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マンガ読みの年中休業うつらうつら日記(2022年7月9日~7月15日)

暑いのはいったんやんで涼しい夜だ、とせいうちくんは喜んでます。正直、湿度が高すぎるんでエアコンつけたいんですけど、皆さんはどうしてるんでしょうか、な日々です。早く秋が来るといいなぁと自然に思ってて、「いや、まだ夏本番も来てないんだから!」と考え直してます。こんな錯覚を起こすのも6月から暑すぎたせいですね。テレビを見る時間がないので、世間の言う「省エネ」は自然にできている今日この頃です。

22年7月9日

暑さとか書斎の占有率とか気力枯れとか、様々な要因で先週の更新が遅れ、土曜になっても「うわー、うわー」と焦って編集してた。
古くから読んでくれてる人たちは土曜の朝とか日曜の昼間とか、環境によっては月曜に仕事しながらとか読むこともあるみたいな気がする。
きっと間に合ってるだろう。うん、そうだといいな。

4回目のコロナワクチン接種。「ファイザー、ファイザー、モデルナ、モデルナ」で来てる。
せいうちくん3回でとりあえず終わってるよ。
働いて外に出ることも多いんだから、数年歳がいってるからって私だけ打つのは申し訳ない。
「キミはハイリスクでもあるんだから、打っておいてね」って言ってくれるけど、早く全員がコロナ状況に応じて同じ回数ワクチンを打てるといいな。
モデルナ1回目「なんともない」、モデルナ2回目「40度近くまで出て2日寝込んだ」、モデルナ3回目「前ほどはひどくない」だったせいうちくんを見てると「モデルナ2回目」は怖いんだが、量を以前の半分にしてるらしいから大丈夫だろう。

かかりつけの循環器内科クリニックでさくっと予約できて、今日行ったらさくっと打ってくれた。
待ち時間ほぼ1分、注射で1分、そのあと15分の待機時間(これが一番長い)で、往復の徒歩を入れても30分ちょっとで帰ってきちゃって、テレ会議やってるせいうちくんに驚かれるんじゃないかと心配になるぐらいだった。

夜になって少しだるくなり、熱は平熱より2分高い。頭痛がして、腕はかなり痛い。
なので、ZOOM飲み会にもあまり遅くまでは参加できなかった。
体調の悪い人が多いなぁ。
腸炎で入院寸前だったSくんとか、半断食と禁酒で即身仏化しかけて高血圧が上70台ぐらいになってえるGくん(「それ、ほとんど死んでないか?!」とみんな大騒ぎ)。
きっと皆さん早く落ちて終了するだろう、って雰囲気だったので、あまり後ろ髪も引かれずにすんだ。

水曜から泊まってる息子は昼に起きて外出したらしく、「イベントの日だから夜は遅くなっちゃうと思う~。先に寝てて」と連絡してきた。
明日には帰っちゃうんで、もうちょっと話し合いを詰めたいせいうちくんは仕事(そうなの、土曜でも仕事が入るの、この頃涙)が終わるとたちまち寝て、夜中に起きて話す時間に備えていた。

が、結局電車がなくなるまでお店で活動してて、友人に車で送ってもらっての帰宅は午前3時近かったかな。
22時頃から、つまり5時間ほど寝たせいうちくんは、かなり元気に起きてきた。
みんなで軽く食事して、寝たのが午前5時半。もう明るいじゃないか!

せいうちくんと息子が話して取り決めたことは、
・今後1年間、100万円を上限に生活を援助する。
・その1年でコント活動を充実させ、足掛かりにして、自活できるようになる。
・そのためには生活の見直し、無駄な部分は省く、節約する、などの工夫をする。
・お金の管理はカノジョにまかせる。
・それ以降、もう「金銭的援助」という形での応援はない。
ってとこかな。
私もところどころ口をはさんだし、全員異議のない穏健な取り決めだった。

食卓で話す2人に対して私は少し離れたソファに寝そべって参加していたので、途中で息子から、
「お母さん、眠いの?こっちには来ないの?」と聞かれた。
「ワクチンの副反応でだるいだけ。参加してる」と言ったら、
「ああ!熱が出ないといいね」と心配してくれた。

せいうちくんは若い世代がどれほど絶望をベースとした先行きの見えない世界を生きているかをあらためて息子の口から聞いて、かなり驚いていた。
なんだかんだ右肩上がりの時代に生まれ、育ち、バブルの時代に就職して働いてた我々は、楽観的なところがあるんだよ。
これから1年、息子の時間は貴重なものになるだろう。
向こうから泊めてくれと言ってこないかぎり、「そろそろ顔が見たいなぁ」なんて軽々しく言ってはいけないな、とこちらも腹を括った。
頑張れ、未来の表現者たち。

今日のマンガはうめざわしゅん「ダーウィン事変」既刊4巻。
人間は万物の霊長なのか。特別な生き物なのか。
「僕も動物も、すべての生き物はそれぞれONE(ひとつ)にすぎないよ」
「たまたま家族がヴィーガンで、気がついたらこういう食事をしていた。変える必要がないから変えないだけ。必要があれば、鶏でも豚でも牛でも食べるよ。相手が君(人間)でも食べるけどね」と言い放つチャーリー。
彼は人間(ヒューマン)とチンパンジーのミックス、世界で唯一の「ヒューマンジー」だった。
チャーリーの考え方、語り方はかなり独特で面白い。
誰かが、また人間という種が、「自分は特別」と思ったら彼と話すといいんじゃないかと思ったよ。
アメリカの保守的な州での学校生活に、昔のドラマ「ツイン・ピークス」を思い出した。
絵も達者で、独特の世界観がある作者。
いつか浦沢直樹ぐらい有名になってほしい。

22年7月10日

息子が午後遅く帰った。
久しぶりの「ぶっかけそうめん」(from よしながふみ「きのう何食べた?」)をみんなで食べ、「あー、やっぱりこれがウマい!」と意見が一致。
また今度、せいうちくんと食べよう。
もう糖質制限は「単純に、お米を炊かない」だけになっている。

息子を送り出してひと息つき、掃除とかしてから投票に行く。
特に政治的信条のない私はこれまでほぼせいうちくんの言う通り投票してきたが、今回は住民登録の隙間に落っこちてどこの市町村からも投票券がもらえなかった息子があんまり悔しがるから、私の1票は彼の意見で決めたい。
せいうちくんとそれほどかけ離れてるわけではないしね。

マンション前の大通りを渡った大きな施設が投票所になるのかと思ったら、
「この道路で投票所の区分けがされてる。僕らはあっちの範囲じゃないからちょっと離れたとこで投票だよ」とせいうちくんに言われ、てくてく歩く。
こういう時、スマホやPCから投票できたら気軽でいいね。

投票を終え、図書館に行く。
最近は自炊したマンガと小説を読むのに忙しく、図書館で本を借りるほどの気持ちになれないので、目的はあくまでカフェのパンケーキ。
せいうちくんはいつもプリンを食べている。
お互いこれが夕食だ。

カフェで順番を待って並ぶ。けっこう人気があるんだよ。
前の人たちがひと組ずつ減っていってあと1人、若い女性がいるだけって状態になった時。
女性はご案内に来たらしいお店の人と少し話していたが、どうも後ろの我々を先にしてあげてくれ、と言ってる様子。
しかし示された場所が4人掛けのトイメンに2人で並んで座る(もちろんトイメンには2人連れが座ってて、間にアクリル板がある)って席だったので、「いいです。2人掛けが空くまで待ちます」とさらに後ろの人に譲った。

そのうち我々の後ろに並んでた人たちは待ち飽きたのか去ってしまい、せいうちくんもトイレに行って女性と2人きりになったので、思い切って聞いてみた。
「あの、突然失礼しますが」
「あ、はい?」
「さきほどはありがとうございました。どうして譲ってくださったんですか?」
「ああ、えーと、わたしは1人なのでカウンターでもどこでもいいんです。それに、待ってらっしゃる人がいると落ち着かないなーと思って、先に入っていただければと思ったんです」
「そうですか。ありがとうございます。休日で、混んでますね」
「そうですね、いつもわりと混んでますよね」
「平日の午前中や、休日でも午後遅い時間になればけっこうすぐ座れるんですけどね。ほら、今ももう、どなたもお並びでないでしょう?」
「あら、ほんとう…そうですか、時間帯によって違うんですね」

と話している間にも、2人席が空きそうだ。
「どうぞ、お先に。わたしもカウンターが空きそうですから」
「はい、ありがとうございます…ああ、カウンター、空きましたね」
「ええ、大丈夫ですね」
とにこっとして一礼しながら、女性は案内されてカウンター席に向かった。
ちょうどせいうちくんも本を1冊借りて戻ってきた。

席に着いて注文をすませ(せいうちくんはホットコーヒーとプリン。私はコーヒーフロートとふんわりパンケーキ)、マスクをしたまま小声で最前の若い女性の話をした。
感じのいい人だったのよ。顔立ちはKちゃんに似てて優しいもの言いやふるまいは息子のカノジョによく似てた。
「We had a nice chat」ってところだろうか。

パンケーキは「二重奏(2枚)」にしておいたのに、先にコーヒーフロートを食べちゃったせいだろうか、3分の1ほどを持て余し、せいうちくんに食べてもらう結果になった。
「おいしいね」と嬉しそうに食べてくれたが、かつてこれの最大メニュー「五重奏(5枚!)」を完食したことがあるとは自分でも信じられない。
「よく食べきったよね。さすがに肩で息をしてたよ」とせいうちくんは愉快そうだった。
最近の食欲のなさでまともな食事をあんまりしてないから、胃袋が小さくなってるのかも。それはそれでいいことだ。

コロナ以来、電車の中やお店、病院などで知らない人と「ちょっとしたお天気の話」などの世間話をする機会が激減した。
もちろん出かける回数も減ってるんだろうが、知り合い同士でもあまり会話をしてはいけない雰囲気だからね。
ほっとくと1日にせいうちくん以外とはしゃべらないことが多いので、そういう小さな「おしゃべり」の時間が減ったのは少し寂しい。
他人の「意見」ならTwitterとかでいくらでも知れるんだから、「話」が聞きたいね。

夜はいちおう選挙速報を見るも、TVをつけるなり脱力。
開票5%でもう当確が出るんかい。
ぐんにゃりして早寝のつもりが結局ほぼいつも通り。
せいうちくんは1日のうちあちこちで書斎にこもって仕事してた。
長いこと「お休みの日」ってない気がするよ。

今日のマンガは先日完結した稲垣理一郎原作・Boichi画の「Dr.STONE」全26巻。
ある日突如世界中の人間が不思議な光を受け、石化してしまった。
長い長い数千年の時が経ち、天才科学少年・石神千空が目覚めた時、彼は誓う。
「人類の進化全部すっ飛ばして、この石の世界から現代科学まで駆け上がる!唆るぜ!」
宇宙飛行士として石化した世界を救おうとした父親・石神百夜の想いは数千年の時を耐えて千空のもとに届くのか。
ってなんかコミックスのアオリみたいになっちゃうな。
少年ジャンプだけあって展開が早く、どんどん次が読みたくなるスピード感のある作品。
コミックスを待つストレスがほとんどない、ありがたいマンガでもあった。(気がついたらいつの間にか最新巻が出てる!)
幸いこれで終わったので、どんどん読んでみてほしい。
せいうちくんが忙しくてなかなか読めないので、石化の謎をネタバレしたくてたまらない~。

22年7月11日

朝早くから夜遅くまで日帰り出張。
帰りは夜中だった。
こんな激務じゃ死んじゃうよ。

一方私は、いつもせいうちくんが占領して暑くて入れない書斎に冷房かけ放題、やはり涼しくしてる寝室でマンガを読んではその記録を取ったり、また日記を書いたり、合間には水風呂に入ったり好きに過ごしている。
「せいうちくんがいないのもいいねー」と思ったのはかなり久しぶりかも。
それだけ仕事しづめの彼がかわいそうで、おっかなくて、ストレスだったんだ。
「1人で2、3日いけるかも!」なんて考えの、結婚してから初めてのことよ。
仕事しかしない人と過ごす毎日と、たまったマンガの記録整理は重いんだ。
いや、一緒にしちゃいかんが。
本音はもちろん無事に早く帰ってきて欲しいですよ、にこにこ。

今日のマンガは昨日ご紹介した「Dr.STONE」と同じ原作者、稲垣理一郎原作で作画はあの「男組」で有名な池上遼一の「トリリオンゲーム」既刊4巻。
パソコンオタクのガクとパリピのハルの奇妙なコンビが、底辺からてっぺんを目指すワクワク金儲けストーリー。
原作者が同じなだけでこれほどティストが出てしまうのか、と思うほどセリフ回しやお笑いポイントの絵が似てる!
青年マンガと少年マンガで市場がかぶらないから、いけるのか?
「トリリオン」って億万、ってことだったんだ。目指せ、億万長者!
まだ始まったばかりだけど、面白い。長く続いてほしい。

22年7月12日

1カ月ぶりの整形外科定期通院。
リハビリが半年でいったん休止なので、毎週行って時々シップと鎮痛ジェルなくなった分をもらってたのが途切れてた。暑さのせいもある。
「いい医者には電車とバスを乗り継いででも行け」派にはなれない。
近いのが「いい医者」の第一条件。

「今日が何日で何曜日かわからない」のは勤労が定期的でない人間にはよくあること、とZOOM飲み会で長老とかGくんと話してたんだが、仮にも会社員の配偶者をやってる以上そこはある程度はっきりしている、と思ってた。
この頃激しくわからなくなってきたのは、きっとせいうちくんが基本テレワークなのに無茶に不定期に突然出社するようになり、かつひと月近く「週末」が消え失せてるせいだろう。
ヤマトやガンダムの主題歌をエンドレスに再生しながら徹夜で仕事しまくり、しまいに両方のアニメ版を全話4、5回通して流して働いてた時以来だ。
あれは10年前か15年前か。
本人談「やはりガンダムよりヤマトが力沸く」だった。
敵には敵の正義あり、は胸落ちしにくいのかな。

あまりに忙しい人の横に座ってると何か応援したくなり、クラブハリエのバームクーヘン大箱をポチる。
さすがにそう頻回に買うとも思ってなかったから、今回初めて会員登録した。
それなら同じ仕事で忙しい会社の仲良しさんにも、と同じものを送る手配。
もちろん、会議の隙間にせいうちくんに聞いて了承を得ながらだ。

向こうの奥さんにメール入れたら、今週彼らは2回も千葉でデートするって奥さんは聞いてなかったらしい。
「家庭が成り立たないぐらい忙殺されてます(涙)」と伝えると、あちらも家庭内放置プレイ継続中だって。
みんな大変だなぁ。
バームクーヘンは正解だったみたいだよ。
せいうちくんを励ますのにせいうちくんの稼いだお金で高いバームクーヘン買って、私もついでにいただく(いや、主に私が食べてるなぁ)ってどこか間違ってる気がする。

お金と言えば、使いたくない金は1銭も使わない主義のGくんなのにAmazon Music Unlimitdeの長期無料戦略にハマり、気づいたら半年近くも有料会員を続けてたらしい。
昔の忍者マンガを思い出すね、「むはははは、遂に術に嵌まったな!」と笑う悪の忍者軍団首領の顔が浮かぶよ。

風呂上がりにタバコを吸ってると、自分から立ち昇るリンスやボディシャンプーやいい匂いに気づく。
やっぱりまた禁煙しよう。
換気扇の下は暑いよ。

せいうちくんは特養のお義父さんの歯磨きと定期検診について、お義母さんの意見を聞いていた。
「歯は、私が磨く真似をしてきちんと磨いていたから、虫歯も歯周病も抜けたところも一切ナシ!お医者さんが『このお歳でこんな状態の人は見たことがありません。初めてです!』って、そりゃもうびっくりしてたわよ~」と自慢の様子。
歯が抜けるのは大変な恐怖なので、どうするとそうなるのか教わりたい。
でも特養の歯科検診は「月に1回」か「月に4回」しか選択肢がないので、3カカ月に1回ぐらいで十分と考えるお義母さんは、そのチョイスがないので困っていた。「お金がかかるじゃない!」って。
そうすると「歯科検診はいらない」という選択になるかもだが、特養の個室で1人でいると歯磨きのことなんか忘れちゃうのかもしれないし、そしたら虫歯になって抜くことになって入れ歯になるまで放置かも。
その方がお金かかるんじゃないかな。
いずれにせよ、書類に「3カ月に1回程度を希望」と記入してみて、それだといくらかかるのか相談してみないとわからないね。
特養はそういうオプションにいちいち別の支払いがあって大変そうだ。

今日のマンガは池辺葵の「繕い裁つ人」全6巻。
豊かで深く、優しい。
人がものを作り上げる技術の話に納得がいき、心地よい、気持ちの満たされるあたたかい喜びがある。
洋服にはあまり興味がなくて、おそらくオーダーで作る日は一生来ないだろうが、それは一部のお金持ちの贅沢ではなく、むしろ懸命に生きる人々の心の支えになるのだと初めて知った。
世界に別の方向から光を当ててもらえたという意味で、非常に貴重な作品だった。
男性にもおススメだ。

22年7月13日

じっとしてればエアコンなしでいられるような涼しい日だけど、湿度は時折80%を超えてくる。
寝る時に寝室が25.5度の82%だったので、迷わずドライをかけた。
体感する涼しさ段違い。
せいうちくんが布団を厳重にかぶって寝てしまってからエアコンを切って窓を開ける。
寝ころんだままマンガを読み続けていると、30分ほどで布団を蹴飛ばし始める彼。
触れるだけで暑くなる羽根布団がこちらに雪崩れてくるのを蹴飛ばし返し、ついでにせいうちくんの足もちょっと蹴飛ばしておく。イエローカード寸前。

ミセスAからお子さんの柔道着の洗濯について「先輩!」と質問された。
張り切って「かつてのヘビーユーザーの手腕(昔取った杵柄、とも言う)」を見せようではないか。
「基本的にどう洗ってもいいです。何でもアリです。柔道着上下だけ強め洗濯機もよし、他の衣類と一緒に普通に洗うもよし。外干しでも乾燥機でも浴室乾燥機でも」とお答えしたら、意外なフレキシブルさに驚かれたらしい。
「臭いの問題はもっと先のことです」と言っておいたのは、中学生が授業で習う程度の練習なら、問題はさほどないから。
彼らにはまだ「男の体臭」がなく、また授業ではしぼるほどの汗をかいたりしないと思う。
高校生部活、ぐらいから臭くなる。
浴室乾燥機をよく使っていたので、その頃になるとお風呂に入っててもなんとなく異臭を感じたよ。

「1年間持ち帰らない」という猛者もいるらしく、その種の子の柔道着はヘンな緑色になっているとミセスAは聞きこんできた。
これも、着る機会が少ないため、ロッカーなどで青カビを培養してるんだろう。
小学校入学の頃から警察で柔道を始めた子の親は、学校の授業で始まるまで意外とこの「緑色」を知らない。
基本、警察柔道は親が送って行って、練習もずっと見学してるものなのだ。小学生の間ぐらいは。
当然、柔道着も毎回持ち帰る。そもそも個人用のロッカーとか、ない。
おまわりさんたちの練習場を借りてやってるわけで、私物は1回1回持ち帰るんだよ。ある意味、公共の場だもんね。

なので、中学や高校の授業でやるまでには柔道着毎日洗濯の習慣がついてる。
「今度、授業でやるんですって。うさこさんとこ、柔道着はあるのよね」と何人かに聞かれた気がするが、背中のゼッケンの名前も違うし、うちの柔道着は常に2枚ほどで回していたので1学期間よその家に貸し出す余力はなかった。
そう説明して、「ごめんねー」だった。
特にとびきり仲良しのママ友がいなかったせいかもしれない。
そんな学校話の中で、初めて「柔道着緑色になる伝説」を聞いたわけだ。

毎日滝のように汗をかいて、ずっしり重くなったところを持って帰ってくる柔道ボーイズの柔道着は、毎日洗って週に1回は漂白液につけてたから緑色になってるヒマはなかったのよ。
高校柔道部では「柔道着?基本、洗うのは試合終わった時だけです。固くなっちゃうから」との驚きの意見も聞いた。
確かに綿100%の柔道着は、洗って干すとそのまま立てても立体のままなぐらいゴワゴワになる。
それでは最初動きにくいから、試合までに少し「ほぐして」おくわけだ。
息子の柔道着も、洗濯の前と後とでは襟や袖の手触りが全然違ってたもんだった。
あと、毎日着たり脱いだりして「風を通して」いるので、汗を吸っていてもそう簡単にはカビたりしないのだった。

コドモはね、特に男の子はね、小さい頃に何でもかんでも「おいてきて」「なくしてしまう」生き物だったよね。
うちの場合、女の子の身じたくは全部親か学校か施設か、いずれにせよオトナがやるものだったので、そのめんどくささは知らないんだけど。
キラキラした小物が多いのかなぁ、と想像する。
スポーツやっても、ユニフォームを置きっぱなしにしてくるような女子はあまりいないのではないか、とか。

多くの男子が、成人するぐらいまで女子より圧倒的におマヌケで、使い物にならない。
高校でも、入学式の直後のクラス父母初顔合わせで男子の母は「とにかく女子の親のケー番かメアドをゲット!」と奮闘していた。
「明日必要なもの」「学校からのお知らせ書類」などの情報を確実にゲットするためだ。
なんなら即座にファックスで書類を入手!

我が家はそんなことも知らずにぼーっとしてたので、学校で起こるいろんなことを息子自身に確認し「特にない」とスルーされる愚を犯していた。
せいうちくんが2回もPTA役員をやったにもかかわらず、「実技発表会」の情報を1年間、「体育祭」の情報を3年間ずっと知らなかった。
まわりでは当然知っているだろうと思われており、「どうしてせいうちさんちは見に来ないんだろう。いつもいろいろ来てるのに。ものすごい見ものなのに」と訝しがられてはいたようだが。
「体育祭?んなもん、見に来る親はいねーよ。考えろよ、授業みたいなものだぞ!」と言われて「それもそうか。のぞき見もダメなの?」「殺すぞ」というような会話で終わっていたので、実は両親もじいちゃんもばあちゃんもみんな応援に来るような高校の華の体育祭をずっと見逃していた!

今の息子にその辺を話すと、
「へー、ひどいね。ごめんね。コドモだったんだなー」とけっこう真面目に謝られるんだが、いつまでたっても腑に落ちない。
あの頃、彼のせいで我々は「しなくていい苦労」をしていたのではないだろうか。
もう一度言う。男子は基本、使い物にならない。
どれほどジェンダーレスに育てても、成長が遅いのは如何ともしがたい。
気長に、オトナになるのを待つしかない。
せいうちくんは、自分が本当にオトナになってきたのは30歳に近い頃、娘が生まれて以降だったと今ふり返っている。

今日のマンガは田中相の「LIMBO THE KING」全6巻
舞台は近未来のアメリカ。世界を恐怖に陥れたが根絶されたと発表されてい「眠り病」。
発症すれば数カ月で死に至る特効薬のない病だが、唯一「ダイバー」と呼ばれる、コネクトされて他人の意識の底に入り込み、その人のトラウマを餌に巨大化する感染源を探し出して「消去」する特殊能力を持った人間だけが治療できる。
他人の意識の底の底という「地獄(LIMBO)」に幾度となくダイブして常に生還してきた男、「LIMBO THE KING」を捜し出し、再び猛威を奮い始めた「眠り病」を殲滅せねばならない。
ダイバーを安全に連れ戻すための「コンパニオン」に選ばれた退役兵の人間らしさが、KINGと呼ばれた男をよみがえらせるところがいいかな。
絵面がちょっと吉田秋生の「BANANA FISH(全20巻)」に似てて、連載開始時には話題になった。
別物だったし、ちゃんとSFだった。
思ったより早く終わったが、満足感は高かった。
その後あまり見かけなくて、残念。

22年7月14日

私は午前中はマンガを、午後は日記を読み返して過ごした。
かなり忘れていた年越しのあたりから引っ越し、今日に至るまでの流れが頭にしっかり入った。
またすぐ忘れちゃうんだろうけど、「悲しい時はきっとある」「楽しい時もきっとある」って事実を時々思い出して刻みなおすのはいいことだ。

高校時代の仲良し女子に、とても長いこと延び延びになっていた引っ越し終了の報告と初孫くんのお誕生祝いLINEを送ろうと思う。
初孫くん、誕生日は覚えやすいから忘れないけど、2歳だっけ3歳だっけ?妹ちゃんの誕生日はいつだった?って疑問が残ってたが、前のLINEを読み返したら全部解決した。
簡単に過去のやり取りを読み返すことができて、LINEやMessengerはとても便利。
語句検索ができたらもっといいな。

お義父さんの特養に定期連絡(今は隔日になってるみたい)を入れてるせいうちくん、昨日、「もっと本を持ってきてくださると助かる。本を読んでいると落ち着いていらっしゃる」と言われた。
この際思い切って購入しようと、グラビア、はっきり言って女性の水着写真とか載ってる雑誌を施設に持ち込んでいいものか、と訊いたところ、「かまいません」という返事。
お義父さんの希望だからなぁ。

夜、お義母さんに電話し、了解を取っていた。
母「え、雑誌?あの人、雑誌なんてくだらん、って言ってたわよ。読まないわよ」
せいうち「いや、水着やヌード写真の載ってるようなやつです」
母「なに?!よく聞こえなかったわ。何が載ってるって?」
せ「ヌードとか」
母「ヌ…ヌード?裸ってこと?!そんなの、見ないわよ!」
せ「お父さんの希望だから」
母「はー…そうなの…でも、そんなもの、買えるの?」
せ「普通に本屋やコンビニで買えますよ。週刊ポストとか、プレイボーイとか」
母「はー…じゃあ、あたしが本屋に行って見てくるわ」
せ「いや、家にある本から歴史や音楽や芸術の本を選んでおいていただければ、私が取りに行って特養に届けるついでに買っていきますから」
母「はー、そうなの。じゃあ、お願いします」

というわけで、今日出社して、帰りに実家に寄ってお義父さんの本をピックアップし、特養に届けて15時ごろ帰ってきたせいうちくん。
「昨日打ち合わせたとおりに実家に行く前に雑誌を買っておき、本と一緒に職員さんに渡した。ちゃんと現物をよく見てもらって『問題ありません』って言ってくれたから、大丈夫!」とハードなお使いイベントに少し疲れたって。
私は昨日のお義母さんの反応の方が疲れたよ。
お義母さんが悪いんじゃなくて、世の中に雑誌を電車内に置いていく人が多いのはそういうわけか、ってわかった。
家庭に持ち込まないけど、読んでる層がいるわけね。

「禁じられたり受けつけられなければそうなるよ。僕だって塾に行く時『少年ジャンプ』買って、電車の中で読んで、帰りにまた読んで、駅で捨ててきてたよ。持って帰ったら隠しても見つかっちゃうし、叱られて捨てられちゃうからね」
うちはマンガフリーだったなぁ。
いろいろフリーすぎて、母親や姉が私の日記を読んで話題にするのもフリーだったみたいだ。
日記を捨てるわけにもいかないから、毎日持って登校してたよ。
交換日記とか詩のノートとか、あれこれ合わせて4、5冊あったから、それだけで重かったよ。
クラスでは「カバンの重い女」って呼ばれてたなぁ。

いくえみ綾の「あなたのことはそれほど」全6巻を読み返すと、こっそり妻のケータイを見る男はキモいらしい。
人のを盗み見る必要はないからわからないが、もし必要だったら私は見るね。何としても見る。
ただ、そこまでして見たものをすぐに怒ってぶつけちゃうかどうかはわかんない。
ティファール型ではあるものの、もしせいうちくんのスマホを盗み見るほどのことがあったら大ごとだからだ。
そもそも暗証番号知ってるどころかお互いの指紋認証で開くようになってるから、それで開かなかったら「え?」って思って「なんか変えた?」って訊くかも。
そしたら、「仕事上ですごい機密を扱うことになってしまった。キミと言えどもうっかり見られたらマズイ」って答えぐらいしか想像できない。

いずれにせよ、「あんたの日記読んだけど、誤字が多いわね」「愛だ恋だって夢みたいなことばっかり書いて」と話題にされたら、誰だって肌身離さず持ち歩くようになるよ。
学校の子に見られたってちっとも困らないもん。

それはそうと、いくえみ綾はいいぞ!
今、連載してる「1日2回」(既刊3巻)なんて、ちょっとしたペン使いでうまいこと表情のニュアンスを出すのとか、考え抜かれたセリフ(とくにフキダシでないとこの独白がいい)とか、達人だ。

というわけで、今日のマンガはいくえみ綾の「あなたのことはそれほど」全6巻。
テレビドラマにもなり、かなりヒットしたと思う。
「誰が一番悪いのか」は比較的簡単な気がするが、「誰が一番キモい」のかとなると、W不倫されたダンナは正直ほとんどキモくない。
不倫して夫のこと「小熊ちゃん」とか内心バカにしてる妻の方がよっぽどキモい。
私より常識がありそうなせいうちくんに聞いてみた。
「うーん、話だけ聞くとその奥さんが感じ悪いね。でも、ダンナさんのこと、奥さんの親友のまっとうな人も『ちょっとキモい』って思い始めるんでしょ?キミは基本、キモいのが好きだからなぁ。おかげで僕なんかと結婚してくれて、僕にはありがたいけどね」
そうか、せいうちくんはあのダンナさんに似てるのかも。
お料理も家事もしてくれて、とっても愛して大事にしてくれて、何を言っても怒ったり離婚したりしなさそうで、一般的にはちょっとキモくて…
最近のマンガは「悪い人にも悪い人の理由がある」ことが多いけど、エッジの立ったキャラ作りでそもそも「誰が悪いのか」を読者が好きなように決められる自由度が高い気がするよ、いくえみ綾のマンガは。

22年7月15日

せいうちくん、1日中会社。忙しいね。
昔は「平日は会社に行く」が当たり前だったけど、ここ数年、「いつ家にいるか」が流動的だ。
コロナの始まり頃はオリンピック中に都心を混雑させないために準備していたシステムが役に立ち、スムーズにテレワークに移行して家にずっといたが、この頃は半々。
しかも1日中いる、というより「何時と何時に人とリアルに会う会議があるか」で出社時間帯が決まる。
朝早く出て昼に帰ってきて、その後はテレ会議やってる日もあれば、午後に出て夜遅くまでリアル会議の日もある。
コロナ前には週に3回以上入っていた接待とかの外食が、今はほとんどないのは助かる。

「でも、やっぱり出社しよう、みんな顔を合わせたいよね」って雰囲気になってきた。僕は仕事さえ進めばどっちでもいいけど、家で仕事するのに慣れちゃうと、通勤時間はみんなにとってロスだよなぁとは思う」んだそうだ。
私もほぼ同感。
まあ「リアルのありがたみ」はたまーに友達にリアルで会った時思い知るんだが、次善の策としてのZOOM飲み会なんかはハードルが低くて好きだね。
逆に「ZOOM飲みはハードルが高い。抵抗がある」って人もいるし、「暑いとか涼しいとか季節によっても違う」っていう意見もあるし、さまざま。
ライフスタイルの多様化ってことで選択肢に入れてもいいけど、どっちにバイアスがかかるのも困るなぁ、リアル出社とテレワーク。

せいうちくんの顔を見るだけでほっとして安心できる点ではテレワークに手を上げたい。
しかしこうして不在の日に思いっきり好きな室温で書斎でPC使えるのはリアル出社のありがたさ。
どっちもアリで、出社が週に1日か2日、ぐらいが家で待つ私としては嬉しいかもね。

17時過ぎに心臓の定期検診に行くと、目論見通りかなりすいていた。
検査して、
「ワーファリン値が少し低すぎるわねー」と悩む江口のりこ似の女医さんに、
「もともと1.75mgのんでたのを、出血傾向で減らして、それをまた増やし始めてるところですから、1.5mgを1.75mgまで上げればいいんじゃないでしょうか」と進言する。
「そうね。そうしましょう」
「じゃあ、次は1カ月後じゃなくて2週間後に来てもいいですか?ワーファリンが安定するまで、ちょっと心配ですから」
「うん、また測ってみましょう。じゃあ2週間後に来てください」
ずいぶん自分の身体のことがわかるようになってしまった。
慣れるのはいいのか悪いのか。

そしてほぼ家の隣、という慣れたはずの薬局に行くのにうろうろ迷う。
雨の夕方って、道がわからなくなるもんだね。年取ったからかな。
着いたのが17時50分ちょっと過ぎ。
処方箋出して、いつものように「できたらお電話ください。すぐそばなので、取りに来ます」と言うと、困ったように、
「もうじき、閉店時間なんです。明日の朝、9時に開店しますから、その時でもいいですか?」と言われた。
「朝早く飲む習慣なので…」
「お手持ちはありませんか?」
「毎回、薬の分量が変わる可能性があるので、先生が余分を出したがらないんです…」
「では、ここでお待ちいただけますか。もうカーテン閉めちゃいますね」

昨日、Twitterの記事で「病院や薬局に書いてある昼休みの時間に来て、『自分の昼休み中なので、今、やってほしい』と言う人がよくいる」という医療従事者さんの意見を見た。
「『あなたは昼休みでしょうが、私も同じく昼休みです』だよねー」って意見が多いのでなんか安心したんだが、今、私は人を残業させようとしている!
しかし病院は18時まで受付をしていて、診てもらったらそれを過ぎることもあるだろう。
そんな時、処方箋はどうしたらいいのか…

もちろんあれこれ考えればこちらの打てる手はいくらもある。
病院には数日早めに行き、薬の廃棄が発生しても気にしないとか、変わるのは主にワーファリン量なんだから、そこだけ自分で調整するとか。(ワーファリンだけは手持ちを作ってある。1.75mgと言われればピルカッターで切って作れる)
夜せいうちくんにしみじみと薬局でとTwitter、両方の話をしたら、
「あそこの薬局はわりと早く帰りたがるよね。僕もこないだ土曜日に受付時間内なのに困られた。対処法はね、向こうが処方箋の受付時間と閉店時間をずらすことだと思うよ」と言ってくれた。
その手もあるか…
早く帰りたがる夫を喜んでいる私が、今日は誰かを3人ほど残業させてしまった。
いろいろ考えるところがある。
とりあえず、現在の一包化された薬をもうちょっと入手するところから始めよう。
江口のりこ似は、ダメとは言うまい。(ゴネてたのは前の医者と前の前の医者)

今日のマンガは完結したて。
魚豊(うおと)「チ。―地球の運動について―」全8巻。
まだ人々が地球が宇宙の中心で、太陽や惑星が地球の周りをまわっていると考えていた頃、長年の観測と計算によって「実は地球は他の惑星と共にそれぞれの軌道で太陽の周りをまわっているのだ」と発見した人物がいた。
彼の理論は多数派の宗教にとって異端であり、悪魔の考えだった。
彼の説を信じる人間たちは異端審問に追われ、拷問され、処刑される。
その説の名はーー「地動説」。
ショッキングな始まりでマンガ好きの耳目をさらった作品。
もっともっと長く続けてほしかったが、まだ作品数の少ない人なのでこれからが本番だろう。
終わり方にもいろんな解釈があるようなので、楽しめるのではないかしらん。
天文好きの方は、是非!

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