成功させましょう、乾杯。
皆かわいらしかったのでこの人たちが成功しますようにと願いながら飲酒した。

6年一緒に仕事をしていて一度もマスクを外した顔をみたことのない先輩の顔を今日こそ見られるかとおもったが、ストローを家から持参していて、マスクの下から差しこむようにして飲み、食べ物もフライドポテト等マスクの下の隙間から差しこめる大きさのもののみを選別して喫して居、何なのだこの人はとおもった。

会場全体が酒気を帯び自他の境界が曖昧になってきたころその隅のほうで先輩と私は電子的な手段で麻雀を打ちはじめ東風のたけなわ、歳が近くいつも親しげにしてくれる部門の主導者が先輩の隣にやってきて、打ち筋を教示しだしたが、私は二局続けて清一色を和了した。運を尽くした。

そこにもう解散になるからと席の近い者同士小集団をいくつか作り写真を撮りはじめるくだりがあったがその際、だれかの手がわたしの顎の髭を戯れに撫でているのを感じた。部門の主導者の手だということがわかってからもいやな気はせずむしろ犬のようにされて喜ばしくさえあったがということはそのとき自分の手は自分の習性としてまさかもしかしてその返事にどこかに伸びていただろうか、家に帰ったあとも今もずっと恐ろしくて、撮られた写真が公開されても見ないようにしようと決めている。

私の傘が盗られぬように目印としてぶらさげている「中」の牌は、この日は来なかった人から賜ったものだった。中を見せると部門の主導者は君がドラを握っていたのかと笑った。雨はやんでいた。

五本指ハムスター✌🏻🐹✌🏻