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外側を洗ってるっつってんのに

あなたはレタスを洗うことができません。レタスがそれを許さないからです。

野菜は、袋に入って売られていれば清潔そうに見えます。でもそれは、逆にいえば、清潔そうに見えるから包装して売るのであって、実際の清潔を担保しているわけではありません。

私は元来潔癖というわけではありません。しかしながら人々の清潔・不潔への意識を一段階向上させるできごと、新型肺炎の流行というできごとに伴って、ちょっと清潔になりました。
あと、もとから扁桃炎で高熱が出たりすることが多いというのもあって、予防のために、ものの清潔・不潔には多少厳しい見方をしています。

ほとんどの野菜は工場で作られているわけではありませんから、絶対にだれかが触っています。最低でも三回は別の人に触られているでしょう。これはもう、洗わねばならぬ。

生食しないときの野菜はまあ、表面を水で洗うくらいです。熱するので。

問題は生食する野菜ですが、徹底して洗います。切ってからざるで水洗いして、目に見える虫や土などを流せばよいくらいに考えている方も多いし、私も子どものときは親がそうしていましたが、それはやや不潔な気がします。

まず丸のまま、洗剤で洗います。手洗いと同じことで、石鹸でよくこすることで表面を清潔にします。

果物などは外側を洗って、包丁やまな板、手指などが清潔であれば、もう大丈夫でしょう。

しかし葉野菜は面倒です。
私は大葉を切る際、束になったものを一枚一枚石鹸で洗っています。なにをしているのだろうわたし、と考えてしまう。
でも手を洗ってから食事をしましょうと言うくせに、生で口に入るものを洗わずに食べるのはなんか本末転倒というか、理屈が通っていないというか、めちゃくちゃな気がして許せないのです。
絶対に洗う。絶対に洗ってやる。

そして最も厄介なのがキャベツ、レタス、白菜など、結球するアブラナ科の植物です。

この人たちは基本的に洗わせる気がありません。不潔から逃れられない植物です。 

白菜については、熱して食べることが多いので問題はありません。虫だけ洗って落とせば、あとは鍋につっこめばいいのです。私の勝ち。

キャベツは半々です。熱してたべるとき半分、生でたべるとき半分。特に春キャベツは生で食べるのが醍醐味ですから、洗わなくてはいけません。

レタスは、熱しても美味ですが、生で食べることが多いのではないでしょうか。
洗います。
しかしそれには問題があります。
葉の枚数が多すぎる。
もし大葉とおなじように一枚一枚剝がして洗っていたら時間が足りません。

だから葉で捉えるのではなく、面で捉えることにしました。外側だけを洗って、内側は自然に生育しながら密室が保たれていて清潔だからよしと考えることにしたのです。

しかし、外側を洗剤で洗ってみるとわかりますが、レタスというものは葉の巻きが緩いので、外側を洗っているってゆってんのに、内側まで水が流れ入ってしまうのです。
石鹸水が内側の葉のしわの隅々まで浸透してしまいます。界面活性剤を一緒に食べるわけにはいきませんから、洗い流さなければなりません。しかし折り重なった葉と葉の間を洗い流すことは想像するよりも難しい。
切って、断面に流水をぶつけて、よく流したと思っても、食べるときに洗剤の味がしたことがありました。なんで馬鹿なんだろう。
結局レタスは丸のまま洗剤で洗う、カットする、食べる大きさにしたらザルで洗うという工程を採用しています。手間のかかる野菜だこと。

一番最悪なのは半分にカットされた状態で売っている玉菜たちです。なにを考えるかもうおわかりでしょう。
カットされているということは、カットしている人がいるのです。カットしている包丁やまな板が必ずしも清潔であるとは限りません。

だから私は半分の野菜を買ったときは、断面も石鹸で洗うのです。絶対に洗わないと気が済まないのです。断面があるということは、内側が外側になっているということなのです。絶対に絶対に。

潔癖ではありません。

五本指ハムスター✌🏻🐹✌🏻