーも変わってどんどん保守的に。日本はまだ良いかもしれないけど今年のロンドンはCloseStillのTechnology for Marketingと共催になっているので、どうなっちゃうのだろうか?

現実は意外に地味かも

会社と同じで、イベントだって立ち上げて3年後には消えてしまうものは多いわけだし、サステナブルなテーマって、バズワードでもハイプでも無くて、意外に地味なんだよなと。

時代とともに主旨は代わってきているけど、CESが今でも生き残っている理由のひとつとして、なんとなく今でもCESをコンシューマエレクトロニクスのショーだと勘違いしているおじさんがいて「CESなら行ってもいいよ」って承認してくれるから?かも。

規模感でいうと、CESやMWCSXSWって近いものをもっているけど、それぞれの意味合いは大きく違っていて、やはりMWCは地味な産業(=通信)のコアに近いところにいるので強い?

SXSWは、総スケールは大きいのだけど、(少なくとも自分にとっては)関係の無いフィルムやミュージックの存在がある訳で、あのイベントが本当に大きくなったのはインタラクティブが始まってからじゃないのか?と。

さて、とうとうCESがオンラインのみでの開催が決定してしまったので、企業がどこで新たな製品やサービスを発表していくのか?が大きな課題になってきます。その辺で新しい機会をみつけないといけないなと。



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