時を超える呪い

ほとばしる命の飛びちったのを避けた。ぼたっと床に着ちする。噴き出し口からつぎつぎに流れだしてとまらない命がこわい。
止まって。
いつかぼくたちも全員いっしょくたになる。

重ね合わせられた肉の襞を指で外側に押し分けると周りの肉質よりも青白い、しこりのようになった部分が開かれる。結ばれた糸たちを丁寧にほどいてから予め敷いておいたタオルのうえにおいて滴る水を吸わせる。

砂肝を八つ並べる。
不吉な色をした臓器だ。
触り心地が硬く、
初めてモルモットを抱いたのに似てる。
皮膚のむこうにある
骨や熱の感覚、
初めてのモルモットに似ている。
隣でミンチを作っている男の子の
髪が短くなっていた。
ミンサーの穴から
ミンチミンチと音がする。
挽きはじめの勢いがつよく、
一度だけぼくの足元まで飛んできた。
ぐちゃぐちゃの豚の死骸が
飛んできた。
びゅるるっ、べちゃっ、
ぐちゅぐちゅっ。
ぬるぬるの血まみれレバーを
四つ並べる。  
タオルに残った血痕のかたち
いびつなハート。
じゃあなんで結婚なんてしたの?

五本指ハムスター✌🏻🐹✌🏻