初心者

覆いをとった顔をよく見たい、夜じゃなくて明るいところで。兄弟のような者のこと、運よく生まれつき与えられた愛の形は簡単に思い浮かべることができるのに、ずっと遠くから憧れてきただけの子の形はなにひとつ知らなかったんだな、三日月の内側で指を切っても痛くない、まだ不慣れな夜道の手をひいてみたい。

アスファルトに張り付いた若葉マーク。
最近よく見かける。
駐車場のはしっこで見つけて、今度こそどこに張り付いていたか覚えたぞとおもった。駐車場だ。
前回見たのは今日の昼だったと思うが、どこで見たか全く覚えていないので、なんかこわかった。でも確かにここ以外の別の場所で、あ、若葉マークが落ちている、そう思った。しかも近頃何枚も見かけるので、なにかの暗示めいて怖かったのだ。地面の若葉マークは脳に転写されて、ぺたりと張りつく。いやだ。

言わないということはうしろめたいということなのか、眠りに落ちるときに魂を捧げているのはいつも別の男の子だ、ごめんなさい。でもお兄ちゃんみたいな弟みたいな君には絶対に言わないとおもう、心の宛先、お互いにどうせそうだと思って、身勝手に正当化している、こんなことが大人になるということならばそう。

五本指ハムスター✌🏻🐹✌🏻