わたしのほうがかわいいからええか

春がきたのに枯れたあとの土ばかり見ていた。これからひらく芽のほうはどうなる。

知らない人から最初からすこし嫌われている。勝敗のあることに負ける。そんなに悪いことをしていないのにすごく怒られる。

さいきんたまたま運が悪かった。

運というものはとても都合がいい。
ほんとうはじぶんの行いの少しずつが因果応報などという宗教的な意味合いではなくもっと現実的な意味で返ってきているというか、結果があるだけなのだ。

私が好かれるような工夫をしていないから嫌われるのだし、勝敗のあることに勝つための努力をしていないから負けるのだし、悪いことを若干はしているから怒られるのである。

それをぜんぶ運のせいにできる。

髪を切られながら信じられないことを思っているじぶんに気づいた。
「まあわたしのほうがかわいいからええか……」

終わったと思った。
終わった人間です。
最終的にじぶんを救うのが自惚れではもう。

しかしそんなとこで謙虚であってもやな。
もうそう思うことでしか心を守れないような気がしたのなら、しかたないよね。
まあかわいいからええか……。
そうやって生きている人って、もしかして最終手段としてそうやって生きているだけなのかも。
弱くて寂しい人なのかもしれない。
またひとつ優しくなれたのだと決めた。

五本指ハムスター✌🏻🐹✌🏻