ひとりのとき

ながく寝た。
時間がある。
ぼくが思いたい人のことを思う。
窓の外が明るい。

この窓が好きだ。
もう
思おうとしても思えない人たちが
窓のこちらがわにまだいる。
ときどき一緒に眠る。
むこうの青を想像する。
普遍。不変。
すくなくとも
ぼくたちが感じられる範囲では
永遠。

あの子とはじめて会ったあと、
おなじようにひとりだった。
あの子はぼくの気持ちを
言いあてた。
どんなふうにひとりなのか、
あの子は言いあてたのだ、
それからは決して
ぼくがひとりになるようなことは
しなかった。
やさしい、えらい、さとい、
あなたのおかげで生きられた、
ぜんぶ教えてほしかった。
とにちゃん
とにちゃんと
呼んでくれた。
いつも呼んでくれた。
ぼくはあの子を
ひとりにして
平気でいた。

やめる。
思いたい人の、
思いたいしあわせ。
思いたいようにする。
もう届かないから、
ぼくの思うように、
思うしかない。
天国だって、
人間が思いたいように
思ったものだし。

ほんとうにひとりのときは、
思いたいように思うしかない。

五本指ハムスター✌🏻🐹✌🏻