いもむし

仕事がない日は行くとこない。
悲しいのに慣れてしまった。
家にひとりでいればだれでも、
だれでも悲しいさ、
気分の落ちこみは暇のせい。
そうだよたしかに暇のせいだな。
だけど考える時間を設けて
考えた結果悲しいのにね。
間違ったことのように
言われてもね。
いもむしになっちゃった。

いざ、じぶんが、
そんなの間違ってるよ、
不幸だよと言われるような、
でもじぶんがよければ
それでいいとも言われるような、
自分で自分を貶めるような、
プラスチックの宝石を
じゃらじゃら手のひらで
もてあそぶようなことに
なってみたら、
それでもいいもん、
だって私にはこれが
一番美しい形だから、
私じゃない人たちに
なにがわかるわけ、
そうやって居直っている。

むかしから
決まっていたような気がする。
なにか運命のようなもので
結ばれているような気がする。
それも、仕事のない日に
考えてみれば
心底馬鹿なので、
だから人間は働くのである。
じぶんを省みる隙を
みずからに許さないため。

王子様もいません、
魔法もありませんでした。
めでたしめでたし、
じゃなくて、
王子様も魔法も
いるところにはいるし
あるところにはある。
しかしこの部屋には
いもむししかいなかった。
だからなにといわれれば
それまでのことを
私として一生をかけて
見つめられることを
すこし誇りにおもうくらいなのだ、
いつかはねが生えるとしたら。

五本指ハムスター✌🏻🐹✌🏻